RH250のアクセルグリップを捻ってみたが、固着して回らなくなっていた。長らくエンジンを掛けていないので、キャブのピストンが張りついているのだろうと思い、キャブを取り外してみる事にした。
このバイクはパワーフィルター仕様にしているので、キャブはエンジン側のインシュレーターバンドを緩めて、燃料パイプを抜くだけで簡単に取り外せる。パワーフィルターを外して中を覗いてみると、大きな四角いピストンが見える。ドライバーの先で少し力を加えてこじってみたが、ビクともしない。
ピストンが損傷する恐れがあるので、キャブクリーナーを吹いてドライヤーで十分温めてからドライバーの先にウエスを巻いてこじるとパコンと音を立てて抜けた。
取り外したキャブを分解してみると予想よりも酷い事になっていた。フロートチャンバーのドレンもメインジェットもフロートバルブもスロージェットも真っ黒に不純物が堆積して全て固着し、緩める事が出来ない。こういったデリケートな部品は力任せに外そうとするとネジの頭をなめたり、壊してしまう可能性大なので慎重にならざるを得ない。キャブクリナーをたっぷりと吹いてドライヤーで温めて取り外しに掛かるとドレンとメインジェットは外れたが、フロートバルブとスロージェットがどうしても外れない。フロートバルブはティーパー状の先がバルブシートに嵌まっているだけなのに、何故か抜けない。たぶんタール状になったガソリンが糊のようになってフロートバルブをバルブシートに貼りつけてしまっているのだろう。キャブクリナーをKUREからYAMAHAの高級泡クリナーに変え、バルブの隙間から十分に吹いて一日置いたら何とか抜く事が出来た。残るはスロージェットだが、これはパイプの底にねじ込まれているので、ドライバーで頭をなめてしまったら、取り返しがつかない事になるので、特に慎重に作業を行ったが全く緩まない。フロートバルブは外しているので、ゴムワッシャが付いた部品はもうない。それならば、バーナーで炙っても大丈夫と判断し、やってみると見事外れた。やれやれである。
それにしても、ここまで酷い状態のキャブは久し振りに見た。直るかどうか心許ない。
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キャブが固着したRH250
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吸気側にたっぷりと溜まったタール状のガソリンと奥に見える固着したピストン
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酷い状態のキャブ内部