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カテゴリ:POETRY
あれは確か 8月の日の最後の日曜日のこと 海辺に打ち上がった クジラの噂で 町中が持ちきりになった 青いクジラは 夏の太陽の光を反射し 焼けてグッタリと 眠っていた ぼくらはまだ小学生で 親に買ってもらったばかりの 新品の自転車の後ろに メイちゃんを乗せて 浜に急いでいた 彼女はぼくの背中に ぎゅっとつかまり 固く目をつむっていた クジラ 見たいだろ? メイちゃんは 大きく頭を揺らして 恐いと言った ぼくは彼女と一緒に クジラを見たかった 恐くなんか ないさ 浜にでっかいクジラが 打ち上がったんだ こーんなに大っきい クジラなんだ ぼくは見たこともない クジラの話を メイちゃんに一所懸命に話した 浜辺へ通じる なだらかなカーブを ぼくらは 下って行った 綺麗な海と空 緑に輝く樹木たちが ぼくの心を弾ませた ねぇ! 引き返してよ! メイちゃんは ありったけの力で叫んだ それがぼくには 聞こえなかった もうすぐ クジラの浜だ ブレーキなんて 少しも 必要なかった ぼくの青いクジラと メイちゃんの 青いクジラは あのカーブの入り口で 永遠の別れを 告げていった あれは確か 8月の日の最後の 日曜日の ことだった お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Oct 18, 2009 12:18:39 AM
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