テーマ:快眠のために(7)
カテゴリ:ダイエット、健康
時間の使い方が問題になるとき、何もしていない時間として睡眠時間が取り上げられることも多い。「寝る間を惜しんでやり遂げた」などの表現はよく目にした。「4当5落」、「3当2落」などの表現で、睡眠時間を削って受験勉強に専念することが推奨された時代もあった。眠ることへの自虐的な表現として「惰眠を貪る」との表現もよく目にした。高度経済成長時代、ナポレオンが3時間しか寝ないことがよく語られ、バブル期には「24時間戦えますか」のCMが世を賑わせた。 睡眠時間を0にすると精神に異常をきたすらしいことは知られているが、眠ることは無駄だという精神がいまだ日本人の意識の基盤にあると見受けられる。 一方、適切な睡眠時間が必ずしも8時間ではないことを示した記事は、たまに見かける。即ち、適切な睡眠時間が8時間であるとの幻想が、いまだ続いているということだ。 …20年前とは決定的に違う"快眠"の新常識 2023年2月21日 プレジデントオンライン 仕事のパフォーマンスを高めるには、どのくらい睡眠を取るのが適切か。スリープコーチの角谷リョウさんは「日本人に多い『寝ないで頑張ることが美徳』という考え方は危険だ。質より量が仕事の成果に直結した時代は、睡眠時間を削ることに合理性があった。しかし今の時代は集中力や想像力、コミュニケーションが重視される」という――。 ※本稿は、角谷リョウ『働くあなたの快眠地図』(フォレスト出版)の一部を再編集したものです。 … (略) … ■無料で頭の中のゴミを出し、 メンタルや体を回復させる しかし、今では知識はオープンになり、誰にでも手に入るようになりました。ある程度のレベルの仕事はAI(人口知能)やコンピュータがしてくれるのが当たり前の時代です。 そのような状況において最も重要になってくるのが「仕事をしている時の状態(集中や想像がしやすい良好な心身状態)」や「仕事をチームで行う際の良好なコミュニケーション」です。このジャンルは睡眠の最も得意分野となります。 ご存じな方も多いと思いますが、睡眠は無料で頭の中のゴミを出し、記憶を整理し、メンタルや体を回復させてくれます。今の時代のビジネスに最も必要な要素を、睡眠はタダで毎日作り出してくれるのです。 以前は寝ている時間を「無駄」な時間と捉えている人が多かったのですが、海外では「トレーニングの時間」「パワーチャージの時間」と捉えるのが普通になってきています。 何よりもともと人は寝ることに幸せを感じる生き物です。寝ること自体を楽しみ、さらに寝ることでたくさんの効果が得られるので、本当に良い睡眠は取らないと大損なのです。 ■「8時間眠れていないので不調」は 大間違いである 私は睡眠セミナーをするとき、必ず「厚生労働省が推奨する睡眠時間はどれくらいでしょうか?」という質問をするようにしています。いつも5択の選択式で行うのですが「8時間」と答える人が半分以上です。 実際にいろんな研究でよく出てくる中央値は7時間から7時間30分くらいですが、おそらくマスコミの影響で多くの人が「8時間が最もよい睡眠時間だ」と思っているようです。 ところが実は、厚生労働省が推奨する睡眠時間は「人それぞれ」です。これは厚労省がいい加減なわけではなく、研究調査を重ねて出た答えが「人それぞれ」だということなのです。 基本的に人間は個体差がありますから、必要な食事量や体重などあらゆることが人それぞれです。しかしそうは言っても基準がないと困るので、一応平均値や安全範囲を決めているのです。睡眠時間も最初は基準を決めようという話もあったそうです。 ところが調べてみると、睡眠に全く問題のない健康な人の睡眠時間は、なんと3時間から10時間以上と7時間以上も幅があったのです。 このような事情から、厚労省は推奨睡眠時間や範囲を決めないほうが良いと判断しました。とはいえ、世の中では「8時間睡眠がベスト」と思っている方が多いので、「8時間眠れていないので不調」ということになるわけです。 … (略) … ■日本人は「睡眠時間を削って頑張ることが美徳」 と思いがち 寝ずに頑張ることが美徳という文化が日本ではまだかなりあるように感じます。 さすがに徹夜を賞賛するような風潮はなくなりましたが、ビジネスパーソンの睡眠相談では「夜もつい仕事をして、眠れなくなる」「仕事をして家事や育児をしていたら睡眠時間が4時間しか取れない」などの相談が最も多いくらいです。 実際にそういった相談をされる方々が忙しいのは事実なのですが、それ以上に「睡眠時間を削って頑張ることが美徳」という固定概念が強いのがカウンセリングから透けて見えてきます。 日本人はなぜか、遺伝なのか風土なのか「頑張らないと生きている資格や価値がない」と思い込んでいる人が多いように感じます。私も(かなりマシになりましたが)かなりその傾向が強いです。 そうなると一番分かりやすいのが「寝ずに頑張る」というやり方です。 しかし、このやり方は実は危険で、睡眠が足りていないことを理由に、たとえ失敗しても「こんなに頑張ったから仕方がない」と諦めて改善しない傾向があるそうです。 ― 引用終り ― 寝ずに頑張る、休まず頑張る、では長期戦は戦えない、あるいは途中で脱落する。 頑張っても駄目だったから、人生から脱落する(自殺する)の心も日本人の心情に潜み続けているようだ。 物事の始まりの時間や納期・提出期限を守る、睡眠時間・休みを削って頑張る日本人の心根は、コロナ禍を経ても、デジタル化が進展しても変わってない気がする。
頑張って「快眠」に努める、というのも、「ゆとり豊かさ」をを怠けている、悪徳と感じるような心の傾向かもしれないな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年03月11日 06時00分09秒
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