カテゴリ:経済
シアーズは米国の豊かさを反映した小売業だった。 シーズの通信販売のカタログには中流家庭が夢見る 暮らしぶりが溢れていた。 PB開発を大規模に行ない、ソフトとハード・グッズ のGMSという業態を作った。 1980年代まで大型店化と、チェーンストアの拡大を 目指した日本のSM(スーパーマーケット)は、シアー ズの作ったGMSというビジネスモデルを目指した。 シアーズとJCペニーがベンチマークだった。 シアーズの倒産に至る過程・環境は、ダイエーに似 ているという アメリカの老舗 日本企業が向かうべき道とは=吉田繁治 2018年10月28日 MONEY VOICE …(略)… 一時代を築いた「シアーズ」が破産 去る10月15日、わが国の明治初期から132年の歴史 があり、1980年代まで米国のシンボリックな小売業だ った「シアーズ」が破産しました。支払い期限が来て いた1億3,400万ドル(1.5兆円)の決済の目途が立た なかったからです。 シアーズには、格別の想いがあります。 小売業での今のトヨタであるかのように、世界ナン バーワンのシアーズを世界が称え、戦後から1970年代 末までの約30年、わが国の小売業の到達モデルでもあ ったからです。 店舗が一番多かったダイエーを筆頭にして、イトー ヨーカ堂・イオン・マイカル(旧ニチイ)・ユニー・ 長崎屋などの日本型GMS(第一次小売業近代化グループ) は、シアーズをモデルに誕生しています。 日本型GMSとするのは、シアーズにはない食品と生鮮 を扱ったからです。 7年連続の「経営赤字」 アニュアルリポートでは、シアーズの2017年の売上 は167億ドル(1.87兆円)でピークの3分の1以下に減 り、経営は3.8億ドル(418億円)の赤字です。 総資産も、店舗の閉店と売却により、72億ドル (7920億円)に減っています。 その4年前の売上は361億ドル(4.0兆円)で、13億 ドル(1430億円:売上比3.6%)の赤字でした。 2011年から7年連続の赤字であり、閉店と資産処分、 そしてコストカットを続けていたのです。 10年前から、投資家のウォーレン・バフェットから は「シアーズは倒産する」と言われていましたが、ゼ ロ金利による生命維持装置で約8年延命していました (※筆者注:株主資本が3500兆円と、日本の6倍も 大きな米国では、銀行を経由せず、資本市場から調達 する直接金融が多く株価の下落で潰れます)。 …(略)… シアーズとダイエーとの類似点 ・赤字から回復する見込みのない店舗を閉じても、 20年はリース料を払い続けねばならない。 ・店舗資産の売却とコストカットはしても、商品価値 (品質÷価格)を高めることができなったこと。 「ダイエーにはなんでもあるが、買う商品がない」。 シアーズは台頭する新興勢力のとの新しい安さの 比較で、ダイエーと同じ様な状態になった。 利幅の大きい衣料品を通信販売に奪われつつある、 現代の日本の大型小売店全てに共通する課題であるこ とが分かる 商品価値の高さと売り方の魅力を同時的に満たさな ければ、大型小売店舗は危機に至る。
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最終更新日
2018年11月06日 21時47分56秒
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