テーマ:外食!(35)
カテゴリ:「食」
日本マクドナルドの盛衰で、「プロ経営者」の評判は上下した。 一般にプロ経営者は、業績不振企業を立て直すのは得意そうで、好業績の維持・向上は不得意、あるいは普通の経営者並に見受けられる。 食材原価率を高めることで品質向上をはかり業界首位となり、業績好調を続けたスシローは、外部から「プロ経営者」を迎えて大いに信用を失墜し、業績を低下させた。 復活のカギは?? 財経新聞 2022年11月7日 17時58分 ●スシローが72.6%の減益 回転寿司大手「スシロー」などを運営するフード&ライフカンパニーズは4日、2022年9月期決算を発表。純利益は前期比72.6%減の大幅な減益となった。 円安による食料調達コストに加え、寿司の在庫がない状態で広告を続けるいわゆる「おとり広告」などの不祥事が打撃となった。 コロナ禍の勝ち組と言われ、株価もコロナ前の2倍以上に上昇したスシローだったが、今や年初来の半値まで下落し、コロナ前の水準近くまで低下している。 1984年の創業以来、1皿100円(税抜)の価格を店舗効率化などで守ってきたが(都市型店舗などを除く)、10月から税込みで120円に値上げせざるを得なくなった。スシローに勝機はあるのだろうか? ●コロナ禍で好調だったスシロー コロナ禍で外食産業が苦しむ中、デリバリー戦略が奏功し、順調に売上を伸ばしてきたスシロー。緊急事態宣言下の時短営業の協力金も、追い風になっていた。 セルフレジや自動案内機などの非接触型サービスに、テレワークの普及もあり、郊外に住む人にとって気軽に入れる外食としても人気が上昇。 都心にもテイクアウト専門店を出店するなど、攻勢をかけており、寿司だけでなく、サイドメニューの充実にも注力していた。 ●再び反転するカギは? 円安はしばらく続きそうで、1ドル110円~120円台の水準に戻ることは、当分期待できない。 不祥事もおとり広告だけでなく、マグロの種類偽装疑惑や、ビール半額キャンペーンを掲出しながら定価料金を受け取るなど、続々と噴出。企業体質を疑問視する声もある。 他の回転寿司チェーンでは、くら寿司も2022年10月期決算が当初の黒字から営業赤字予測に転落しており、苦境が見える。ただ、これまで好調だったけに、スシローの転落は業界の中でも目に付く。 一方で、コロナ規制緩和による海外店舗の売上が寄与し、売上高は増加している。 ― 引用終り ― おそらく経営戦略の正解は、短期で成果が出る広告宣伝主体政策ではなく、儲かる持帰りとセットの都市型店舗の拡大のような時間がかかる地道な戦略にあったのだろう。コロナ禍以前にはテイクアウト専門の寿司店がオワコンであったことが、プロ経営者の判断を邪魔したのかもしれない。 日本国内でトラブル続きでも、あまり過去の「信用」や「評判」が問題にならない海外でなら、伸長の余地があるのだろう。 これにあたり課題となるのは、何を現地化し、何を現地化しないかの判断となる。信用は大事だが、単なる「元祖」や「本家」などの「ノレン」もビジネス上の価値はそう大きくはない。 海外進出の先駆者自動車業界では、米国自動車市場において、日本のメーカーでホンダは現地化をすすめながらブランドイメージを大いに上げた。 日産、トヨタはシェアにこだわり、米国流のビジネス路線で展開した結果、ブランドイメージは低いままだった。高価格帯のクルマ「高級車」を販売するにあたり、「インフィニティ」、「レクサス」ブランドを設定するに至った。 製造の現地化は現地の企業から購買することで明確。現地で購買することも容易ではないが、販売の現地化についても、法令、慣習が異なることもあり容易ではない。停滞している日本経済社会と異なり、ライバルが次々と現れる中、どう差別化を続けられるかがカギとなる。
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最終更新日
2022年11月23日 06時00分11秒
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