カテゴリ:近未来の根管治療シリーズ
前回の続きなのだが、
ファイバーコアやセラミックスクラウン(ジルコニア含む)というのが、儲かるだけで、どうしようもなく使えない代物かということを述べてみたい。こんなことを書くと大多数の世界中の歯科医師を敵に回すことになるのだが。 うちでは神経を取ることもない、僕から見たらまっさらな歯を削り倒して最初に入れるのがセラミックスクラウンなのだ(金属冠も同じではあるが)。 僕に言わせれば、条件の良い歯だからそんなクラウンを入れられる、そもそもそんなものは必要ない。 これからご紹介するのは「近未来のクラウン」しか入れられない、通常はうまくいかなかったら抜歯ですよ?といわれる症例だ。 レントゲン写真を見ると分かると思うが、エンド治療不良による根尖病巣(Per)と歯根分岐部病変がある。 この方は60代女性、20年ほど前に治療したのだが、最近は時々歯茎が腫れたり噛むと痛いということで、他院に行ったら、歯根分割の手術が必要、最悪抜歯と言われたとかで当院に来られた。 要するに何が起こっているかというと、セラミックスクラウンだろうが金属冠だろうが、入れて20年後には抜歯になる可能性が高いということなのだ。 そんな歯を治して、どうにか使えるようにしてほしいという患者の依頼なのだが、(最初から安易に神経を取ってクラウンを入れるのは)やめて欲しいというのが本音だ。 再発するリスクもある。その時のフォローはどうする?全部壊さないでも再治療ができるようにしておく、そんなことを考えながら再建していくわけだ。 ジルコニアは硬すぎて穴を開けるのも大変だ。セラミックスクラウンはものによっては硬くないものもあるが壊れやすい。穴を開けての再エンド治療には耐えられないかもしれない。隣の歯と連結固定もできない。セラミックス系は接着剤が効きにくい。なんとか残そうとする僕が大変なのだ。これが使えない理由だ。セラミックスクラウンを入れて、儲かった!あとは野となれ山となれ〜・・か? やめてくれよ。。 その答えが「近未来のクラウン」なのだ。穴を開けて再エンド治療も可能で、穴はCRで塞げば良い。接着剤も良く効く。 再治療過程を全てアップする。解説は以前にしているので、省略する。 では時系列でどうぞ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[近未来の根管治療シリーズ] カテゴリの最新記事
昔保険で前歯を金属コアの差し歯にしたものから、自費でファイバーコアの差し歯に変えてる人をよく見ますが、先生だったらまた別のやり方をなさいますか?
私も金属コア差し歯を変えたいと思いつつ、レントゲンで見ると歯根の奥までガッツリ入ってるということで、交換可能なのだろうか?と悩んだます。 (2021/10/24 10:59:03 AM)
こまいさんへ
ファイバーポストはたわむのでメタルとはまた別の問題がありそうです。 外部で作るものは抜けやすいのでNGでしょう。 歯根内部で作るものはアンダーカットがあれば抜けはないでしょうが、緩んだまま抜けずに2次カリエスが進行してしまう恐れはあります。 メタルは緩んだ時に歯根を破折してしまいがちです。 いずれにしても差し歯(ポストコアを使う)という発想自体が良くないと思います。 過大な応力が働いた時に歯冠部が脱離して歯根を守るという発想で最近は臼歯部と同じラウンドコア+ピンレッジクラウンで試しています。 何れにしても側方力のかかる前歯部を単独でクラウンにするのは最初から避けるのが最も良いのですが、 やり変えようと思ってもがっつりポストを除去するのは困難で歯質を相当削ってしまいさらに破折しやすい状況になってしまいます。 問題がなければ何もしない方が良いでしょう。 (2021/10/24 11:28:34 AM)
mabo400さんへ
はー…差し歯はしない方が良いですか…。 私の前歯は無説明でいきなり差し歯にされたので、セカンドオピニオンで差し歯にしなくても治療出来るところを模索したかったです。 悲しい。 (2021/10/24 03:15:40 PM)
こまいさんへ
差し歯にしないということは神経を取らないということですから、普通はないです。 CRで大きな前歯の虫歯を神経を取らずに治す症例を探してアップしてみます。 (2021/10/24 08:50:04 PM)
mabo400さんへ
元々前歯の虫歯は治療しないので、簡単には出てきませんが、こういうのが神経を取って差し歯にしない症例でしょう。 https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202106220000/ とか https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202108230001/ (2021/10/24 10:15:07 PM) |
|