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『舟を編む』 三浦しおん(著) 光文社文庫 2015年3月20日 出版社、玄武堂で新しい辞書『大渡会』を編集する、馬締光也(まじめみつや)と編集に関わる人々の、長いながい航路の物語。 2012年本屋大賞第1位。 目次 舟を編む 謝辞 解説 平木靖成(岩波書店 辞典編集部) 巻末特典 馬締の恋文 全文公開 P34 「辞書は、言葉の海を渡る舟だ」 魂の根幹を吐露する思いで、荒木は告げた。「ひとは辞書という舟に乗り、暗い海面に浮かび上がる小さな光を集める。もっともふさわしい言葉で、正確に、思いをだれかに届けるために。もし辞書がなかったら、俺たちは芒漠とした大海原をまえにたたずむほかないだろう?」 「海を渡るにふさわしい舟を編む」 P268 なにかを生みだすためには、言葉がいる。岸辺はふと、はるか昔に地球上を覆っていたという、生命が誕生する前の海を想像した。混沌とし、ただ蠢くばかりだった濃厚な液体を。ひとのなかにも、同じような海がある。そこに言葉という落雷があってはじめて、すべては生まれてくる。愛も、心も、言葉によって象られ、昏い海から浮かびあがってくる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年12月15日 23時07分33秒
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