テーマ:人工知能(254)
カテゴリ:サイバーパンク
AIは囲碁でも将棋でも人間の達人に勝利した。 ではAIは人間に替われるか。 どうも現状のチップ(CPU)を使う限りは不可能 なようだ。 理由は電力が不足するから・・・。 2020年に世界を襲う電力危機、震源地は半導体だ 湯之上 隆 2018.9.7 JB PRESS …(略)… ・・・このようなビッグデータの世界を構築するた めには、とてつもない数の半導体を製造しなくてはな らない。 そして、製造した半導体は、例えばデータセンタの サーバーに搭載され、膨大な電力を消費する。 要するに、半導体を製造するのにも、その半導体を 使うのにも、とんでもない電力量が必要になるのだ。 今回は、本格的なIoT時代、ビッグデータ時代を迎 えるあたり懸念される電力不足問題を取り上げたい。 アルファ碁には、1202個のCPUと176個のGPUが使 われていた。 CPUとは中央演算処理装置のことで、インテル製の 高性能CPUなら10万円以上する。 また、GPUは、米半導体メーカーNVIDIAが市場を 独占している並列処理が得意なプロセッサで、1個100 万円以上する。 つまりアルファ碁は、使用したチップだけで、 (1202×10)+(176×100)=2億9620万円もする。 そして、このアルファ碁は、25万Wの電力供給が必要 である。 さらに、アルファ碁は過去の棋譜などのデータベース を検索しながら最適解を見出していると思われるが、 そのために1000台のサーバーが使われた。 その電力は明示されていないが、恐らく100万W以上 であると思われる。 その根拠となるのが、日本最大のデータセンタ 「TELEHOUSE TOKYO Tama 3」への供給電力量だ。 「Tama 3」には1300台のサーバーが設置されており、 そこに供給される電力が140万Wである(図3)。 「Tama 3」は、グーグルのアルファ碁に必要とされた サーバーの数(1000台)とほぼ同じ規模なので、グーグ ルのアルファ碁に使われたサーバーへの供給電力は100 万W以上と推測され、アルファ碁と合計すると、その 電力は125万W以上なると考えられる。 …(略)… 人間の碁会所は安静時のカロリーが2000kcal~ 2500kcal/日の人間が集っている。 全部AI・アルファ碁に置き換えたらたいへんな消費 電力になる。 「半導体を製造するのにも、その半導体を使うのにも、 とんでもない電力量が必要になるのだ」。 いわんや映画『MATRIX』の中央コンピュータの ように多様なものを制御するマザーコンピュータを動かす と、人類の生体電気をフル活用しても全然追いつかない。 専用原発を何基作るのかという話になりそうだ。 人間の様々な仕事を現状のコンピュータテクノロジー でAIに置き換えるのは「無理」なようだ。 それ以前に地球温暖化の主犯は「クラウド用のデータ センター」ということになりそうだ。
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最終更新日
2018年11月06日 16時00分10秒
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