カテゴリ:美術・博物館
【2016年1月21日(木)】
今朝、雪は止んでいましたし、道路にも雪はなかったので、朝、車を出しましたが、昨日午後雪が雨に変わったためか、フロントガラスの雪が凍りついていて、雪を除去するのが一苦労でした。天気は回復しましたが、寒い一日でした。 二人とも家にいてのんびりとした一日でした。 ********************************************* フェルメールとレンブラント展 #2 昨年の12月19日に二人で京都市美術館に観にいった「フェルメールとレンブラント展」の作品を、種々のネットからの情報を使って紹介していきます。 この展覧会は「フェルメールとレンブラント:17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち 世界劇場の女性」と題されています。 17世紀はオランダ黄金時代といわれ、オランダは歴史上稀にみる発展の最中にありました。 1560年代に始まるスペイン支配からの独立戦争に伴い経済が急成長するとともに、1602年に世界に先駆けて設立された株式会社、オランダ東インド会社の貿易網を通して世界に名だたる強国、富裕国として発展していきます。 17世紀はまた、新たな芸術文化が発展し、絵画の分野においても多くの優れた画家を輩出し数多くの傑作が生まれるという、特別な時代でした。 絵画は一般市民が手に入るような大きさや価格でも出回っていました。 当時の海外からの訪問者は、オランダのごく一般の家庭にさえも多くの絵が飾られているのに驚いたといいます。 この時代に活躍した画家たちの中には、「光の画家」として知られるデルフト出身のヨハネス・フェルメール(1632-1675)やアムステルダムで名声を手にし、独特な発想、技法と構図で人気を得たレンブラント・ファン・レイン(1606-1669)など、今日我々がよく耳にする名があります。 彼らの作品は400年近く時を経た今でも色褪せることなく、我々に感銘を与えてくれます。 この展覧会では、60点の作品を通して、オランダ黄金時代と当時活躍した画家たちが紹介されています。 フェルメール、レンブラントと並び、フランス・ハルス、ヤン・ステーン、ピーテル・デ・ホーホなど、黄金時代を彩った様々な画家たちの作品によって、当時の文化と人々の生活が目の前によみがえります。 ニューヨークのメトロポリタン美術館、ロンドン・ナショナル・ギャラリー、アムステルダム国立美術館を中心に個人蔵の作品も加え60点が一堂に展示されています。中でもメトロポリタン美術館の傑作、フェルメールの《水差しを持つ女》とレンブラントの《ベローナ》は日本初公開作品です。 【1】ハールレム、ユトレヒト、アムステルダム-オランダ黄金時代の幕開け 17世紀初頭から、オランダの各都市において画家たちが活発に制作活動を行い、独特の絵画を発展させていきました。特に、ハールレム、ユトレヒト、アムステルダムでは、イタリアやフランスで経験を積んだ画家たちが独自の絵画を開花させていきます。 展覧会のこの導入部では、当時ヨーロッパで人気を博した画家ヘンドリック・ホルツィウスや明暗技法と豊かな色彩を融合した独創的な画家アブラハム・ブルーマールトなどの作品を通して、黄金時代の幕開けが紹介されています。 ●作品1 ヘンドリック・ホルツィウス《苦悩するキリスト》 1607年 ユトレヒト中央美術館 その身体はたくましく、まるでギリシア・ローマ神話に出てくる英雄のようです。古代芸術に着想を得た、「理想的」ともいえる裸体像が描かれています。当時は、こうした古代風の理想的な人物像を自宅に飾っていた人もいたようです。 【ヘンドリック・ホルツィウス】 《苦悩するキリスト》は1607年に制作されました。ホルツィウスはもともと版画家としてヨーロッパ全土に知られる存在でしたが、1600年頃に絵画制作へと転向。ローマまで出向いて、古代彫刻やミケランジェロ、ラファエロらの作品をスケッチした経験などを経て、完璧な裸体像を描くことができる作家として人気を博しました。 ●作品2 アブラハム・ブルーマールト《ラトナとリュキア人の農民》 1646年 ユトレヒト中央美術館 ハールレムの画家たちよりも少し後、アブラハム・ブルーマールトをはじめとするユトレヒトの画家たちも外国に赴きました。ブルーマールトは、1581年頃、15歳でパリ旅行を行い3年ほど滞在します。パリで取り入れたマニエリスムに影響を受けた様式は、帰国後ユトレヒトの画家仲間に衝撃を与えたそうです。その後、彼の作風はより静謐で古典的なものになります。 この作品は、ブルーマールトが80歳の時に描いたとされるもの。 青、緑、黄、そして前景に描かれたラトナの深紅のガウンなど、鮮やかな色彩で描かれています。 【アブラハム・ブルーマールト】 《ラトナとリュキア人の農民》が描かれたのは、ブルーマールトが80歳のときだと言われています。当時としてはかなりの高齢ですが、この時点でも十分に優れた画家であることが分かりますね。この作品もそうですが、日頃から農場のデッサンを描きため、それを絵画制作に利用していたそうです。 ●作品3 ヤン・ファン・ベイレルト 《マタイの召命》 1625-30年頃 カタレイネ修道院美術館 イエスが収税所で働いているマタイを指さし、自分についてくるよう呼びかけるシーンを描いた作品。その後のマタイの運命を左右する劇的な一瞬が、強烈な明暗効果で表現されています。また黄・赤・青などの鮮やかな色彩が用いられており、印象的な作品です。 【ヤン・ファン・ベイレルト】 ブルーマールトの弟子でもあったベイレルト。ちなみに、《マタイの召命》で用いられている明暗効果を考案したのは、イタリアの画家・カラヴァッジョです。ベイレルトをはじめ、多くのユトレヒト出身の画家がこの明暗効果を実践しました。 ●作品4 ピーテル・ラストマン 《モルデカイの凱旋》 1617年 レンブラントハイス美術館 旧約聖書の物語です。アハシュエロス王が支配する国に暮らすモルデカイは高官ハマンの怒りを買ってしまい、そのせいで自分を含む全てのユダヤ人が迫害されるまでの危機にさらされます。しかしモルデカイに恩賞を与えようと思い立ったアハシュエロス王は、ハマンにその準備をさせます。憎きモルデカイが乗った馬を引いているハマンの悔しさはいかばかりか。複雑な表情が見てとれます。 【ピーテル・ラストマン】 《モルデカイの凱旋》を描いたラストマンは、デンマーク王から注文を受けるなど、アムステルダムの歴史画家たちに多大な影響を与える存在でした。彼はまた、レンブラントの師匠でもあります。 (続きます) よろしかったらぽちっとお願いします。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021/07/13 10:34:21 AM
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