テーマ:イスラエル(11)
カテゴリ:アメリカ
大統領が民主党でも共和党でも、米国政府はイスラエル政府支持に変わりはない。 ロシアみよるウクライナ武力侵攻は米国にとって「対岸の火事」の趣があったが、ハマスの奇襲攻撃は国内紛争であり、様々の人権問題が絡んでいるにも関わらず、米国政府のイスラエル政府支持の姿勢は明確だった。国内外のユダヤ勢力がさぞかし恐ろしいに違いない。 米国の若者世代はイスラエル支持一辺倒ではないというロイターの記事があった。 人権問題などは別として、大規模な紛争とそれに伴う石油価格の上昇で、米国の軍事産業とシェールオイル採掘の石油産業は潤う。 アングル: 2023年10月21日 ロイター イスラム組織ハマスがイスラエルに甚大な攻撃を仕掛けて以来、米国の若者らは恐怖や怒り、悲しみにさいなまれている。地球の反対側で繰り広げられている暴力を受け止め、自らの交友関係の中にも分断の影響を感じている。 ユダヤ人とパレスチナ人、そしてそれ以外の18─26歳のZ世代に取材したところ、多くの人は、複雑な思いが押しつぶされていることへのいら立ちを口にした。ソーシャルメディアは事件に関する理解を深めるのに役立ったという意見は多いが、同時に若者らを疲弊させ、友人との仲違いにもつながったという。 世論調査によるとこの世代は、年長の米国人に比べ、イスラエルのパレスチナ政策に懐疑的だ。とはいえ、この世代の中でも、ハマスの行動は数十年にわたるイスラエルの抑圧への報復であり正当だと考える人もいれば、パレスチナ支持の抗議行動はテロ支援に等しいと考える人、さらに双方の罪なき市民がそれぞれの指導者の失政の板挟みになっていることを嘆く人まで、実にさまざまだ。 数十年にわたって平和的な妥協を阻んできた紛争について、いつ、どのように自分の意見を表現するか。この世代が現実でもネット上でも苦悩していることが、取材から明らかになった。 だが他の若者に言わせれば、そうした考え方は、パレスチナ人の窮状を無視してきた長年のパターンをいっそう強めることにつながる。複数の学生は、米連邦政府から自分自身が在籍する学校に至るまで、西側の各機関が示す明確なイスラエル支持の姿勢に不満を表明した。 シカゴ大学の博士課程に在籍するクリストファー・ヤコベッティさんは、パレスチナを支持する活動家は今回のような場合、ハマスを非難するよう求められるのに、イスラエル支持者はイスラエルのパレスチナ攻撃についての意見をほとんど求められないのは「ダブルスタンダード(二重基準)」だと言う。 ヤコベッティさんは、ハマスによる今回の攻撃を1831年のナット・ターナーの反乱(奴隷にされた黒人が白人のバージニア州民数十人を殺害した事件)になぞらえ、たとえ個々の行為が残虐なものだとしても、抑圧された人々の抵抗には正当性があると主張した。 「戦争の目的と、戦争における行為は区別すべきだ」とヤコベッティさんは言う。 <「双方とも傷ついている」> 中東情勢を巡る議論が起き、キャンパスでは抗議集会が行われているが、学生らのネット上での交流にも影響が及んでいる。取材を受けた学生の大部分は、ソーシャルメディアを利用して自分の意見を表明し、仲間の意見を評価していた。 自分も公開の場で何か意見を投稿しなければ、というプレッシャーを感じると言う人は多い。だが同時に、自分の意見が必然的に誰かを怒らせることになり、ブロックされたり、公の場で恥をかかされたり、敵対的な政治論争の中で消耗する恐れがあるという懸念もある。複数の学生が、この1週間、ソーシャルメディアは疲れる場所になっていると語った。 まれに、ネット上で生産的な議論ができることもあると学生らは言う。セントルイス・ワシントン大学のムスリム学生ハディア・カトリさんは、同じ寮で暮らすイスラエル支持の学生とインスタグラムで会話し、「双方に必要なのはより良い指導者だ」という点で意見がなんとか一致したという。 本当はもっと微妙な意味合いを含んだ対話をすべきであるにもかかわらず、ソーシャルメディアによって過度に単純化されてしまい、「人々は完全に分裂している」という思い込みにつながっているという見方もある。 最も過激な意見が最も声高に語られる、と指摘する人は多く、それによって生産的な会話が事実上不可能になっているという。 「どちらかの側に完全に連帯すべし」というプレッシャーを特につらく感じているのが、イスラエルのこれまでのパレスチナ政策に批判的な一部のユダヤ人だ。 イスラエルに封鎖されたガザ地区で死んでいく市民の姿が伝えられる中で、時には家族や友人からの反発を受ける危険を冒しつつ、イスラエルに封鎖解除を求める呼びかけに公然と参加したユダヤ人もいる。 パレスチナ独立を主張する団体「平和へのユダヤ人の声」のメンバーらは、キャンパスにおけるパレスチナ支持デモに参加した。バーナード・カレッジの学生で、この団体に所属する1人の中東出身のユダヤ人は、この団体の理念は紛争の複雑さを浮き彫りにしていると匿名で語る。 この学生はメールで「こういう時期には、どちらか一方の側に偏った態度を取り、分かりやすいラベルを貼るのが楽だが、現実は微妙で不確実だ」と述べた。 ー 引用終わり ー イスラエルは新技術を開発し、アラブ産油国のライバルとなったようだ。 