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カテゴリ:「須田国太郎展」
【「須田さんの魅力,そのいくつだっけ?その壱」 からの続きです。】 とくに、ある基本になる色があって~、それが黒であることが多いんだけど~、それを中心に、白っぽい色や褐色がかった色が次々に交差してゆく。何を描いているのかが分からない形でも、全く違和感なく画面の中で展開していて、それらが全体として「和音」のように響いているように見えるんですよ。 響きが見えるの? 見て感じるのが、響きを感じるのと似ているっていうことかなぁ...、うまく言えなくてごめんなさい。それで、ここが重要なんだけど、須田さんの場合、その響きの基本になる色が黒や褐色など暗い色だからなんだと思うんだけど、とっても低く響いて、おなかの方にズシンと来るんだよね。やっぱり言葉として成立してないかなぁ-。 それじゃ、僕のたてる羽の音は、どういう感じに聞こえるの? それはもう、高く、するどく聞こえるよ。 それで、色にたとえるとどうなるのかなぁ? それは、えーっと、黄色と黒のシマシマかなぁ-。 何それ? そのまんまじゃないの。想像力貧弱! ところが、一歩引いてもう一度絵を見ると、やはり、鵜の姿が見えてくる。鵜が描きたかったことは間違いない。でもきっと、須田さんは描いているうちに、鵜という対象より、絵全体の色と形の構成の方が重要になってきて、鵜はその他のものたちのなかに埋もれてゆくようになったんじゃないだろうか。だから、例えば、右から二羽目の鵜の顔に近づいてみると、背景の風景の描写と混ざってしまっているように見える。その頭の部分のちょっと左に、もう一羽の鵜の首のような形が見えているけど、これはもはや、背景の道の影なのかどうかもはっきりしない。たぶん須田さんは、絵のこの場所にこういった色、あるいはこういった形が必要だと感じて描いているんだと思うんだ。そういえば、鵜の形の繰り返しは、ある種のリズム感も生んでるようにも思うし...。 それで、鵜は大事なの、大事じゃないの? もちろん、大事だよ。でも、絵も大事なんだ。そこに須田さんの矛盾があるんじゃないかと思うんだ。どちらかが主になるんじゃなくて、優劣をつけられず共存している。いやいや、共存じゃなくて、ものすごい力で引っぱり合いの綱引きをしている。そこに大きなエネルギーが生まれるんじゃないだろうか。 なんだか、ごまかされているような気分なんですけど。ただ、課長が、あーでもない、こーでもないと、落ち込んでるようにさえ見えるくらい考えているのは、分かったような気がします。でも、たぶんまだ、これでは読んでる人にはうまく伝わっていないと思うので、さらにまた、思いめぐらしてください。 グスン、ガンバリマス! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012年08月22日 12時20分33秒
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