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カテゴリ:本
雨。
バイト。 昼食。松屋、麦とろ御膳。 立ち読み。 「日経エンタテイメント」の表紙、誰かと思えば森山直太朗。髪が短くなっていてわからなかった。 エリ足、長くない。清水ミチコのあのネタ、どうするのか。 帰宅。 三遊亭円生「書きかけの自伝」、読了。旺文社文庫。絶版。 本の前半分が自伝、後半分が松本幸四郎、宇野信夫らとの対談。 改名、襲名がめまぐるしく、誰が誰やら把握するのが大変。もし復刻するようなことがあったら、顔写真付きの注釈を載せて欲しい。 円生と志ん生の満州への慰問の話が傑作。 「八月二十二日になって、いよいよ進駐軍がやってきました、ソ連のね。そしてその晩から、これがほうぼうの家をぶちこわして入ってくる。強盗強姦、おかまいなしってやつです。こっちは強姦される憂いはないけれども、切られちゃたいへんだと――へへへ。」 「あたくしが竹槍を持って、志ん生が肉切り包丁を持つ。もし、ソ連兵が入ってきて、きのうこわしたガラスから首を突っこんだら、あたくしが竹槍で喉を、ダッと突く。それと同時に、志ん生が包丁で首を斬りおとすというわけです。」 「それから戦闘帽。それも廂があると軍人にまちがえられてもいけねえってんで、廂をとっちゃった。そうするとロシヤの帽子になるんですよ。これをかぶって、志ん生は紋付を着て、鞄をさげて、二人ではばかりの中で神妙に座ってた。」 「志ん生が一席はじめました。ところが、しばらくすると噺がパタッとやんじゃった。黙ってるんですよ。(あれ、どうしちゃったんだろう、忘れちゃったのかしらん)と思ってるとね、また噺をはじめたんで、やれやれと思っているとまた、パタッととまっちゃう。そして、しばらく黙ってる。」 あとで志ん生に聞いたら、ソ連兵がうしろから覗いて自動小銃を向けてくると。 「志ん生が紋付を着ていたからじゃないかと」「だからソ連兵の目から見たら、紋付の侍がみんなに何か言いきかせているみたいなんですね。落語とは思わない。」 自伝は昭和49年の御前口演のエピソードまで。昭和53年の落語協会脱退の話にまでは至らない。 昭和54年には亡くなる。 「書きかけの自伝」が書きあがることはなかった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005年07月09日 12時12分44秒
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