|
テーマ:立川流(83)
カテゴリ:テレビ その他
1日中、自宅。
昼から夜まで眠る。 テレビ。 「わたしが子どもだったころ」立川談春。 ハイビジョンではすでに放送済みのこの番組、ようやく地上波で放送してくれた。談春師がこの番組に登場すると知ってから、どれだけ楽しみにしていたことか。 有名人の子ども時代をインタビューと再現ドラマで描くこの番組は、噺と地の語りを行き来するかのようで、落語家の生理にはぴったりではないか。その期間が幼少期から入門までとなれば、「赤めだか」先史ともいうべきもので、面白くならないわけがない。 談春師がこの番組に出ることを知ったのは7月の横浜にぎわい座でだったが、番組冒頭に使われているのは、おそらく、そのときの「らくだ」だ。ちょうど取材に来ていたからそういう噺になったのか。子どものころ、どこの近所にもいた「あのひとのそばに寄っちゃダメだよ」というタイプのひとたちが若い衆として多くいた。というのが、そのときのマクラで語っていたことで、その環境が「らくだ」の人物描写の説得力となっている。そのあとのインタビューの場所も、にぎわい座の楽屋だろう。 もう1箇所、戸田競艇場でも談春師のインタビュー。わざわざ着物を着てのロケが妙な感じではあるが、これはおそらく、着物でないと、ただの競艇中継と見分けがつかなくなるからだと推測する。 ポケットに手をつっこんだまま競艇場の階段を転げ落ちてきたおじさん、「八百長だ!八百長だ!」って毎日言ってるおじさんなど、談春師本人から語られればすべてが一級の話芸だ。再現ドラマも含めて、競艇場でのエピソードはどれもこれも可笑しく、僕みたいにギャンブルに興味がない人間でも、たちまち、競艇場が魅力的な場所に思えてくる。この番組、DVD化して戸田競艇場で売ったらいいのに。 再現ドラマで、中学生のころの談春師を演じる清水貴紀という少年が、じつに絶妙な眉毛と鼻の穴。 中学の社会科見学で観た談志師匠に衝撃を受けるエピソードは「赤めだか」でも出てくるが、この寄席のシーンもにぎわい座で撮影している。しかし、ほかの寄席は無理だったのかもしれないけど、さすがににぎわい座では雰囲気が違いすぎるだろう。にぎわい座は寄席というよりもホールだ。知らないひとが観たらそうでもないかもしれないが、知ってると違和感がある。 寄席の出演者の役に、マジックの伊藤夢葉と、弟子のこはるさん。これは逆に、弟子だと知らないほうが違和感がありそうだ。 最後に談春師の言葉。「職人ていうのは、本当に腕があれば…、芸人でもなんでもいいですよね。ほんとに、人間なんか必要ないと思ってた。人間性なんてものは。だから落語家も、芸が良きゃいいんだろうと思ったの。ねぇ、馬鹿でしょう? サラリーマンより大変。芸は売るけど、でも、商品は、売り物は人間ですねぇ。芸のちからと、魅力っていうのは。超一流でいうと、芸のちからで一流にはなれるけど、超一流は、人間の魅力ですよね。つくづく思います。」 脚本・ディレクターは、「卒業プルーフ」の牛山真一。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009年10月19日 10時05分35秒
コメント(0) | コメントを書く
[テレビ その他] カテゴリの最新記事
|