テーマ:不祥事・リコール(18)
カテゴリ:自動車メカ、部品
JSSJ(東京都品川区)は、自動車用安全部品メーカーである米 Joyson Safety Systems(JSS)の日本法人。 前身は欠陥エアバッグのリコール隠しを行ったタカタ。 日米中心の大規模リコールで1兆円を超える巨額の負債を抱えたタカタは2017年6月に経営破綻。 2018年にエアバッグ事業は清算会社が継承。 その他の事業を買収したのが、中国の自動車部品メーカー寧波均勝電子の子会社JSS。 JSSJは親会社を含めてシートベルトで世界シェア約30%、日本で約4割のシェアを持つ部品メーカー。 ![]() 品質不正が発覚したのは、JSSJの彦根製造所(滋賀県彦根市)。 法令で定められた安全機能部品であるシートベルトのウェビングについて、20年以上前から強度データの改ざんを繰り返していたとされる。 ウェビングは、強度の高いポリエステル繊維を材料に使った織布。 前部座席、後部座席の各々に破断時の強度と伸度の範囲が指定されている。 定められた保安基準を満たさないものは販売してはならない。 ![]() JSSは保管されているタカタ分を含む20年分の関連データを収集し、検証中。 国交省の試算によると、品質基準を満たしていないシートベルトは国内だけで900万本、リコール対象車は200万台に及ぶ可能性があるとしている。 この数字に北米納入分が積み増される可能性がある。
また、国際規格を承認する認証団体「国際自動車産業特別委員会(IATF)」へのデータでも実際と異なる内容があったとされ、欧州分が加算される可能性がある。 ![]() 各車体組立メーカーは、該当部品と車両の紐付けを調査中。 JSSと車体組立各メーカーの調査を終了し、データを突合した後、リコール対象車が決まる。 20年前であれば現在ほど納入部品のトレーサビリティが確立してない可能性もあり、調査に時間を要することが考えられる。 ![]() データ改ざんの旧タカタ、 欧州品質認証機関向けでも不正 -関係者 堀江政嗣 2020年10月20日 Bloomberg …(略)… JSSJの米親会社JSS広報担当のブライアン・ジョンソン氏は14日に公表した声明で、過去20年以上にわたり入手可能で関連性があるデータについて調査を行っているとコメント。 2018年に同社がタカタ事業を継承した以前から起きていた問題であるとし、現時点では同社は走行中の不具合は確認していないとしている。 寧波均勝電子は上海証券取引所向けに発表された19日の声明文で、メディアで指摘されている「データの整合性に関する問題」は、おおむね問題の工場がタカタによって保有されていた00年から10年の間に起きたものだとした上で、現在、工場の生産設備が同社の管轄下に入って以降の慣習について調べているとした。 ― 引用終り ― ![]() JSSJは事業継承後に体質改革を実施しておらず、旧タカタの偽装体質まで継承してしまったようだ。 タカタの主要製品はエアバッグ、シートベルト、チャイルドシート。 タカタがチャイルドシート用ベルトのデータを改ざんしていたことも報告で判明している。 米国でエアバッグの欠陥が発覚してから、マスコミの指弾にも関わらず長い間タカタの経営トップは記者会見に現れなかったが、社内全般にわたる偽装・不正の事実を知っていたからでは、と思いたくなる。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年11月03日 06時00分08秒
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