テーマ:暮らしを楽しむ(388342)
カテゴリ:習い事
昨日、「かな書道教室」から帰ってきてから、なんか急に意欲がわいてきて、ずっと筆文字の練習をしていました。
まずは、三月にある作品展の試作。 ずっと条幅の紙を三等分した45cm×35cmの大き目の画仙紙に、和歌を一首書いていたのだけど、途中から気が変わって、半懐紙や、半紙にも書いてみました。 全懐紙もありますが、もっと大きくなってしまうのですよ。50cm×36cm その半分の半懐紙は、25cm×36cmで、普通お習字で使う半紙(24.2cm×33.4cm)より一回り大きいです。 ただし、美濃判と呼ばれる半紙は27.3cm×39.4cm。これだと半懐紙よりも大きいですね。 大きい作品を書くには、小筆をたくさん下ろしたり、中筆にしたりする他、和歌を一首だけでなく、二首や三首組み合わせて紙面をデザインするとか、いろんな方法があるみたいです。 私は一首だけを大きな紙に書こうとしていたので、ついつい筆に力が入って、ぶっとくなってしまっていたので、「少し細めに書きましょう」と助言をもらっていました。でも、細めに書いていたら、どうも大きな紙に対して、なんか頼りないような気がしてきて・・・ いろいろやったあげく、慣れた半紙サイズか、または半懐紙くらいが書きやすいかな、という気持ちになったところです。今度の土曜日にまたサークルがあるので、相談しようっと!! で、今日は朝から硬筆の練習。万年筆で書くのはとっても楽しいです。行書で書くのにもだいぶ慣れてきましたからね。公文や日本習字ではお手本通りに書くのでしょうけれど、私たちの書道会はとっても自由度が高いので、工夫の余地があって楽しい反面難しいところもあります。昨日は三か月分書いて持って行ったので、今日は二か月分練習しました。つまり、一月に提出する分と二月に提出する分です。 早いうちから練習しておくと、たくさん指導してもらえるので、ありがたいのですよ。 その後は、小筆に持ち替えて、現代文を漢字かな交じりで書くもの。これも二か月分書きました。 ここまでで、今日の練習は終了です。 明日練習するのは、これ。 昨日先生に添削していただいたものです。 漢字の方は「歳月如流水」歳月流水のごとし(寒山詩より)、 ちらし書きは百人一首で、道因法師作 「思ひわび さても命はあるものを 憂(う)きに堪へぬは 涙なりけり」 80才で出家して、92才でなくなるまで、延暦寺で大法師と呼ばれて過ごしていたそうですよ。 この和歌は、さすがに出家してからではなく、若い頃に詠んだものらしいですけれど、恋の歌とも、人生の理(ことわり)を詠んだ歌とも読めますね。 ・・・(つれない人のことを思い)これほど悩み苦しんでいても、命だけはどうにかあるものの、この辛さに耐えかねるのは、(次から次へと流れる)涙であることよ 出家する前の名前は藤原敦頼さん。とにかく歌道の志が深く、出家しているのに、歌神として信仰されていた大阪の住吉大社まで毎月徒歩で通ってお参りされていたそうです。延暦寺から大阪住吉大社までって、何kmくらい離れているのでしょう。Googleの地図で見ると、直線距離で60kmくらいかしら。 当時は道も舗装されていなかったでしょうから、とても一日ではたどり着けなかったはず。お寺って、神社にお参りするからって、外出できたのでしょうか? いっぱい疑問がわいてきます。 この方の逸話は、とにかく歌に対する執念が漂っています。 歌合といって、左右二組に分かれて、それぞれ一人ずつ歌を詠み、その優劣を決める遊びがあったのですが、この道因法師さんは負けると号泣した、とか、判定をした人の館にわざわざやってきて、切々と泣いて恨み言を言い続けたとか、そんな話が残っています。 それから、この方が亡くなった後で藤原俊成が後白河法皇の勅命で「千載集」を編纂しました。俊成は道院法師が歌に対してとても思い入れがあったことを知っていたので、彼の歌を18首入れたそうです。すると、なんと夢に死んだはずの道因法師が現れて、18首も入れてもらえたことを泣いて感謝したとか。それで目覚めた俊成さんは、それを憐れに思い、2首追加して、20首を入れることにしたらしいです。 せっかくなので、千載集に載せられている道因法師さんの歌をいくつかのせましょう。 〇花ゆゑに しらぬ山路はなけれども まどふは春の心なりけり (毎年花を尋ねて歩き回ったおかげで、知らない山路はないけれど、やはり春が来ると心はあれこれ迷ってしまう。いつ咲くだろう、咲いたらどの花を見に行こうか、などと思い悩んで) 〇ちる花を 身にかふばかり 思へども かなはで年の老いにけるかな (花の散るかわりに我が身を差し出したいとまで思ってきたけれども、それもかなわないまま、年老いてしまったことよ) 〇月のすむ 空には雲もなかりけり うつりし水は氷へだてて (月が冴え冴えと光る冬の空には、雲ひとつない。秋の間、月を映していた水面には今氷がはりつめて、月を隔てているけれども) 〇いつとても 身の憂きことはかはらねど 昔は老いをなげきやはせじ (これまでの人生、いつだって我が身の上を思えば憂鬱だった。それはずっと変わらないのだけど、昔は老いを嘆くなんてことがあったろうか。(いや、ない)年老いた今、さらに嘆きの種は増えたのだ) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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