「自然の物語に気付くために」(絵本の中の自然)
22日(土)の「気質の一日講座」がまだ定員に達していません。ご興味のある方は是非。10:00~16:00です。講義と簡単なワークをします。 参加費は5000円で、会場はJR茅ヶ崎駅の隣のビルです。大人だけです。お問い合わせは「こちら」まで。*****************どんな都会のど真ん中に暮らしていても、私たちの周りには自然がいっぱいあります。木で出来たイスやテーブル、毎日食べる食べ物、洋服の生地になっている木綿や麻やウールはもちろん自然由来です。化学繊維と言われるポリエステルでさえ自然由来です。もともと、ポリエステルの原料になっている石油も天然ガスもプランクトンなどの死骸によって生まれた自然由来ですから。「空気」もまた、植物が創り出したものです。昼間、窓を開ければ空が見えます。夜窓を開ければ、晴れていれば宇宙(星)が見えます。どこか遠くの方から流れてきた風も感じます。先日、「黄砂」が話題になっていましたが、あの黄砂を運んできた風は「遙か遠くの中国の内陸から海を越えたやってきた風」ですからね。このように、都会の中にも、家庭の中にも「自然」はいっぱいあるのです。ただし、その「自然」は「自然の物語」を読み解く事が出来る人にとっては「自然」ですが、読み解かれない人にとっては、ただの「物」や「現象」に過ぎません。そして、科学には「つながりによって支えられた自然」を「つながりから切り離された物」に還元してしまう働きがあります。その科学に依存して「自然と共に生きる生活」を捨ててしまった現代人は、その「自然を読み解く能力」も失ってしまいました。その結果、自然が荒廃し、それが人間の生活を脅かすまでになってしまいました。それでも人間は、「自然」を取り戻すのではなく「科学の力」でなんとか乗り越えようとしています。でも、このままでは事態はもっと悪化していきます。今人間に必要なのは、「科学で自然を支配する方法」ではなく、「科学と自然が共存する方法」なんです。そんな、「自然のことを忘れてしまった現代人」に、自然を読み解く手助けをしてくれるのが「絵本」や様々な「物語」です。自然の中には「水の物語」「虫の物語」「鳥の物語」「土の物語」「音の物語」「木々や草木の物語」、そしてそれらをつなぐ「生命の物語」があります。「地球の物語」、「宇宙の物語」もあります。また、そういう自然と関わりながら生活をしている人たちもいます。そして、そのようなことを題材とした絵本や物語がいっぱいありますので、日頃からそのようなものを子どもに読み聞かせていると、お母さんも子どもも、「自然の物語」を読み解く方法が分かるようになって来ます。また、大人よりも子どもの方が「自然の物語」を読み解くのが得意です。子どもは、そのような「物語」に飢えているからです。宮沢賢治の童話は絵本などはおすすめですが、他にも素敵な絵本がいっぱいあります。たとえば、「ねっこぼっこ」 ジビュレ・フォン オルファース (著) 秦 理絵子 (翻訳)さあおきなさいこどもたちもうすぐはるがやってくる…。ねっこぼっこは土のなか、大地のかあさんといっしょにすんでいます。うきたつ春、かがやく夏を楽しんで、こがらしふくと、かあさんのもとへともどります。美しい四季のめぐりを愛らしい小さなものたちとともに見つめるオルファースの代表作。 (「BOOK」データベースより)ねっこぼっこ [ ジビュレ・フォン・オルファース ]「ぽとんぽとんは なんのおと」 (こどものとも傑作集) 神沢 利子 (著), 平山 英三 (イラスト) あなの中で冬ごもりしている熊の坊やが、お母さんに尋ねました。「ぽとんぽとんってなんのおと?」春を待つ熊の母子の交流と、季節の移り変わりを暖かい言葉と絵で描いた絵本です。(amazonの紹介分です)ぽとんぽとんはなんのおと (こどものとも傑作集) [ 神沢利子 ]いわむらかずおさんの「14ひき」のシリーズも楽しいです。14ひきのネズミの家族の話ですが、自然の中での四季折々の風景や出来事がとても素敵な絵と共に描かれています。うちの子も大好きで、ほとんど全部揃っています。一時は毎晩読んでいました。14ひきのぴくにっく (14ひきのシリーズ) [ いわむら かずお ]「わたしとあそんで」 マリー・ホール・エッツ (著, イラスト), よだ じゅんいち (翻訳) 朝露が光る原っぱにとびだした女の子。バッタや、カエルや、カメや、リスに、「あそびましょ。」と話しかけますが、みんなどこかへ行ってしまいます。ところが、だれも遊んでくれないのでつまらなくなった女の子が、池のそばに腰かけてじっとしていると…。小さな女の子と小さな動物たちとの出会いと交流が、このうえなく優しく、あたたかく描かれた絵本。(amazonより)わたしとあそんで (世界傑作絵本シリーズ) [ マリー・ホール・エッツ ]絵本ではありませんが「森へ 」(たくさんのふしぎ傑作集) 星野 道夫 (著, イラスト)南アラスカに広がる原生林。氷河が後退したあと、気の遠くなるような時間をかけて育ってきた森です。巨木のたちならぶ森の中は夕暮れのように暗い世界。見わたすかぎりの木々、そして地面も岩も倒木も、びっしりと緑のコケにおおわれ、森全体がひとつの生きもののようです。誰かが通ったふみあとをたどって森へ入っていくと、……大きな足跡を見つけました。なんとその道の主はクマだったのです! 森を流れる川には、たくさんのサケが産卵しにのぼってきます。産卵を終え、川岸にうちあがったサケは、さいごには森の自然の栄養となります。森のいのちは受け継がれていきます。年老いて倒れたトウヒの巨木から栄養をもらって、つぎの世代のトウヒの種子が小さな芽をだします。倒木の上に一列にならんで成長していくのです。密生する枝にかくれて、朽ち果てようとしているトーテムポールがありました。昔この森でくらしたインディアンがたてたものです。彼らがこの森を去ったあと、トーテムポールはまた森へかえろうとしています。??原生林をひとりで歩いた写真家の星野道夫さんが、森のいのちと果てしない時間の流れについて語ります。森へ (たくさんのふしぎ傑作集) [ 星野道夫 ]というものもあります。amazonの紹介分には「自分で読むなら:小学中学年から」と書いてありますが、写真を見ながらお母さんが読み聞かせをしてあげるなら3才頃からでも大丈夫だと思います。他にもここには紹介しきれないほど、色々なお話や絵本や童話があります。是非、図書館に「自然」を探しに行ってみて下さい。また皆さんの「お勧め」がありましたら、お教え下さい。