イギリス
競技ダンス発祥の地イギリスで、今大変なことが起ころうとしています。スコットランドが9月18日、英国から独立するかどうかの住民投票を実施するそうです。この独立運動は今始まったことではなく、サッチャー首相の時の1979年、ブレア首相の時の1997年にも住民投票は行われていました。どちらも賛成多数には至らなかったものの独立運動は継続していて今回はどうかと言った所。日本で言ったら北海道独立みたいなイメージかなと思っていたんですが、多分規模的にもっと大きくて、北海道東北合わせたくらいの頭持って行かれる感じになるんじゃないでしょうか。もともとグレートブリテン及び北アイルランド連合王国というのが正式名称で、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドという4つの国の連合体なんですね。United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland、訳してU.K.『イギリス』というのは俗称です。ゴルフの全英オープン(The Open Championship)だって、ウィンブルドンの全英オープンテニス(The Championships, Wimbledon)だって、正式名称には英なんて言う単語は出て来ないんです。競技ダンスだって全英選手権はBlackpool Dance Festival 。ちなみにUK選手権は、UK Open Dance Championshipsです。歴史的に見ると、それぞれが別の王国でした。ロンドンを擁するイングランドが一番ボス的存在で、1536年にウェールズを統合し、1707年にスコットランドを、そして1801年にアイルランドを合併、1922年にアイルランドが一部を残して共和国として独立し現在に至るということらしいです。どうも自ら進んで統合された訳ではなく、イングランドの武力行使だったようですのでその温度差みたいなものは未だに脈々と残っているんでしょうね。1996年に北アイルランド議会が、1999年にはスコットランド議会とウェールズ議会が設置され、それぞれの自治が始まりました。映画『ウェールズの山』でもイングランドから来た人を外国人みたいな扱いでしたし、ダンスの競技会参加者名簿見ると、イギリス人だけ国名ではなく地域名が名前に添えられているんです。例えば私たちなら『Japan』ですけど、イギリス人は『ウェールズ』とか『スコットランド』とか。世界選手権初参加の時に私たちに世界ランキングのことをいろいろ教えてくれたのはくウェールズの選手でした。北海油田を擁するスコットランドが独立するとなると政治的にも経済的にもイギリス大打撃でしょうね。各界の著名人も参入しているようで、ニュースでは世論調査で賛成派が反対派を上回ったと報じていました。ショーン・コネリーが賛成派、ポール・マッカートニーやミック・ジャガーが反対派に付いているようです。来週に迫った住民投票、勢いを増している独立賛成派がこのまま突き進むのか、反対派が巻き返すのか。キャサリン妃も第2子ご懐妊。ここしばらくイギリスは話題が尽きませんね。