テーマ:インスタントラーメン(65)
カテゴリ:ラーメン
インスタントラーメンとともに育ってきた私も、年齢を経てノンフライ麺が好きになっている。 ノンフライ・ノンスチーム製法の即席麺を守り続けるマルタイは、売上を伸ばし続けているそうだ。 九州発 「マルタイラーメン」が日本中で愛される訳 10年間で売り上げ1.7倍増、中国、香港でも人気 横田 ちえ 2021/12/18 東洋経済ONLINE … (略) … 1958年になると、日清食品が一袋(一食)35円の「チキンラーメン」を発売した。これが日本のインスタントラーメン第一号だった。 同時期に、藤田氏も即席麺の研究を行っていた。「食堂で食べるラーメンの味を家庭で食べられるようにする。実現すれば全国の家庭がすばらしい食堂になる」と夢見て。 藤田氏は玉うどんや中華麺の製造経験から「油で揚げていない生麺のおいしさ」を追求することにした。日々試作に打ち込み、夜を徹して作業に没頭する日々が続いた。 こうしてチキンラーメン誕生の翌年の1959年、「マルタイラーメン」が発売開始された。チキンラーメンが油で揚げたちぢれ麺であるのに対し、「マルタイラーメン」はノンフライ・ノンスチームで乾燥させたまっすぐな麺が特徴的な「棒ラーメン」だった。 結果は爆発的大ヒット。食品問屋が次々と仕入れに来て、工場前には順番待ちの行列ができるほどだった。生産が追い付かず、時には問屋が袋詰めを手伝っていたという。わずか5カ月後の翌1960年には工場を増設した。 ラジオCMで流れた「煮込み3分、味一流!食べなきゃ損だよマルタイラーメン!」のフレーズは多くの人の耳に残ることになる。 1959年にエースコックが北京ラーメン、1960年に明星食品の明星味付ラーメンが販売され、即席麺は一大ブームとなった。 さらに同じ頃、“5秒で100%のコーヒー”の謳い文句で森永製菓がインスタントコーヒーを発売し、サントリー(当時は洋酒の寿屋)が缶入りのハイボールを発売するなど、食品業界全体がインスタントブームだった。1960年~1961年にかけて「インスタント」は最大の流行語と言われた。 激化する“ラーメン戦争”で疲弊 1971年には、日清がカップヌードルを発売開始。お湯を注ぐだけで食べられる画期的なカップラーメンの時代の幕開けで、“第二のラーメン革命”と言われた。 カップ麺は容器や具材などで値段が上がるため、「よい商品を安く」の会社方針を掲げていたマルタイはカップ麺への参入を静観。消費者ニーズの高まりを見て1975年にカップ麺を発売するが、4年の出遅れは競争の激しいラーメン業界では致命的だった。 さらにオイルショックによる狂乱物価や高度経済成長期の終焉と、成長していくエネルギーに満ちていた日本経済が大きな曲がり角に差し掛かっていた。マルタイも1981年に大きな未処理損失を計上することとなった。元々薄利多売の事業で競合が多いから原価ぎりぎりでやっていた上に、やむことのない激化する“ラーメン戦争”で疲弊していた。 その後、福岡銀行出身の新社長に迎え経営の立て直しを計った。 生産ラインの見直しで徹底的に経費を削減。一方で品質向上、ラインの合理化、生産能力向上に関わる大幅な設備投資も行い、1985年1月には無借金経営に。さらに設備投資で飛躍的に高まった工場の生産能力が功を奏して、売上が倍増した。 2000年代になると、「ロングセラー商品、棒ラーメンの復権をかける。豚骨ラーメン発祥の九州市場を一層強固にする」と掲げ、マルタイは高級路線と九州のご当地シリーズ2つのラインを展開した。 高級路線の「稗田の博多豚骨拉麺」は、液体と粉末のWスープに調味油が付いて、濃厚で奥行きのあるスープの味を実現。当時は2食入り400円で発売され、従来の棒ラーメンの約3倍の価格帯だが、百貨店や高級スーパーなど新たな市場を開拓した。 「量販店などでは限られたスペースを奪い合って小売価格は下落する一方。新商品も続々と登場して消えていく中、高級棒ラーメンは価格競争とは無縁の安定した商品になることを企図した。これからは価格ではなく、質で勝負する時代だと思う」(『マルタイ50年史』より) 2007年には「博多醤油とんこつラーメン」「熊本黒マー油とんこつラーメン」、「長崎あごだし入り醤油ラーメン」と九州ご当地シリーズが次々と発売された。当時一袋2食入り200円で、通常の棒ラーメンと高級路線の間の中間ライン。これは現在でも年々売り上げを伸ばしているヒット商品だ。 さらに、1990年頃からキャンプや登山などのアウトドア好きの間で棒ラーメンが注目を浴びる。コンパクトで持ち運びしやすく、様々なアレンジが楽しめるのが魅力だったようだ。最近のキャンプブームも追い風となり、アウトドア好きの間でも棒ラーメンは定番として浸透しつつある。 棒ラーメンの売上、10年間で約1.7倍に マルタイの棒ラーメンの売り上げは2010年が18億7700万円なのに対し、2020年は31億2900万円。10年かけて売り上げを約1.7倍も伸ばした。 ― 引用終り ― 父母が九州人の私には、マルタイ棒ラーメンを美味と感じるDNAが存在しているか「棒ラーメン」の麺もスープも大好きだ。 近年即席ラーメン、インスタントラーメンという言葉を聞くのは稀になったが、某ラーメンは、近所のスーパーマーケットでもよく見かけるようになった。 マルタイの企業努力で、全国的に売行き好調のせいだったのか。 エースコック、明星食品には、正常進化した初代即席ラーメンの復刻版を出して欲しいな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022年01月08日 16時00分06秒
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