世間では、政府主導のGO TO EAT事業が一部の消費者によって活発に利用されているようです。そこでは、トリキの錬金術やら無限くら寿司などといった容易に思い付くけれど、実行するには羞恥心が邪魔をする行為が横行しているようです。これはルール上、問題なしと雖も甚だしく不愉快な行為であります。というのが政府の説明では飲食業界の窮状を救うためにも国民の購買意欲を掻き立てようという試みでそれ自体はまあ最低限の評価は可能かもしれません。しかしですねえ、この政策って飲食業界が助かるのは分かるけど、国民のほんの一握りの連中しか得をしていないんじゃないか。大概の人はこのキャンペーンを気にしつつも利用できずにいるんじゃないだろうかと思うのです。得するのは運転資金の潤沢な大手チェーンだったりするわけで、しかも利用者も都会暮らしで店の選択肢も多い一部地域の住民だけではないのか。ぼくらは損をしたくないから使ってみたいとは思うのだけれど、あまりここぞという酒場が無かったりするものだから、損を知っても泣き寝入りということになるのでしょう。
といった書き様をすると、いよいよGO TO EATの対象店にお邪魔したかのように思われるかもしれぬけれど、実際にはそんなキャンペーンなどどこ吹く風とばかりに通常営業を続けている「大門 池袋店」にお邪魔したのでした。ここはポイント還元などしてもらえずとも安定した集客を見込めそうでありまして誠に心強いことなのです。西口を出てすぐ西口公園までの狭小エリアは微かに戦後闇市の名残を今に残す場所なのでした。ほとんどの店舗が閉店に追い込まれていますが、ここは辛うじて生き残ったみたいです。現在の酒場事情を思い起こしてみても特別変わったお店というわけでもないのですが、ところで、こちらを訪れるのは随分久しぶりになりますが、その際にも書いたかもしれませんが、メニューの構成がどう見ても「蔦屋」は「加賀屋」のそれとそっくりすぎるのでした。かなり古いお店だけれどとてもきれいにされているのも好感が持てます。池袋には。繰り返し通いたくなるような酒場がわずかしかないけれど、ここがそうした一軒になりえるのは恐らく間違いじゃないはずです。