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カテゴリ:星空・天文学を楽しむ
見える星 世界で激減 光害深刻化 動植物に悪影響
人間による不必要な照明で夜空が明るくなり、天体観測だけでなく動植物にもさまざまな悪影響が及んでいることが指摘されています。この光害(ひかりがい)が最近、世界的に深刻化していることを示す研究結果が、米科学誌『サイエンス』(1月19日付)に発表されました。(間宮利夫) ドイツ地球科学センターなどの国際研究グループは、世界各地にすむ5万人以上の人々から2011~22年にかけて報告された肉眼で見える星の数をもとに、夜空の明るさの変化を調べました。その結果、世界で星の見える数が急激に減少していて、光害が急速に深刻化していることがわかりました。 例えば、北米では毎年10・4%ずつ、ヨーロッパでも同じく6・5%ずつ夜空の明るさが増していました。北米とヨーロッパに比べ報告者が少なかったものの、アジアなどを含む世界全体を平均すると毎年9・6%ずつ夜空の明るさが増しているといいます。 論文の筆頭著者であるクリストファー・キバ博士は「(このまま夜空の明るさが増していけば)生まれたとき250個の星が見えていたとしても、18歳になったときには100個の星しか見えなくなっていることになる」と説明します。 左から右へ、光害の悪化に伴って見える星の数が減少することを示した画像。左側の暗い空には天の川が見えます(©NOIRLab/NSF/AURA,P.Marenfeld) LEDの波長 ただ、論文でも人工衛星による宇宙からの観測では、12~16年の間の夜空の明るさの増加は2・2%だったとしています。この違いについてキバ博士らの研究グループは、原因の一つとしてLED(発光ダイオード)照明の普及をあげています。 LEDは従来の照明に比べ、多くの青色光を出します。しかし、人工衛星の観測は青色光より波長の長い光をとらえており、波長の短い青色光による夜空の明るさの増加を十分に反映していないと考えられるからです。 また、建物の窓から出る水平方向の光に対しても、人工衛星の観測はほとんど感度をもたないといいます。 光害問題に詳しい国立天文台の平松正顕講師は「人工衛星の観測では東京の山手線内のように毎年2~3%ずつ夜空の明るさが増しているところもあるが、日本の夜空の明るさはおおむね横ばいといったところが多い。地上からの観測にもとついた今回の研究結果には驚いた」と話します。 LED照明の普及が進んでいるのは、同じ明るさの光を出すために消費する電力が少なくてすむからです。論文は「LEDの発光効率が高いために、より多くのより明るい照明が設置され、長時間使用されている可能性がある」と指摘します。 不必要な照明 光害は天体観測だけでなく、さまざまな分野で問題を引き起こしており、動植物にさえ悪影響を及ぼしています。環境省の「光害対策ガイドライン」では、月や星の明かりを頼りに行動するウミガメが夜空の明るさのために産卵を避けたり、イネの穂が出るのが遅くなったりすることがあげられています。 日本では自治体が条例で光害を減らす対策をしているところもありますが、国としては指針となるガイドラインを環境省が作成するにとどまっています。 平松さんは「不必要な照明を減らすことで光害をなくしたい。実効ある対策を進めていくためには、多くの人々にこの問題に対する理解を深めてもらう必要があり、これまで以上に情報発信が大事だと考えている」と話しています。 「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年2月3日付掲載 論文の筆頭著者であるクリストファー・キバ博士は「(このまま夜空の明るさが増していけば)生まれたとき250個の星が見えていたとしても、18歳になったときには100個の星しか見えなくなっていることになる」と説明。 同じ大阪湾でも、神戸と淡路島では夜空の星の数が違う。 30年以上前ですが、淡路島の東浦地域の民青同盟員を訪ねた帰り、天の川が美しかった。 当事でも神戸ではすでに天の川は見れなかった。 僕の故郷山口県岩国市黒磯でも。 僕が子どもころ、50年前は天の川が見れたが、いまは見れなくなっている。 岡山県旧美星(びせい)町(現在は井原市に編入)などでは、光害(ひかりがい)に取り組んでいますがごく一部。 もっと発信が必要です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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