テーマ:クロネコヤマトの宅急便(2)
カテゴリ:物流 ロジスティクス
物流2024年問題に関する具体的回答が少しずつ現れてきている。 コカ・コーラ ボトラーズジャパンの店舗配送トラックが稼働していない時間帯に、ファミリーマート店舗への常温商品配送に使用する取り組みが始動した。 空白時間帯を埋める取り組み、空荷の荷台を埋めて輸送につなげる取り組みは、様々なされてきた。専用輸送の場合、多頻度、少量輸送のニーズなどに押されて実現されないことも多かった。うまく協業をはかって欲しいと思う。 ファミマ、コカ・コーラと 海老名・厚木周辺240店舗で ITmedia ビジネスオンライン 2024年2月23日 ファミリーマート(東京都港区)とコカ・コーラ ボトラーズジャパン(同)は、神奈川県海老名市・厚木市周辺エリアで配送トラックの共同活用を2月上旬に開始した。「物流2024年問題」に向け、車両を有効に活用して配送効率を下げることなく、安定稼働を目指す。 ― (略) ― ヤマトは「物流2024年問題」と関係のないところで、短期の経営的な志向から、物流現場に混乱を引き起こしている。 2017年5月3日、ヤマトホールディングスが、2017年度にグループ全体の従業員を前年度比で約9200人増やすことが分かったと報じられた。正社員などフルタイムで働く従業員が約4200人、パートタイマーが約5000人。全従業員数は2017年度末に21万人となる。 2020年6月、ヤマトホールディングスは、新型コロナウイルス感染拡大で宅配便の取扱量が大幅に増えており、仕事の負担が重くなった従業員に報いる配達員らグループの従業員計約22万人に1人当たり最大5万円を支給したと発表した。 2023年6月、ヤマト運輸と日本郵便は、深刻化する物流のひっ迫に対応しようとメール便と薄型の荷物の分野で協業すると発表した。これに伴いヤマト運輸は、配達を委託している個人事業主・クロネコメイト約3万人との契約を2025年度末までに終了することを決めた。 2024年1月末、ヤマトは正社員ドライバーが十分ではない一方、個人事業主であるクロネコメイトとパート社員との契約を終了した。 東芝やダイハツの事例で明らかになったように、できないことを無理に進めると「モラルダウン」「不正」が増加する。宅配の模範生であったかつてのクロネコの姿はみえない。 〈ヤマト運輸・現場大混乱〉 「食中毒事故を起こしかねない」 「休憩時間は1分もなく、遅配連発で客に怒鳴られ…」 荷物を玄関先に放置するドライバーも …時間指定遵守率は驚異の10%以下に 集英社オンライン 2024年2月11日 日本郵便との協業に伴い、今年1月末に約2万8000人の個人事業主(クロネコメイト)とパート社員との契約を終了したヤマト運輸。一方で、本社に振り回されているのは正社員ドライバーも同じなようで……。 時間指定遵守率は驚異の10%以下に ヤマト本社の方針転換による、現場で働く人間の悲鳴を、集英社オンラインはこれまで5回にわたって届けてきたが、今回の取材では「CD」(クールドライバー)に関する杜撰すぎるシステムが明らかになった。 「CD」とは、従来、「集荷」「配達」「営業」を兼ねていたセールスドライバーが分業制となって登場したクール宅急便(低温度帯での管理が必要な荷物)専門のドライバーのことだ。 それにしても、ヤマト本社はなぜドライバーの役割を分業制にしたのか。都内のセンター(営業所)でセンター長を務める男性はこう語る。 「近年、クロネコDM便などの小型荷物の配送は、サービス単価も低く利益が出しづらい不採算部署になっていました。それが今回の“クロネコメイト・パート切り”というコストカットにつながったわけですが、本社はドライバーに関しても利益の効率化に躍起になってます。その結果が都内の一部の主管(エリア)で去年の8月ごろから始まったドライバーの分業制なんです」 しかし、これが現場からは批判の嵐だという。 「CDは配達遅延の多さが尋常じゃなく、他のドライバーの間では『運送業のあるべき姿として許されない』『システムが崩壊している』とも囁かれています。ヤマトは指定された時間どおりに配送できたかデータを取っていて、僕の知るかぎりで時間指定遵守率の平均は97%ほど。 お歳暮やおせちなどの配送が多くなる7月と12月の繁忙期ですら、90%を下回ることはありませんでした。それがCD発足当初は10%以下という数字を叩きだしたんです」(同) CDに関しては、集英社オンライン編集部にも利用者から多くの情報提供があり、「クール宅急便の午前指定を頼んだら夕方に来たことがあり、非常に迷惑だった」(都内23区・40代男性)といった声も届いている。 優しい人への配達は後回し なぜCDでこのようなトラブルが相次いでいるのか。前出のセンター長が言う。 「CDの同僚の話では荷物が多すぎるから時間指定を無視し、担当エリアを一筆書きのように回るしかないドライバーもいるようで、『あまりにも仕事が辛すぎる』と嘆いていました」 また、本社から辞令が下りて都内でCDとして働くようになった正社員のドライバーは怒りをにじませながら説明する。 「CDは配送エリアがとにかく広いから、時間指定を気にしていたら荷物を配り終えることができない。もともとヤマトは各地にセンターを構えていて、ドライバーひとりあたりの担当区域が狭いので、クール(宅急便)の時間指定にも対応できました。 それが分業制となり、クール専門となったことでCDはひとりで3〜4センターのエリアを担当しなきゃいけなくなった。範囲が広がればそれだけ荷物の数は増えるし、担当区域の端と端で、同じ時間指定を希望するお客さんも出てくる。 おまけに都内23区は、パーキングエリアにトラックを停めて台車で配達しないといけない場所が多い。なので、現場では『C表』が出まくってるんです」 C表とは時間指定の荷物を時間外に配達してしまった際に記録されるもので、多発すれば給料にも響いてしまう。このドライバーも当初は遅配をして届け先から怒鳴られる日々だったという。 「個人のお客さんから怒鳴られるのはもちろん、飲食店向け食材のクールが遅れるとランチ営業に支障をきたしかねない。飲食店のオーナーに『なんで遅れるの? 本当に困るんだけど!』と店前で詰められたこともありました。 だからCDたちは配達遅延にうるさいお客さんの時間指定だけは守り、優しい人は後回しにしてごまかしながら回っているのが現状。実際、私も午前指定が重なる日は、優しい人の家に午後3時に配ったこともありました……」 さらに、少しでも効率的に回れるようにと、荷物の「玄関先放置」をしてしまうこともあるという。これは「時間指定無視」「対応悪し」と並ぶ“ヤマトの三悪”のひとつと言われている。 「飲食店のシャッターが開く前に、軒先にクールを置いて配完(配達完了)にしてしまうドライバーもいるそうです」(同) 置き配に関しても編集部に情報が寄せられており、「勝手にクール宅急便が置き配されていて、中身が溶けていた」(新宿区・50代女性)、「エントランス外の駐車場にクール宅急便がしょっちゅう放置されていて、利用者はドライバーに文句を言うと『センターが集約化されて、朝から夜までの配達分を持ってくる必要があるのでしかたない』と返された」(都内23区・性別不明)という状況のようだ。 ― 引用終わり ―
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最終更新日
2024年03月07日 06時00分23秒
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