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月の砂漠-ヨルダンから

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2012.11.06
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アラブ男性って…弱いと思う。これが中東で5年間アラブを観察しての私の結論。毛深くって自信にあふれてさえいれば「男らしい」と錯覚しているアラブ男性が多いようですが、私から見ると弱くってカッコ悪ーーい 失敗、と思う瞬間のほうが多い。

 

「弱くってカッコ悪い」ことの代表的な例は、まず彼らのプライドが高すぎて、決して人に謝ることをしない点。自分の非をあくまでも認めない。認めるどころか居直りますから。居直ったあげくには、へそを曲げるか癇癪 (かんしゃく) を起こすかして…そして意地でも謝らない。大の大人がそうです。そして社会的な立場についている男性ほどこんな風。可哀そうなくらいカッコ悪い…。

彼らの問題対応能力は極めて低い。失敗を指摘されると、まずニヤニヤと笑う。それでも逃げ切れないと、居直って癇癪を起こす。まるで5歳児のようです。この対応を幼児からいい年をしたご老人まで、ほとんどのアラブが同じ態度を取ります。情けなーーい。

小さいころから、謝る習慣がないのです。幼少期から、「知らない」「自分じゃない」「あいつが悪い」といつもしらを切っているので、自分の失敗としっかり向き合うことができない。嘘をついて渡って来た人生なので、本当に逃げ切れなくなったときに「謝る」という選択肢はないのです。それで子供のようにスネるか逆ギレするしかない。ああ…!! 男らしさうんぬん以前に「人間としてどうなん?」と思いますね。

自分の失敗と向き合えないという点では、アラブの社会システムに問題があります。私の友達でフラワーショップを経営しているヨルダン人女性のラーイダ嬢がいます。彼女はこうした子供っぽいアラブ男性の従業員を4,5人抱えていますが、彼らの態度にいつも眉をしかめています。

ある従業員が様々な悪いことをするので、もう出勤しなくていい、と三行半(みくだりはん)を突き付けた時の話です。「こっちこそ、やめてやるわい!」とたんかを切って飛び出したこの従業員、翌日には友達を使ってラーイダ嬢に電話。彼が戻る余地があるのかどうか、友達が何度も何度も電話をかけては長々、切々と話す。

「申し訳ありません! 僕が悪かったんです。もう一度雇ってもらえないでしょうか」となぜ自分で言えない? でもアラブ社会では、こうしたことは日常茶飯事。アラブ世界では、こうして全く関係のない第三者が突然真ん中に入ってあいだを取り持つということが普通なのです。謝罪

アラブ世界は部族社会。部族社会では、大小に関わらず問題はすべて長(おさ)に提出され、長たちが輪になってわいのわいのと問題を解決します。その延長で、今でもアラブ社会では問題は第三者に筒抜け。当事者同士が解決することはほとんどなく、どちらの側も誰かに問題を話し、関係ない人をたくさんたくさん巻き込んで、問題はどんどん複雑になる…こんな風です。

第三者が「私が彼に代わって謝るから、まぁここは穏便に」と言うケースが多々あります。が、自分で謝れんのかい!! と本当に情けなくなりますね。いつもいつも誰かにあいだに入ってカバーしてもらうのが普通。アンタ、仮にも大人の男やろ、と問いたくなります。

私もアラブ社会で仕事をしていますので、日常的に接するのは男性がほとんど。仕事に関して私が文句を言ったり失敗を指摘したりするときがありますが、本人が謝ることはありません。仕事だけではなく銀行など日常生活で接する男性でも、仕事ができないくせにプライドだけは高いダダコネさんが多い。

で、結論! ほんっと、アラブ男性ってカーーッコ悪い。こんな私の結論とは裏腹に、今でも「どう? アラブと結婚するのは?」という場違いなコメントをして私の怒りを買う人がたまにおりますが…。願い下げです。結婚でも、当事者同士の問題に親族やら友達やらが口をはさむケースが多い。第三者を巻きこむと解決するものも解決しません。アホらし…。ゴチャゴチャ言わんとひとこと謝ったらどうなん?  

ま、みーーんな同じ風なので、こちらも相手の取る行動が読めるという利点(?)はありますが。それにしてもアラブ世界に住んでおられる方のブログを覗かせていただくと、どこもここも同じ風らしいですね。困ったもんだ。アラブよ、弱いと言われて悔しいか? それなら人生で一度でいい、嘘も付かず言い訳もせず本気で謝ってみろ! これが私のアラブ男性への挑戦状であります(笑)。


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最終更新日  2013.08.22 14:00:59
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