テーマ:京都。(6076)
カテゴリ:若冲と応挙
【2021年8月29日(日)】
昨日、会の26日の月イチの集まりの記録は仕上げたので、今日は、会の出来ていなかったことを少しずつ進めました。散歩も行く余裕なく、終日PCに向かってました。 「若冲と応挙」の第39回です。二人の絵の比較の3回目です。 ◆第4章 若冲と応挙を比較してみる(続き) 4-1 絵を比べてみる(続き) 図1 若冲「百犬図」個人蔵(右は部分拡大) 図2 応挙「狗子図」敦賀市立博物館 「子犬」。図1若冲。毛の模様はそれぞれ違うし、色んな方向を向いていますが、目だけは同じ形をしています。可愛いいですが、どことなく不気味です。一匹だけ前を向いて立って、オチンチンを見せている犬がいます。分かりますか?左端の中央少し下です。 図2応挙。本当に可愛らしく、思わず抱き寄せたくなります。これも写生で様々な姿態を描き止め、子犬「らしさ」を全面に打ち出した結果でしょう。子犬の愛らしさをここまで魅力的に表現した画家はそれまでいませんでした。 「魚」。図3、図4若冲。水の中の視点で描いています。魚たちは同じ方向に泳いでいます。図4は以前の回でも紹介しましたが、蓮の花が水中に咲いていて、現実にはあり得ない世界が表現されています。図5応挙。水面の上から鯉を見ています。自然な泳ぎをしています。応挙の魚の絵は、水中からの視点のものは見たことがありません。日常の生活では、水面の上からしか魚を見ることがないためでしょう。 左:図3 若冲「群魚図(鯛)」動植綵絵 右:図4 若冲「蓮池遊魚図」動植綵絵(再掲) 図5 応挙「鯉魚図」 いずれも宮内庁尚蔵館 双幅の左幅 個人蔵 「雪」。図6若冲。若冲の描く雪は、以前の回で述べたように、かき氷にかける練乳のようなネットリ感が特徴です。胡粉が用いられ、「裏彩色」も使って、質感を出しています。図7応挙は、生地を塗り残すことで雪を表現しています。ですので、胡粉のように物理的な盛り上がりはないのですが、松の葉の描き入れの密度や、幹や枝の墨の濃淡で、ふわふわした雪の質感・立体感を見事に表現しています。 図6 若冲「雪中錦鶏図」動植綵絵(再掲) 図7 若冲「雪松図屏風」国宝(再掲) 部分 宮内庁三の丸尚蔵館 部分 三井記念美術館 次回も「絵を比べてみる」を続けます。その後、二人の生涯を比較した後、二人の作品を観覧できるところを紹介して、終わりにしたいと思います。 (続きます) ●前回はこちら ●次回はこちら よろしかったらぽちっとお願いします。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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