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一定の間隔で並べられたパイロンを縫って7秒以内(普通二輪は8秒以内)で走りきる課題走行だ。
私の最も苦手とするステージである。ギアは2速、素早い体重移動、アクセルのON、OFF、リヤブレーキでの速度調整、目線等を完璧に7秒以内で行わなければならない。しかし、教官は5秒台で走れとのたまう。パイロンを倒すと教官の雷が落ち、自分でパイロンを直す。 何十回となく走るのだが、タイムは6秒程で縮まらず、たまにリアガードパイプがパイロンをかする。 教官の後ろに乗せて貰って、ラインの取り方を確認するが、速すぎてさっぱり分からん。バイクから降りてアスファルトに残ったフロントタイヤとリヤタイヤの通過痕から進入角度を確認する鑑識作業開始。 翌日もスラロームだけを練習するが、どうも上手く通過できない。何故かギクシャクし、昨日とは明らかに違う。パイロンをよく監察して見ると、何と、パイロンが1個分全て内側に寄っているではないか。バカヤロー。誰がこんないたずらをしたのだ。どうりで通りにくいと思ったわ。とパイロンを直していると教官がやって来て、何やっとんなら。勝手な事するな。元に戻せ。と怒鳴る。 この狭い中を走るんですか~と尋ねると、当たり前じゃー。これで6秒を切れ。切れなんだらやめろ。とのたまう。 それからはずーとこの狭いパイロンの中を走る事になるのである。これはイジメですか。 その後も、バイクをバンクさせた時に頭が動いている。頭は常に地面と垂直にしろ。目線はパイロンを見るな常に進行方向の先を見て感覚で乗れ。リアガードパイプとパイロンの隙間が狭い。と矢継ぎ早に無理難題を押しつける。私の目は後ろにはついていない。当たらんかったら良かろうがーと言い返す気持ちをぐっと抑えて、はい。分かりました。と優等生は返事をするのである。 それでも年令を考慮しての事か私などはまだ怒鳴られるだけで済んだが、若者は同じ失敗を繰り返すとバイクから降ろされ。腕立て伏せを延々とやらされるのである。ここはトレーニングジムですか。 それから数日、パイロンの位置が元に戻っていた。走ってみる。何と呆気ない。あれほど窮屈だったスラロームが嘘のように楽々と通れる。しかも5秒台でだ。なるほど、こう言う事だったのか。 スラロームを攻めるコツは、クリアするパイロンは見ない、アクセルONで車体を起こしながら素早い体重移動。これを左、右と同じようにとにかくリズミカルに行う事だ。 スラロームの規定は7秒なのだから、安全重視で6秒台でも良いのではと教官に尋ねると、試験中にもしバランスを崩してタイムロスがあったらどうする。1秒あったら取り返せるが0.5秒だったら無理な時もある。だそうである。5秒台が至上命令。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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