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2023年09月29日
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テーマ:ロシア(96)
カテゴリ:航空事故
 ウクライナ侵略戦争開始以来、ロシア関係の報道が増え、大爆発、炎上の多さに驚いている。
 地上での爆発、炎上と並ぶ勢いで、航空機の安全が揺らいでいる。
 戦時下であり戦闘で攻撃されて堕ちるのは理解できるが、ロシア軍機は闘うことなく堕ちている。
     ​
...ロシア空軍、戦争どころではない現状
Russian Jets Just Keep Crashing
ブレンダン・コール
2022年12月3日 Newsweek日本版
<ウクライナ侵攻後のロシア国内で軍用機の墜落が相次いでおり、市民が事故に巻き込まれるケースも少なくない>
 ロシアのMiG-31戦闘機が12月2日、離陸から間もなくロシア東部ウラジオストク近郊の森林に墜落する事故が起きた。ウクライナ侵攻後、ロシア国内では同様の航空機の墜落事故が相次いでいるが、いったい何が起きているのか。
  …  (略)  …
​     ​​​
 ウクライナ侵攻の開始以降、ロシアでは市民の被害を伴うものを含め、航空機の墜落事故が相次いでいる。独立系メディアThe Bellによれば、「開戦」から10月までの時点で少なくとも10件の事故が発生したという。
 10月18日にはSu-34爆撃機が、ロシア南部クラスノダール地方の町エイスクの集合住宅に墜落し、15人が死亡した。同じ10月の23日には、東部イルクーツクでSu-30戦闘機が住宅に突っ込み、少なくとも2人が死亡した。
 ロシアによる占領が続くクリミア半島セバストポリでも、ベルベク空軍基地を離陸した直後のMiG-31戦闘機が墜落する瞬間が撮影された。この事故では、乗組員が脱出できなかったとする報道もある。
 10月にはSu-25攻撃機が墜落する場面とされる動画が拡散されたほか、6月にはIL-76軍用輸送機が訓練飛行中のエンジン不良により緊急着陸を試み、モスクワ近郊の町リャザンの近くで墜落。炎上する事故が起きた。
     ​
熟練パイロットの多くはウクライナで撃墜された
 なぜ、これだけ軍用機の墜落が続くのか。英国防相によれば、ロシア空軍は十分な数の乗組員を派遣してウクライナ侵攻を空から支援することにも苦労しているという。さらに空軍の任務を遂行するためには、今では民間軍事会社ワグナーグループの契約社員として働いている退役軍人に頼らざるを得ない状況だという。
 バルト安全保障財団の軍事アナリストであるグレン・グラントは本誌に対し、「問題はパイロットよりもメンテナンスにあるとは思うが、パイロットたちも十分な訓練を受けていないと思われる」と語った。「戦争が始まる以前、パイロットたちが受けていた訓練は『最小限』と言えるものだった」
 「もちろん(ロシアにも)優秀なパイロットはいる。シリアに派遣された人たちだ」とグラントはいう。だが彼は、そのうちの多くがウクライナで撃墜されてしまったと考えている。「そのため、今では熟練した技術を持つ者は多くないだろう」
 またグラントは「最大の問題は(ロシア軍が)メンテナンスに無頓着であることだ」と指摘し、「システム全体が劣化している」とした。「彼らは迅速なトレーニングプログラムを作成するために変更を施すことが苦手なのだ」
  ―  引用終わり  ―
     ​
 ベテランパイロットも不足なら、ベテラン整備士も不足しているに違いない。それに輪をかけるようにまともな補修部品が不足しているはずだ。 
 墜落するのは軍用機ばかりではない。
 墜落しないまでも、民間の旅客機は整備不良が頻発しているとみられている。
 ウクライナ侵略が招いたロシアの経済封鎖に伴い、ロシアは海外からのリース機を返却せずわが物とした。
 ところが整備に必要な補修パーツ類は禁輸策により、ロシアに入らない。プーチン大統領は、ロシアの航空産業の技術は高く整備に不自由しないと虚勢を張っている。
 航空機、航空エンジンは繊細な機会であり、代替品を使用した場合の耐久性、性能は不明。
 一般的に知られているのは軍用機のロシア製のジェットエンジンは、耐用時間が欧米のジェットエンジンに比べて著しく短いということ。
 ちなみに中国製はロシア製よりもさらに耐用時間が短いとされている。
 9月12日、ウラル航空のエアバスA320がノボシビルスク州の原野に緊急着陸した。乗客159人は無事と報じられている。
     ​​​​
...ロシアの空で、深刻なトラブルが頻発している理由とは?
Russia's Crumbling Planes Keep Coming Down. Putin Wants More Flights
ブレンダン・コール
2023年9月17日 Newsweek日本版
<エアバス機やボーイング機をリースしながら返還に応じないロシア。こうした機体が今、飛行中に次々と深刻なトラブルを起こしている>
 ロシアで、航空機が緊急着陸するなどのトラブルが相次いでいる。9月12日には、シベリアのノボシビルスク州で国内線旅客機が緊急着陸する事態が発生した。背景には西側諸国からの経済制裁があると見られるが、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ロシアの航空産業の強化を呼びかけている。
 ロシアは高水準の航空機製造技術を持っているが、ウクライナへの侵攻を理由に制裁を科せられているため、国内航空会社が保有するエアバス機やボーイング機の予備の部品が不足している。その影響か、ロシアではこの数カ月、航空機の緊急着陸が複数発生している。
  …  (略)  …
     ​
満足なメンテナンスができない
 一方でこれと同じ日、プーチンはノボシビルスクから約5600キロメートル以上離れた港湾都市ウラジオストクで、ロシア政府は2024年3月1日までに極東地域の航空産業の開発および近代化に向けた計画を作成する必要があると述べ、2030年までにロシア極東の国内便の乗客数を年間400万人に増やすという目標を発表した。
 
 ロシアの重大犯罪の検証を行う連邦捜査委員会は、12日の緊急着陸について、航空安全規則違反がなかったかどうか捜査を始めている。
 国営通信社RIAノーボスチの報道によれば、首都モスクワから約1600キロメートル東方のエカテリンブルグに本社を置くウラル航空は、緊急着陸した航空機は油圧装置が故障していたと説明した。この航空機は2013年からウラル航空がリースしており、20年前から使用されている。
 
 今回の事故以前にも、ロシア国内では同様の出来事がたびたび発生している。2023年3月には、ソチからクラスノヤルスクに向かっていたロシア航空の航空機が緊急着陸。この際、機内で酸素マスクが出される劇的な瞬間を捉えた動画が出回った。
     ​
6月にも2件の緊急着陸
 ソーシャルメディアにこの動画を投稿したジャーナリストのジェイソン・コーコランは、「ロシア政府が奪取した西側諸国の航空機は、修理や部品の不足が原因で劣化が進んでいる」という言葉を添えた。
 自由欧州放送の報道によれば、6月15日には乗客54人を乗せたロシアのスホーイ・スーパージェット100型機(SS100)で空調システムが正常に機能せず、同機がイルクーツクに緊急着陸する事態が発生。そのわずか2日前には、モスクワからカザフスタン南西部の港湾都市アクタウに向かっていた別のSS100が、エンジントラブルによりロシア南西部の都市サマラに緊急着陸していた。
   ー  引用終わり  ー
     ​
 ロシアを飛ぶ旅客機は、バランスよく劣化する純ロシア産の航空機にとって代われるだろうか。
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最終更新日  2023年09月29日 06時00分11秒
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