テーマ:地球環境(13)
カテゴリ:EV 電気自動車
中国では自動車メーカーへの政府の補助金打ち切り後、新興EVメーカーの破綻が続いている。「EV墓場」が出現するほどEVの供給過剰が社会問題化している。 欧米の大手自動車メーカーのEV計画も需要不足から頭打ち傾向になっている。 2030年の全面EV化は、ドイツのフォルクスワーゲン、メルセデスベンツ、BMWとも放棄した。 フランスのルノーは、市場環境が適さないとしてEV新会社Ampereの新規株式公開(IPO)を中止した。 米国のフォードは、主要販売車種であるピックアップのEV化を積極的に進め減益に苦しんでいるにも関わらずEVの値下げを展開している。レンタカー大手のハーツが中古EVの値崩れ、高額な修理費用に直面し、経営トップは更迭され、保有する5万台のEVのうち2万台を売却した。 人手不足と人件費高騰、サプライチェーン構築の遅れなどで、EVバッテリー関連のコストは想定以上に増えた。 EV(現行BEV)の短所 ■天候 ・極低温下、極高温化で充放電性能が著しく低下する ・極低温下でヒーターを使用すると航続距離が著しく低下する ・極高温化でバッテリーが発火する可能性が高い ■走行距離 ・1充電での航続距離が短く、長距離走行に向かない ■充電 ・充電時間が長い ・充電時間が長いのに、充電器が足りない ■価格 ・ICE(内燃自動車)に比べEVは価格が高い ■結論 ・現行のBEVはあまりにもコストパフォーマンスが悪く、ICE置き換えることを消費者が選択しない BEVに未来はないかというとそんなことでもない。 リチウムイオン系バッテリーを搭載したEVの供給は、国内に主要な資源が算出する中国勢が強みを持つ。中国政府の産業政策もあり、中国のBYDや世界最大の車載用バッテリーメーカーである寧徳時代新能源科技(CATL)は、ローコスト戦略を展開でき2023年のCATLの業績は、世界のEV市場の成長鈍化にもかかわらず、純利益が増加、BYDは価格引き下げ戦略を展開している。 国内で販売できないEVを武器に、中国はEVの世界戦略を強化する。自動車の世界市場は保護主義に傾きつつある欧州や、北米ばかりではない。 EVは今後も一定程度の比率を保ち、伸びは鈍化する。 HEV(ハイブリッド)、PHEV(プラグインハイブリッド)に新たな販売チャンスが到来する可能性が高まった。 BEVの普及拡大で航続距離の不足や充電器の不足以外にもEVのデメリットが明らかになった。 ・大きく重いバッテリーを積むことなどから、修理費が高い ・バッテリーの劣化度が判定できないことから、中古車価格が著しく安い そしてこれらのデメリットと別途、多用される重金属などの採掘、回収、廃棄などにともなう環境問題がある。 EV用バッテリーの需要増で環境破壊に懸念。 2023年4月6日 WIRED 電気自動車(EV)のバッテリーに欠かせない材料のリチウムは増産が求められているが、採掘を増やせば環境破壊も問題になる。そこである研究者が提唱したのが、クルマの総台数を減らすと同時にEVのバッテリーを小型化するというシナリオだ。 人類は気候変動との闘いに必ずしも勝ててはいないようだが、クルマの電動化には成功しつつある。世界で2022年に販売された乗用車の新車の10%は、ガソリンの代わりにバッテリーで駆動する電気自動車(EV)だった。ガソリンの採掘は有害な炭素を排出するだけでなく、その影響をもろに受けるコミュニティーの環境をも破壊するので、世界中に被害を及ぼしている。 しかし、“EV革命“にも、それなりに負の側面がある。新型トラックからSUVまで、すべてのクルマをガソリン車と同等の航続距離を有するレベルで一刻も早く電動化するとしたら、リチウム、ニッケル、コバルトなどバッテリーに使用される鉱物の需要が急増することになるからだ。 そうなると、地面にさらに多くの穴を開けることになってしまう。リチウムイオンバッテリーの原材料のシンクタンクであるBenchmark Mineral Intelligenceの推定によると、35年までに400ほどの鉱山が新設され、環境汚染や生態系破壊がより一層進むことになる。 こうしたなか、カリフォルニア大学デービス校(UCデービス)と連携する研究者がある論文を1月下旬に発表した。それは脱炭素化を、より環境への害が少なく早く達成できる方法論の提唱で、まずクルマの台数を減らすことから始まる。 「EVの台数を減らす」という提案 … (略) … リオフランコスの研究チームは、ガソリン車を廃止し、その代替となるEVの台数も減らそうと考えている。そしてこれらのEVには小型バッテリーを搭載することを検討している。つまり、長距離走行が可能な大型の電気SUVが何百万台も存在する未来は“当たり前”ではないというのだ。 ― 引用終わり ―
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最終更新日
2024年04月19日 06時00分12秒
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