アラブ諸国やロシア、ベネズエラなど世界の産油国はSDGsの進展が石油価格を低下させ、自国の将来を揺るがしかねないほどの事態だと気がついた。 そして、戦争・紛争・内乱が生じると、資源価格が高騰することは過去からの経験で知っていた。 最近ロシアとサウジアラビアとは外交面で急速に接近している。2023年2月ごろからサウジアラビアは、ロシアからの石油製品の輸入量を大幅に拡大していた。1月~6月までの半年間で比較すると、前の年の同じ時期に比べて9倍以上に増えていた。6月単月でじゃ13倍。2023年10月11日、ロシアのノバク副首相は、サウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相と石油市場の状況と価格について協議したと明らかにした。 これらのこともハマスの奇襲攻撃に関係あるのだろうか? 駐日イスラエル大使館経済部 エネルギー輸出国となった イスラエルの「ゼロエミッション Energytech」 2022.10.07 … (略) … イスラエル沖での天然ガス採掘と地政学 仮にロシアによるウクライナ侵攻が(どのような結果であれ)収束する時が来たとしても、それが自由と民主主義への挑戦と蹂躙である以上、西側諸国によるロシアへの経済制裁は続かざるを得ないだろう。従って、EUはロシアに替わるエネルギーの調達先を確保する必要に迫られている。 カタールや北アフリカ、ノルウェーなどがその候補だが、イスラエルを含む東地中海のガス田も候補の一つである。かつてイスラエルはエネルギー資源の乏しい国であったが、1996年に天然ガス田が発見されて事情が変わってきた。特に2010年に発見されたタマル(Tamar)ガス田は、2013年から生産を開始し、ほぼ国内需要の自給を達成した。2019年からは推定埋蔵量6200億立方メートルとされるリヴァイアサン(Leviathan)ガス田での生産も開始されている。 2019年1月には、イスラエル、イタリア、エジプト、キプロス、ギリシャ、ヨルダン、パレスチナの7カ国・地域の関係閣僚がカイロで会談し、「東地中海ガス・フォーラム(Eastern Mediterranean Gas Forum)」の設立を宣言した。同フォーラムは2020年1月、地域機関へと昇格、本部をカイロに設置することで合意した。また、EU、米国、UAEが常任オブザーバーとなったほか、フランスが2021年にメンバー国として参加した。 また2020年には、イスラエル、キプロス、ギリシャが東地中海ガスパイプラインを2025年までに完成させることに合意している。イスラエル・キプロス沖のガス田からキプロス、ギリシャのクレタ島、本土を通過し、最終的にはイタリアに至る2000キロメートルのパイプライン構想である。今年の6月15日には、イスラエルとエジプトがEUへの天然ガス供給に関する覚書に署名した。生産した天然ガスを液化施設のあるエジプトに送り、そこからLNGとしてEUへ供給するという合意である。もちろんEUの総需要量から見ると遥かに少ない量ではあるが、脱ロシア依存を進めるための安定供給先の確保という面では、EUにとって意義ある合意のはずである。 技術は経済安全保障の柱 世界情勢の不安定さが加速するなかで、地政学と経済(技術)が不可分になっている。中国の脅威に立ち向かう台湾の武器は、いうまでもなく最先端LSIの製造能力であり、これを失わないためにもアメリカは台湾を中国の脅威から守るだろう。その台湾企業も、日本の半導体製造装置やウエハー無しにはLSIの製造ができない。 中東も、かつてはパレスチナの大義によりアラブ陣営が一つにまとまっていたが、石油依存経済からの脱却を目指して、UAEやバーレーンはハイテク技術を持つイスラエルとの国交を正常化した。かつて、パレスチナ問題で関係が悪化していたトルコとイスラエルも、今年4年ぶりに外交関係を正常化した。エネルギー分野での両国の協力関係が不可欠になってきたからである。 複雑化する世界の中で自国のポジションを守るためにも、どのような技術を他国に先駆けて確立し戦略的に発展させるべきか、経済安全保障からの視点が重要である。日本は専制主義の国家のような軍事力を背景にした外交は行わないし、エネルギーを武器にした外交も行うことはできない。しかし、他国より優位に立てる技術は持っている。その意味でも、同様に技術立国であり、厳しい歴史・環境を生き抜いてきたイスラエルの動きは参考になる。 ー 引用終わり ー 技術の方向性は多様であり、平和に用いることも、戦争に用いることも自在。 ロシアのウクライナ武力侵攻により、イスラエルの兵器は世界から引く手あまたとなっている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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もともとハマスを陰で支援して来たのはイスラエルなんて話を聞くとびっくりですね。
人質解放には、カタールも一枚かんでいますが、ハマス-カタール-イスラエルと、長年のパイプなのでしょうか。 (2023年10月28日 21時48分22秒) |
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