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カテゴリ:テレビ・ドラマ
テレビ。「タイガー&ドラゴン」、「猫の皿」の回。
ドラマとしてはますます面白くなっているのだが、落語ファンとしては引っ掛かる部分が多かったのが今回。 ポイントは、小日向文世演じる“柳亭小しん”。 誰がモデルということもないだろうが、柳家小さん一門を連想することは容易。柳家の芸に対する誤解を招くことになりやしないかと思うようなセリフが随所に出てきてひやひやする。 「柳亭は保守派だからな」 「偉くなってからの小しんの落語、ほーんとつまんないもん。落語はね、芸術じゃないの、庶民の娯楽なのよ!」 「てめぇのクソつまんねぇ落語なんか誰が覚えるかってんだ! うちの師匠はなぁ、人情噺ができねぇんじゃねぇんだよ、やんねぇんだ! なんでかわかるか? あんたみてぇなふんぞりかえってる野郎が居るからだ、馬鹿野郎! 泣ける噺のほうが笑える噺より上だって威張ってる野郎が居るからだよ、馬鹿野郎! てめぇの『猫の皿』なんかちっとも笑えねぇじゃねぇか!」 小里ん師匠の耳に入ったら激怒すること確実。 ドラマ上のものとは言え、ここにある落語観にはかなり違和感あり。 この番組、ホント落語知らない人がたくさん観てるんだから。地方へ行けば、落語イコール「笑点」のイメージであることが少なくないように、このドラマの影響がどんなかたちで残るのかが怖い。つまらないドラマならそんな心配も要らないのだが。 岡田の「猫の皿」。口調は仕方ないとして、やたら膝を叩く音が入っているのが気になった。これは実際に落語をやってみればわかることだが、初めてやるとまず手の置き場に困ると思う。結果、手が遊んでしまうことになる。 しかし、落語の天才の役だなんて、岡田でなくとも困難。そのまま落語を演らせずに演出をもうひと工夫するわけにはいかないのだろうか。 むしろ、高座シーンの多い長瀬の落語のほうがサマになってきているように思う。 「タイガー&ドラゴン」によって確実に起こっている落語ブームだが、ドラマのなかでも落語ブーム到来。いつの時点で書かれた脚本なのかが気になる。 高田亭馬場彦こと高田文夫センセイ、ようやく活躍。脚本なのかおまかせなのかわからない、いい加減なセリフ連発。面白過ぎます。 落語ブームの引き金を引いたのがこのドラマならば、何年も掛けてせっせと弾を詰めていたのが高田文夫であることは間違いなし。高田センセイなくしてはこのドラマは存在しなかったと言っても過言ではない。風が吹けば桶屋が儲かるように、高田が喋ればクドカンが儲かるのである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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