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銀線名人ぬかしんぼ@ Re:デミオのフォーン交換(04/06) 私も同じくそういう事がありましたね。 …
2010.11.25
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カテゴリ:Community
代打の野武士が最後の仕上げの検定に挑んでいる時間、仕事が手に付かない。今日が最後の教習になるかも。それとも大番狂わせがあって2軍の出番が来るのか。さて、注目の結果は....コマーシャルの後でお伝えします。(CM。みんなで遊ぼう笏取り虫。笏取り虫の輪を広げよう。)
控室で乗車準備をしている所へ運命の報告。全員合格!やった。教官が始めて笑った。長い長い特訓も今日で終わりを告げたのだ。しかし、ちょっと複雑な心境である。
だが、次にオジントリオに待っていたのは、究極の二者選択である。教官はもう何時でも勝手に免許試験場の受験をしても構わない。但し、受験代は個人持ち。もう1つは公安委員会の審査に通った後に、ここで卒業試験を受けても良い。費用は無料だ。さあ貴方ならどうする。と選択を迫る。
ここまでやったのだから、免許試験場の大舞台で自分の腕を試したいという気持ちは大いにあった。また、一発で仕留める自信もあったので、この大勝負を逃したら一生後悔するとも思ったが、何故か全てが終わった瞬間、張り詰めていた糸が切れて、気持ちが萎えていた。また、タダで取ろうして来たのに、検定代はおろかビタ一文も払ってやるか。と言う言い訳も脳裏を駆けめぐった。
検定を受けるとして、当日体調不良とか不測の事態が起こり、もし落ちたら....2回目を受ければ良いというような生やさしい問題ではない。野武士のプライドが灰燼と化すのである。もう大型二輪免許を諦めるかも知れない。
さんざん迷った挙げ句ここでの卒験を受ける事にした。何と気の弱い事か。悪魔の声があんた一生後悔するで。と、ささやく。でも決めたのだ。
平成17年12月1日から始まった教習は、平成18年3月10日に終わった。実に3ヶ月である。同年5月公安委員会の審査が通り、卒験の準備に入った。2ヶ月のブランクを10日程でとり戻し、5月27日教官から今日試験する事になったから受けてもいいよ。と電話があった。なんで、いきなり今日の今日なのですか。心の準備もあったものではない。
卒験は2名。私がトップバッターである。試験官は見たことも無い人だ。これが今までの集大成だ。何ヶ月振りだろうか、野武士としての闘士がフツフツと沸き上がる。今日は心に決めていた事がある。この卒験に合格する事は当然だが、ノーミスで屈辱の代打の仇を討つのだ。しっかり見てろよ教官!
乗車し、キーを捻る。自分でも不思議なくらい冷静だ。課題を次々とクリア。コースを一巡し出発地点に帰ってエンジンを止める。失敗は無かったと思う。バイクから降りた瞬間、足が震えた。かなり緊張していたのだ。合格は確信していたが、そんな事よりも要は満点かどうかである。すぐに試験官に呼ばれた。「流石に良く練習していますね。言うことは何もありません。」満点だ。見たか教官!試験官は続けて「それから1つだけ、ここでは急加速で運転していたけど、公道ではもっとゆっくりな加速でいいですからね。」とにこやかに言う。当たり前だ、あんな乗り方をしていてはバイクが壊れるし、第一燃費が悪くなる。
2人目の野武士がスタートした。上手いものだ。順調である。スラロームもヒョイのヒョイのガク。あれ~。バランスを崩して倒れた.....いや残っている。究極のテクニックで不死鳥の如く立ち直った。後で聞いてみると、スラロームの途中で突然ギアが抜けたのだそうだ。緊張のあまりシフトレバーを踏んでしまったのだろうが、試験官もよく立ち直ったな。と感心していた。さすが野武士、最後まで見せ場を作るとは。当然合格である。
これで全てが終わった。あれほど心臓に悪い特訓を行った戦場ではあったが、もう明日から戻れないと思うと一抹の寂しさも込み上げて来る。こんな大変な事とは知らず甘い言葉にホイホイと乗ってしまった自分に後悔した事もあるし、時間と労力を考えれば教習所で普通に免許を取った方が楽だったのも事実である。
しかし、精神面や洞察力の強化、大型二輪を扱うための基礎からのテクニック。今までチンタラ乗っていた普通と大型では全てにおいて天と地程の差がある事など様々な事を身を持って体験できた事は今後の大きな糧となった。教官のキツイ言葉攻めで落ち込んだ者。一発合格で免許を手にした者。教官のイケズにブチ切れてやめて行った者。教官の男気で教習中止を免れた者。様々な者がいた。免許を取った。と、いうより人生教訓の場だったような気がする。今でも貴重な経験をしたと思っている。後は、高速走行のテクニックを教授願える場があればと思う。この教習を紹介してくれた荒さんに感謝したい。
運転免許試験場で新しく手にした免許証には小さく「大自二」と印刷されていた。この虫眼鏡で見ないと見えないような三文字のために、延べ半年かかった事になる。帰りに教習コースを覗いて見ると、今日も試験をやっていた。頑張れよ。と、心の中で励まし、ふと、空を見上げると、雲一つ無い真っ青な五月晴れの空が広がっていた。





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Last updated  2016.07.07 09:25:10
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