テーマ:倉庫・運輸(145)
カテゴリ:物流 ロジスティクス
日本経済は失われた数十年の間に資本主義経済の基本、需要と供給の変化による価格の変化という原則から逸脱してしまった。 需要が多くとも価格引上げを許さない構造が跋扈し、コストアップにより倒産が相次いでいる。 もともと安価な輸送手段として市場を維持してきた「軽貨物運送」が、コストアップにも関わらず輸送量を引き上げることができず続々と倒産している。 統計にのるかどうか分からない街の飲食店も高齢化、後継者不足などもあり倒産している。 人口減に加えて、社会主義経済のような小売り価格固定の日本経済が上向きになる可能性は非常に少ない。 宅配サービスにせまる危機… まいどなニュース 2023年11月26日 8時10分 便利な「宅配サービス」に危機がせまっています。株式会社帝国データバンク(東京都港区)がこのほど発表した「軽貨物運送倒産動向」によると、個人宅への配送など物流の最川下・「ラストワンマイル」物流を担う「軽貨物運送の倒産件数」は、2023年1~10月に「35件」となり、過去最多を更新したことが分かったそうです。 調査は、2023年10月31日までに負債1000万円以上の法的整理による倒産件数を集計したといいます。 黒ナンバーの軽バンを使用し、個人向け小型荷物などを取り扱う軽貨物運送は、コロナ禍でネット通販の需要が高まった「宅配特需」で参入が増加。個人宅への配送を請け負うラストワンマイル物流の担い手としてその重要度が増してきたといいます。 しかしながら、「軽貨物運送の倒産件数推移」を見ると、2023年10月までに「35件」発生しており、すでに2022年通年の件数(22件)を上回って過去最多を更新しました。 同社は、「軽貨物運送ではフリーランスの委託ドライバーや小規模零細企業が多く、件数に表れない廃業などを含めればより多くの軽貨物運送業者が淘汰されている可能性がある」とコメントしています。 軽貨物運送の重要度が増している一方で、配送ドライバーの残業増に対応した人件費や、燃料価格の高騰によるコスト負担が増加するなど、逆風に直面しているといいます。 運賃単価の引き上げ交渉が厳しいことや、他社への再委託など多重下請構造を背景に、コスト増に見合う十分な運賃収入が得られないことから、2022年度は軽貨物運送の23.9%が「赤字」、減益を含めた「業績悪化」は56.9%に上っています。 さらに、2024年以降は時間外労働の上限制限で人手不足が表面化するとみられるほか、参入事業者の増加による低価格競争の激化、インボイス制度導入によるコスト増など、課題が山積していることから同社は、「各種負担に耐え切れずに事業継続を断念する中小の軽貨物運送業者が今後も増加すれば、質の高い宅配網が維持できなくなる『宅配クライシス』が現実となる可能性もある」と述べています。 ― 引用終わり ― 荷主は過去の好不況のように、一時的なものととらえる向きも多いのかもしれないが、若年労働人口が継続的に大きく減少している現在の日本では、そうはならない。 インフラが崩壊あるいは解体されると、利幅の絶対値の少ない事業は霧消する。 生き残れた軽貨物事業者に依頼が集中して大規模化するような事態があるかどうかは、分からない。
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最終更新日
2023年12月29日 06時00分12秒
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