テーマ:電気自動車(292)
カテゴリ:EV 電気自動車
中国・欧州・米国でレッド・オーシャンとなったEV市場は、事業性のない自動車市場となった。頼みは国など公的機関からの補助金のみ。 中国では製造事業者への補助金支給、ナンバー政策もありEVが急速に普及拡大。補助金の終了とともにEV事業から撤退、破綻が相次いだ。 EVの普及とともに長距離連続走行に不向き、寒冷地での著しい性能低下など現在のBEVの欠点も明らかになり、EV販売が低下。代わってプラグインハイブリッド車の人気が高まっている。プラグインハイブリッド車は長距離運転や非常時の電源としての機能も持っている。 米国・フォード・モーターが2024年2月6日発表した2023年10〜12月期決算は最終損益が5億ドルの赤字(前年同期は12億ドルの黒字)となり、5四半期ぶりに最終赤字となった。米労働組合のストライキの影響で主力のガソリン車の販売が伸びず、電気自動車(EV)事業の赤字幅も拡大した。 2024年通期の利益見通しレンジの上限は市場予想を十分に超えるものとなった。 赤字事業であるEVの売れ行きが鈍い中、ジム・ファーリーCEO(最高経営責任者)はEV投資を縮小する一方で、将来の成長資金に必要な利益を生み出す伝統的な内燃機関モデルの生産台数を増やすという方針を選択せざる負えなくなった。 具体的には、収益性の高いスポーツタイプ多目的車(SUV)「ブロンコ」とピックアップトラック「レンジャー」の生産台数を増やし、主力EVピックアップトラック「F150ライトニング」の生産台数を半減させた。 生産台数の削減だけでは足りないと判断したフォードは主力EVの販売価格を引き下げた。 株価引き上げのためEVシフトを急いだフォードは、EV製造設備により構造赤字を抱え込んだことになる。 1月の販売減受け ロイター 2024年2月21日 米自動車大手フォード・モーターは20日、主力の電気自動車(EV)、スポーツ多目的車(SUV)型の「マスタング・マッハE」を最大8100ドル値下げすると発表した。1月の販売台数急減を受けた措置。 2023年の低価格帯モデルの価格は4万2995ドルから3万9895ドルに値下げ。「GT」モデルの価格は5万2395ドル、プレミアムバージョンを含む他のモデルは4万8895ドルと、それぞれ約7600ドル、8100ドル引き下げる。 1月の米国内のマッハE販売台数は51%減の1295台だった。年初以降、同モデルが米連邦税額控除(3750ドル)の対象外となったことが背景にあるもよう。 マッハEと競合する米電気自動車(EV)大手テスラの「モデルY」の価格は税控除(7500ドル)前ベースで4万2990ドルから。 ― 引用終わり ― 2022年の10月、EUの欧州委員会・欧州議会・EU理事会の合意事項として「2035年以降の内燃機関車の販売禁止」を取りまとめつつあった。最高意思決定機関であり、加盟国元首級で構成される欧州理事会の承認決議を待つばかりの段階にあった。 2023年3月25日、欧州委員会とドイツ政府が2035年以降も内燃機関車の販売を認めることで合意したと報じられた。 ドイツ政府がe-FUELを内燃機関の代替燃料として利用すればカーボンニュートラルは達成できるとし、欧州委員会で環境政策提言を取りまとめるティメルマンス上級副委員長を説き伏せたことで、諮問内容が修正されることとなったとされる。 もともとEU各国は内燃機関車の販売禁止に関して、一枚岩ではなかった。既に欧州では日用品や流通大手など47社が2035年からの内燃機禁止決定を堅持すべく反対を表明しており、そのなかにフォードやボルボも含まれている。 英国では2023年1月17日、リチウムイオン電池メーカーのブリティッシュボルトが経営破綻し、管財人の管理下に置かれた。新興企業の同社は英国内に電気自動車(EV)向け電池の大型工場を開設する計画だったが、資金繰りに行き詰まって経営が立ち行かなくなった。 英政府はEV普及に向け、2030年までにガソリン車とディーゼル車の新車販売を禁止し、2035年までにハイブリッド車(HV)の販売も禁じると宣言していた。充電設備拡充のほか、国内のEV生産を増やすためにバッテリー工場を支援すると表明していた。 大型商用EVの製造・販売を計画する英国のアライバル社が倒産の危機にあると報道された。アライバル社は2015年創業で、2012年にアメリカのナスダック市場に上場している。 ロイター編集 2024年1月23日 ロイター 英スカイニュースは22日、新興の英電気自動車(EV)メーカー、アライバルがコンティンジェンシープラン(緊急時対応計画)を監督するアドバイザー団の確保に乗り出したことから、経営破綻の危機に瀕していると報じた。 報道によると、同社は当座をしのぐ緊急の資金調達ができなかった場合の管財人業務について、大手会計事務所アーンスト・アンド・ヤング(EY)と交渉中という。 アライバルは今月に入り、2026年償還予定の転換社債の利払いが手元資金不足のため期限の昨年12月1日までにできなかったと明らかにしている。 ― 引用終わり ― 多くのアナリスト、エコノミストは、EV(BEV)の流行は一時的なもので、将来的にはプラグインハイブリッド車(PHEV)が優位に立つ展開を予想している。 これらの見解は、バッテリーの進化、燃料電池の進化、e-FUELの進化、水素燃料車の進化を全く考量しない点で、適切見解とは言えない。 特に次世代バッテリーの実用化・量産化計画は、具体的なものが打ち出されており、現在の未熟なBEVの販売とは次元が異なる車が生まれる可能性が大きい。 トヨタが新体制方針説明会を開催 〜2026年までにEV年間150万台販売へ 2023年4月8日 EVSmartBlog トヨタは2023年4月7日の新体制方針説明会で、2026年までに10モデルの電気自動車(EV)を市場に投入し、年間150万台を販売する計画を発表しました。発表のうち、電動化に関する内容を中心に速報解説でお伝えします。 トヨタが新体制方針説明会を開催〜2026年までにEV年間150万台販売へ トヨタは、2023年4月1日に社長に就任した佐藤恒治氏らが新体制の方針説明会を開催しました。説明会では電動化に関する新たな目標も明らかにしました。 今回の発表にあった電動化など次世代車に関するものは次の通りです。 ●2026年までに10モデルの新型EVを市場に投入。これにより年間の販売台数を150万台にする。 ●次世代バッテリーを搭載し航続距離をこれまでの2倍にしたEVを、2026年に市場に投入する。 ●車作りの工程数を従来の2分の1にするほか、生産工場に新技術を投入するなどにより、2035年に全工場をカーボンニュートラルにする。 ●目標実現に向けて専任組織を創設する。 ●PHEVではバッテリー走行の航続距離を200km以上に伸ばす。 ●商用車を軸に燃料電池車(FCEV)の量産化に取り組む。 このほか、水素社会の実現に向けてタイや福島での社会実装実験のほか、2022年から大型商用車向けの水素エンジンの基礎研究に取り組んでいること、新車販売台数の20倍に達する保有車についてはカーボンニュートラル燃料でCO2削減に取り組むことも説明がありました。 ― 引用終わり ― お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年03月04日 05時03分25秒
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