テーマ:楽天vs.アマゾン(14)
カテゴリ:アメリカ
米連邦取引委員会(FTC)は9月26日、米アマゾン・ドット・コムを反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いで提訴した。
米テクノロジー大手によるインターネット支配の打破を目的とした政府の法的措置の一環で、アマゾンは独占的な力を利用して消費者に損害を与えているとしている。 FTCは4年にわたる調査の末、アマゾンを提訴。米政府はテクノロジー大手に対する監視を強めており、これまでにアルファベット傘下のグーグルとメタ・プラットフォームズのフェイスブック(FB)を提訴している。 FTCは、アマゾンは「競合他社や販売業者による値下げを阻止し、販売業者に過大な手数料を請求しているほか、技術革新を阻害し、競合他社によるアマゾンとの公平な競争を妨げている」と指摘。アマゾンのこうした行為の停止を命じる命令を出すよう裁判所に求めるとした。 FTCはこのほか、競合サイトでより安い価格で販売しようとする販売業者について、アマゾンは自社のプラットフォームで検索しづらくしているなどとも指摘した。 独禁法違反の疑い 17州が参加 Diane Bartz 2023年9月27日 CNET Japan 米連邦取引委員会(FTC)と17州の検事総長らがAmazonを提訴した。同社が「反競争的で不公正な戦略」を用いて独占状態を維持し、販売業者の価格を吊り上げ、購入者が受けるサービスの質を低下させていると、FTCらは主張している。 Amazonは、数十万種類もの商品を対象に年間数千億ドル規模の小売売上高に影響を与えているとされている。 同社の事業慣行は、以下の方法などによって、購入者とオンライン販売業者の両方に影響を与えていると、訴状には記されている。 オーガニック検索の結果を有料広告に置き換える Amazonが販売する商品を検索結果の上位近くに表示する さまざまな手数料を課すことによって、販売業者に「合計売上高の50%近くをAmazon」に支払わせている プライムへの参加資格を維持する条件として、Amazonの高額な配送サービスの利用を販売業者に課している 「Amazonは独占企業であり、その力を利用して、米国の購入者の価格を吊り上げ、数十万ものオンライン販売業者に非常に高い手数料を課している」と、FTC競争局の副局長を務めるJohn Newman氏は述べた。 Amazonは、この訴訟に対する長い回答をオンラインに投稿し、「見当違い」だとした。原告側が勝訴することになれば、同社は販売されている商品の価格を引き上げ、サブスクリプションサービスであるプライム会員向けの出荷の速度と信頼性を落とし、プライムの会費を引き上げなければならない可能性があると、同社は述べている。 ー 引用終わり ー アマゾンは、EC市場における圧倒的な地位を利用して、優越的な地位の濫用にあたる行為を各国で実施しているようだ。巨大IT企業の多くは「公序良俗」のモラルに欠け、法的、公的に罰されるか規制されるまでは「ヤレルことはヤル」のだろう。 2020年9月10日、アマゾンジャパン(東京・目黒)が通販サイトでの値引き分の一部を納入元の業者に求めるなどした問題で、公正取引委員会は、同社が申請した「確約手続き」に基づく改善計画を認めたと発表した。 アマゾンジャパンは約1400社に計約20億円を返金し、公取委は行政処分(下請け法違反認定)を見送った。 日本での優越的地位の濫用事例は、下記の記事に要約されている。 ~アマゾンジャパン合同会社の確約計画認定~ コーポレート 2021.07.06 東町法律事務所 … (略) … 2 アマゾンジャパンによる違反被疑行為 アマゾンジャパンは、平成28年5月以降、小売部門の一部事業部において、取引上の地位が自社に対して劣っている納入業者に対して、以下の各行為を行っていました(以下、各行為を併せて「本件違反被疑行為」といいます。)。なお、アマゾンジャパンは、「小売型」と「マーケットプレイス型」の双方の事業を行っており、本件では小売事業部門の一部部署の行為が問題となりました。 減額 アマゾンジャパンは、納入業者との間で、在庫補償契約(*)を締結し、当該契約で定めた額を納入業者に支払うべき代金から減額していました。これにより実質的には納入業者がすでにアマゾンジャパンに納入した商品の仕入価格引下げの効果を及ぼすこととなります。 *在庫補償契約・・・アマゾンジャパンが納入業者から仕入れている商品の仕入価格が引き下げられた際に締結される契約で、当該商品のアマゾンジャパンにおける在庫数量に仕入価格の変更前後の差額を乗じるなどして算出された額を、当該納入業者がアマゾンジャパンに支払うことを内容とするもの。 金銭提供① アマゾンジャパンは、納入業者から仕入れた商品の販売において自社の目標とする利益を得られないことを理由に、あらかじめ負担額の算出根拠を明らかにせず、または、金銭を提供することによって納入業者が得る直接の利益を超えて、納入業者に金銭を提供させていました。 金銭提供② アマゾンジャパンは、納入業者との間で、共同マーケティングプログラム契約を締結し、同契約に基づいて納入業者から支払われた金銭を積み立てたうえ、積立金の額がアマゾンジャパンの提供する販売促進サービス(アマゾンジャパンのECサイト上におけるバナー広告の掲載など)の料金と同額以上になったときは、当該積立金を用いて当該サービスを提供することとしていましたが、積立金に残額が発生した場合でも、その残額を納入業者に返還等していませんでした。 金銭提供③ アマゾンジャパンは、自社のシステムへの投資に対する協賛金等の名目で、あらかじめ負担額の算出根拠を明らかにせず、または、協賛金等を提供することによって納入業者が得る直接の利益を超えて、納入業者からの毎月の仕入金額に一定の料率を乗じるなどして算出した額の金銭を提供させていました。 返品 アマゾンジャパンは、過剰な在庫であると自社が判断した商品について、納入業者に帰責性がなく、かつ、他に返品を正当化するような事情が認められないにもかかわらず、納入業者に対して在庫を返品していました。 ― 引用終わり ―
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最終更新日
2023年10月05日 06時00分12秒
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