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2015/10/19

【がん情報】直腸がん　肛門残す手術：２　「ほぼ１００％、人工肛門」

テーマ：癌(3513)

カテゴリ：癌治療情報

朝日新聞「患者を生きる」の記事を引用し、私の意見・感想・気づきなどを述べさせていただいています。

≪2015年5月13日の記事≫
　おなかの調子に異変を感じた会社員のS.O.さん（４８）は２０１３年８月、札幌市内の病院で大腸内視鏡の検査を受けた。その２、３カ月前から、下痢と便秘を繰り返すようになっていた。

　前に大腸のポリープを切除したことがあり、当時の担当医に年１回の検査を勧められていた。しかし、仕事が忙しく、この日の内視鏡検査は３年半ぶりだった。検査を終え、医師は告げた。

　「おそらく、がんです。腫瘍（しゅよう）の位置は肛門（こうもん）の近くなので、ほぼ１００％、人工肛門をつけることになるでしょう」

　「がん」と聞いて、まずショックを受けた。それよりも深くS.O.さんの心に引っかかったのは、「ほぼ１００％、人工肛門」という医師の言葉だった。

　数日後、病院で改めて直腸にできたがんについて説明を受けた。

　「肛門を残すのは、ほぼ無理でしょう。仮に残しても、その後必ず便漏れなどの不具合が起きる。人工肛門をお勧めします」

　医師の話を聞き、がんの治療を受けることには納得したS.O.さんだったが、「肛門を残すのは無理」という部分だけ、受け入れる気になれなかった。

　「できれば自然な状態で、自分の力で排便したい。そう思いました」

　「大腸」「がん」「手術数」「肛門」「温存」――。インターネットの検索サイトにキーワードを打ち込み、何か新しい情報がないか懸命に探し続けた。すると、自分と同じようなケースでも、肛門を温存する手術をしている病院があることが分かった。

　国立がん研究センター東病院（千葉県柏市）の医師が書いた論文もネット上で見つけた。病変部とともに肛門を締める筋肉（肛門括約筋）の一部は切り取るが、肛門自体は温存できる「ＩＳＲ（括約筋間直腸切除術）」という手術法を図入りで紹介していた。

　「ああ、こういう治療法もあるんだと、希望が持てました」

　しかし、札幌の自宅から千葉県の病院までは遠く、片道４時間はかかる。それに、自分のがんが「ＩＳＲ」という新しい治療法の対象になるのかどうか、この時点ではまだ分からなかった。

写真：千葉県柏市の国立がん研究センター東病院。札幌の自宅からは、バスと飛行機で片道４時間かかる

（患者さんのお名前はイニシャル表記に変更させていただいています。）

　医者の言うことがすべてと考えず、ネットで探されて、別の選択肢に出会われたようです。症例が多い病気の場合、ネットで選択すれば色んな選択肢に出会う可能性は大きいです。昔は、ネット環境もなく、医者以外に頼るといえば、本か知人とかしかありませんでした。でも、それらは非常に限られたものでしたし、情報の鮮度もよくありませんでした。今は、ネットで最新の色んな情報が得られるので、これを利用しない手はありません。

　私の場合は、「後腹膜脂肪肉腫」で普通は両方の腎臓ともある患者さんなので、手術による切除が一般的です。ですので、ネットで別の選択肢は見つけられませんでした。

　セカンドオピニオンで「粒子線治療」の可能性があることを教えていただき、残っている腎臓を温存しての治療を選択することができました。

　セカンドオピニオンは、症例の少ない病種や、何か特殊事情（私のように、片方の腎臓がすでにないとか）がある場合位には、特に有効だと思っています。

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