テーマ:コロナ禍の中で(423)
カテゴリ:物流 ロジスティクス
マクドナルドのポテトがSサイズのみになり、制限が解除されて再びSサイズのみに制限されるという奇怪な事態が起こった。 1月19日、「夢と魔法の国」は、4店舗でフレンチフライの販売停止を告知した。 それらの理由は、日本がコンテナ物流のへき地、辺境となっているかららしい。 なぜポテトはSのままなのか 日本の港がコンテナ船にスルーされる現実も 2022年1月18日 NEWSポストセブン しn
… (略) … 日本の港なんて世界20位にも入っていない 「港、思ったより小さかったでしょ」 コンテナ港に行ったことを食料商社の商社マンにメールすると日本の港について教えてくれた。今年に入っても大型コンテナ船のキャンセル、遅延が続く厳しい情勢だという。 「東京港は大井の他にもいくつかありますけど、どれも小さな港でよくやってますよ」 規模だけではないのかもしれないが、日本の港がいつの間にか世界から置いてきぼりを食らっていることは数字が証明していた。貿易戦争の拠点のはずなのに。 「日本の港は20位以内にも入ってません。これ、もっと知られていいと思うんですけど」 国土交通省の『世界の港湾別コンテナ取扱個数ランキング』によれば1980年に神戸港が4位、横浜港が13位、東京港が18位だったのが2019年にはすべて圏外、つまり「世界的な港」というのが日本から消えて久しいということだ。出貨と入貨(輸移出入)の合計値だが、他の基準でも上位に日本の港は登場しない。ちなみに2019年は東京港39位、横浜港61位、神戸港67位、名古屋港68位、大阪港80位である。正直、筆者の記憶にあった「世界の中心」日本という国の順位とは遠くかけ離れている。 「2020年なんてコロナ禍でさらに差がついてます。経済回したほうが勝ちなんです」 興味深いので電話に切り替えて資料をあたる。中国、本当に凄い。 国土交通省の2020年速報値では1位上海、2位シンガポール、3位寧波(舟山)、4位深セン、5位広州、6位青島、7位釜山、8位天津、9位香港、10位がロサンゼルス(ロングビーチ)と世界の上位10位の中に中国の港が7つも入っている。現代の太平洋の主要港は中国と、シンガポールと韓国、そしてアメリカが握っているということだ。 「だからアメリカと中国の間だけで運びたがるわけです。気軽に日本に寄ってもらうなんて昔の話ですよ、向こうからすれば日本に寄るのは割に合わないですからね」 筆者はこれまでも日本の「食の安全保障」について『憂国の商社マンが明かす「日本、買い負け」の現実 肉も魚も油も豆も中国に流れる』『商社マンが明かす世界食料争奪戦の現場 日本がこのままでは「第二の敗戦」も』で書いてきたが、こうした生活の実感として明確な事態と数字に対し、あまりに無頓着過ぎたのでは、という思いからである。 「貿易は戦争ですからね、北東アジアのハブ港という立ち位置の韓国と、東南アジアのハブ港として圧倒的なシンガポール、両者は見越していたということですよ」 … (略) … 確かに、関税も掛からない巨大で至便な港があれば寄るだろうし、韓国やシンガポールとしても大国ではない自分たちの国に物が届く「寄るメリット」としてハブ港はうってつけだったのだろう。日本も「スーパー中枢港湾」「国際コンテナ戦略港湾」として2000年前後から取り組んで来たが、先のランキングや数字が示すとおりの「敗北」である。 「日本のロジスティクスは東南アジアより遅れてます。なんでこうも輸送を大事にしてこなかったのか」 ― 引用終り ― 日本マクドナルドが儲けの多いマックフライポテトの販売制限解除のカギは、海上物流の回復と米国の港湾機能の回復らしい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022年01月26日 16時00分06秒
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