テーマ:鰻【うなぎ】大好き♪(222)
カテゴリ:組織自壊・ブラック企業
2024年7月24日、土用丑の日、「日本橋 鰻 伊勢定」のうなぎ弁当で計161人が発症、で90代女性が死亡。 7月29日、保健所は集団食中毒が発生したとして京急百貨店内の「日本橋 鰻 伊勢定」を営業禁止処分にした。営業禁止は食中毒を出した当該の厨房に関わる施設に関してだけ適用される。 同日18時、京急百貨店の金子新司社長は横浜市内で会見を開き、謝罪した。 同日18時、伊勢定の富田宗一郎取締役は横浜市内で会見を開き、謝罪した。伊勢定の経営トップが直接謝罪の言葉を発しないあたりから、伊勢定の社内事情の怪しさを疑いたくなる。 8月5日、保健所は調理担当者の手洗いが不十分だったことや、調理台が黄色ブドウ球菌に汚染されていた可能性があるなどとする調査結果を公表した。 原因菌は、黄色ブドウ球菌とみられている。 黄色ブドウ球菌は、人や動物の傷口(特に化膿しているもの)をはじめ、手指・鼻・のど・耳・皮ふなどに広く生息。健康な人の20〜30%が保菌しているとされる。食品が菌に汚染されて数が増えると毒素(エンテロトキシン)がつくられ、これが食中毒の原因になる。毒素(エンテロトキシン)は熱にも乾燥にも強く、通常の加熱では無毒化できないとされる。 黄色ブドウ球菌だけでなく、セレウス菌(チャーハン等)やウエルシュ菌(カレー等)など、加熱では防ぎにくい食中毒菌がある。 作り置きした食品は食中毒の原因となることが多いので、国内では、使い捨ての調理用手袋の着用を義務付けている弁当工場、食品の加工場が大半。特に家庭での手作り弁当は、作ってから食べるまでの時間、常温、室温で保管することが多く、その間に菌が増殖することが多い。 調理してすぐに食べる場合は菌が増殖する時間が短いので、生ものを素手で握る江戸前の握り寿司などでは、あまり気にする必要はない。 英国では寿司屋の職人が調理用の使い捨て手袋着用を義務付けられていると話題になったことがあった。生魚を手べることが少ない欧米では、生魚を食べること自体が食中毒警戒の対象だった。 「一度だけ謝罪の電話はきたけど音沙汰なし」 「弁当が乱雑に積み上げられていた」 被害者が語る“恐怖の土用の丑の日” 当日は責任者もいない杜撰な現場 集英社オンライン 2024年8月6日 18時20分 横浜市港南区の京急百貨店内にある「日本橋 鰻 伊勢定」のうなぎ弁当で集団食中毒が起き1人が死亡した問題で、従業員が手洗いをせず素手でうなぎをご飯の上に乗せるなど、劣悪な衛生環境で弁当がつくられていたことが横浜市保健所の調べで分かった。かき入れ時に生産能力を上回る大量の弁当をつくろうとしたためとみられる。発生から2週間近く経過しても京急と伊勢定は補償方針を決めておらず、被害者からは怒りの声が上がっている。 12時間前の午前11時より早い時間帯につくられていた 食中毒の原因になった弁当は「土用の丑の日」の7月24日と翌25日に百貨店地下1階のグルメフロアにある伊勢定の販売所で販売された。 「うなぎ弁当とかば焼きが計1761個販売され、24日午後から下痢と嘔吐を訴える人が次々と出ました。百貨店には161人が健康被害を訴えましたが、保健所はうち2人は無関係と判断し、8月5日夕までに把握している発症者は子どもから90歳代までの159人です。 このうち90代の女性1人が食後に死亡しました。食中毒との因果関係は確認できていません」(社会部記者) 保健所は7月25日未明にはうなぎ弁当を食べた食中毒患者が出たことを認知。10階店舗で下処理されたうなぎが地下1階で売られていたため、保健所は25日午前には店舗と地下の売り場に営業自粛を求めた。さらに発症者から黄色ブドウ球菌が検出され、29日夕に営業禁止処分を出している。 「7月25日から始めた立ち入り検査で、弁当を食べた8人と回収されたうなぎ弁当、店で保管されていた下処理されたうなぎから黄色ブドウ球菌が検出されました。さらにふき取り検査で、10階店舗の調理場作業台からもこの菌が検出され、この店で処理されたうなぎが原因になったことを示すつながりが確認されました」(社会部記者) 黄色ブドウ球菌はヒトの手指の切り傷や鼻の中、のどなどに普段から居着く「常在菌」。一定の温度や湿度のもとで増殖するが、その過程で毒素を出す。この毒素が出てしまうと過熱しても死滅せず、人体に害を与える。 常在菌だけに、食品に菌をつけない、増やさない、といった衛生管理が重要になる。具体的には「顔や髪に触れた手や、傷ついた手で食材を触らず、食品を冷蔵庫に入れるなどして菌の増殖を防ぐ配慮が必要」と保健所は呼びかけてきた。 ところが伊勢定のうなぎ弁当は問題の7月24日、こうしたことに配慮するどころではない環境でつくられていたことが立ち入り検査で分かった。 「従業員は当日、調理前と途中に手洗いをほとんど行っていません。さらに、調理したうなぎを素手でご飯の上に詰めていました」と保健所の担当者は話す。 「当日は10階と地下1階で計38人が勤務していました。この中には当日だけのアルバイトや何度か勤務経験があるパートも含まれます。何人が調理や弁当を詰める作業に携わったかは確認中ですが、まず手洗いを徹底せよとの指示が出ておらず、実際にほとんど行われていません。 手袋を着用して調理をした人がいたとの証言もありません。手袋は手に傷がある人は着用する必要がありますが、当日は記録が義務付けられている従業員一人ひとりの健康チェックの記録も不十分で、けがをした人がいたかどうかも分からない。 さらに、10階店舗内では、調理場の外の客席で弁当の盛り付けが行われていました。食品衛生法の届け出に反しています。 また、伊勢定は調理から12時間後の『消費期限』の時刻を記したシールを弁当に貼っていましたが、7月24日は消費期限を『23時』と書いた弁当の一部が、12時間前の午前11時より早い時間帯につくられていたことも判明しています」(保健所担当者) 「味に異常はなかったのですが…」 老舗飲食店がなぜこれほど問題のある環境で食品をつくったのか。 「当日、繁忙を極めている中でそうなったのかどうかは分かりませんが、調理工程がこういう状況だったと説明できる者がいないんです。 現場の状況を全体的に判断できる人がいなかったようです。このため衛生上の指示や教育が適切に行われていなかった可能性があるとみています」(同担当者) 38人ものスタッフが1700個を超える弁当を製造・販売した現場に責任者がいなかったとは理解しがたい状態だ。 結局、横浜市保健所はこうした当時の状況をもとに「生産能力を上回る弁当・総菜の調理を行ったことで、従来の工程と異なる作業や保管が生じ、食中毒発生の危害を増大させた可能性がある」と判断したと発表している。 ― 引用終わり ― 伊勢定ほどの老舗が「調理したうなぎを素手でご飯の上に詰めていました」などという状況で弁当を製造したのか想像しがたい。急激な店舗拡大による人材不足、大幅な運営方針変更による人材離脱などを想像してしまう。 食品のプロ、調理のプロ以前に、食品衛生の知識がある人、食品衛生を管理する人がいなかったことは想像に難くない。 日本橋 鰻 伊勢定 公式サイト トップページ お詫びとお知らせ(2024年7月29日) 詳細はこちらをご参照ください。 日本橋 鰻 伊勢定について 昭和21年創業。 一期一会を大切に、美味・喜び・繫りを一人一人のお客様へ届けられるよう日々精進しています。 ― 引用終わり ― 一人一人のお客様に黄色ブドウ球菌を届けちゃったんだね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年08月23日 06時00分23秒
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