テーマ:日本航空(6)
カテゴリ:航空事故
2024年1月2日、東京国際空港(羽田空港)に着陸した日本航空516便(エアバスA350-941)と「離陸待機中」だった海上保安庁の航空機(デ・ハビランド・カナダ DHC-8-Q315 (MA722))が滑走路上で衝突した。日本航空においては1985年の日本航空123便墜落事故以来、38年5ヶ月ぶりに発生した機体全損事故となった。エアバスA350は世界初の機体全損事故となった。 《JAL機炎上事故》 現役管制官が緊急告発 「事故が起きた羽田空港C滑走路は離着陸兼用の“異常”な運用だった」 2024年1月9日 文春オンライン 1月2日に羽田空港(東京都大田区)でJAL機と海上保安庁の航空機が衝突した事故を巡り、現役管制官が「 週刊文春 」の取材に応じ、「事故が起きたC滑走路は“異常”な運用と言える」などと語った。 食い違う国交省と海上保安庁の主張 1月2日午後5時50分頃、JAL516便が羽田空港のC滑走路上に着陸しようとしたところ、滑走路に進入していた海保機と衝突し、炎上した。JAL機の乗員乗客379人は全員機体から脱出したものの、海保機は機長を除く5人の死亡が確認された。 海保機が滑走路に進入した経緯について、国交省側が「管制官は進入の許可を出していない」とする一方、海保庁側は「管制官の許可がなければ進入しない」とするなど、両者の主張は食い違っている。また、管制官が、誤進入の検知を知らせるモニター画面上の注意喚起を見落としていた可能性も指摘されている。 「混雑ランキング1位の空港も離発着の滑走路は別」 そうした中、現役管制官が「週刊文春」の取材に対し、事故が起きた羽田空港のC滑走路について以下のように語った。 「羽田空港にはA~Dまで4本の滑走路があります。事故当時は北風が吹いていましたが、この場合、B滑走路は使用せず、A滑走路が着陸、D滑走路が離陸専用となる。ところが、C滑走路は常に『離着陸兼用』の運用なのです」 「羽田のC滑走路は“異常”な運用」 一般的に、1本の滑走路に対し、1人の空港管制官が状況に応じて、着陸や離陸の優先順位を決める。だが、C滑走路の管制官は離着陸の双方を指示しなければならない。英航空情報会社の混雑空港ランキング(2023年)で羽田空港は世界3位だが、中でもC滑走路は日本一離着陸を繰り返している滑走路。それだけに、管制官の1人当たりの担当機数も尋常ではないという。 「混雑ランキング1位のアトランタ空港、2位のドバイ空港はもちろん、関西国際空港も離着陸ごとに滑走路を分けている。そうした実態を踏まえると、羽田のC滑走路は“異常”な運用と言えます」(同前) ― 引用終わり ― 事故当日夜にみずなぎ1号の機長は海上保安庁に対し離陸の許可を得た上で滑走路に進入したと説明したが、事故翌日に公表された両機と管制塔との交信記録によれば、事故前に海上保安庁側に滑走路に入る直前の停止位置までの進行指示が発出され、海上保安庁側も復唱していたものの、滑走路への進入許可は発出されていなかった。JAL機は着陸に際してみずなぎ1号を視認できておらず、みずなぎ1号が停止位置を誤ったか、「ナンバー1」というJAL機着陸後の離陸順の指示を離陸の許可を得たものと勘違いした可能性がある。一方、JAL機は17時43分に滑走路への進入指示を受けていた。その後、着陸許可も出された。 現時点でこれらのいことが判明しているが、事故原因は運輸安全員会と警視庁が調査中。 炎上した機体は、消防車100台以上の体制で消火活動が行われた。海上保安庁は巡視艇や特殊救難隊を出動させたほか、東京消防庁は総勢115隊が出動し、災害派遣医療チーム・DMATも派遣された。 羽田空港 衝突事故1か月 2024年2月2日 NHK 羽田空港の滑走路で海上保安庁の航空機と日本航空の旅客機が衝突して炎上した事故からきょうで1か月です。双方の機体の消火活動にあたった消防への取材から、日本航空機は左側のエンジン付近から火が燃え広がっていたことが新たにわかりました。 1月2日、羽田空港の滑走路上にいた海上保安庁の航空機と、着陸した日本航空の旅客機が衝突して炎上した事故では、海上保安官5人が死亡、1人が大けがをしました。 また、日本航空は2日、羽田空港で起きた衝突炎上事故で、新たに乗客1人が足にけがをしていたことがわかり、今回の事故で医療機関を受診したのは乗客合わせて16人になったと明らかにしました。 ― 引用終わり ― 羽田空港の衝突事故で、着地変更となった旅客の受入れに各公共交通機関が公共性の使命を任じて、混乱を最小限に収めるべく数々の努力をしたことが下記の記事で明らかにされた。 運転士手配から関係各所の連絡まで連携プレー 渡部 史絵 : 鉄道ジャーナリスト 著者フォロー 2024/02/20 4:30 2024年1月2日、東京の羽田空港で大きな事故が発生した。着陸した新千歳空港発のJAL機が、離陸を準備していた海上保安庁の航空機と、滑走路上で衝突した。JAL機の乗員乗客は、速やかに脱出し全員無事だったが、海上保安庁の乗員6人のうち5人が死亡した。 年始の繁忙シーズンということもあり、空港は大パニックとなってしまった。滑走路が閉鎖され、この日は事故直後から、国内便のすべての出発便が欠航となった。また到着機はダイバート(着地変更)となり、近隣の中部国際空港、成田空港、茨城空港に向かった。 … (略) … そんな中、JR東海がネット上でこんな発信をした。 混雑が予測されるため、臨時「のぞみ号」を運転します――。 発車時刻を確認すると、最終の「のぞみ」が出発した後の東京駅21時42分発と、新大阪駅21時50分発だという。両列車ともグリーン車以外の普通車は全車自由席のようだ。 東海道新幹線が、終電後に臨時列車を走らせることは非常に珍しく、しかも日付を超えて運行することは、過去にもあまり記憶にない。東京駅からの各線の終電も、調整が必要になるだろう。 この日は東海道新幹線ばかりか、JR東日本の成田線の終電繰り下げや、京成電鉄の深夜25時00分発のアクセス特急上野行きなどの臨時列車も追加運転され、鉄道駅のない茨城空港では、関東鉄道バスを中心に7便(約310人)の輸送が行われた。 中部国際空港の対応でも、名鉄で臨時列車が運行され、そのほかの鉄道でも都市間輸送や空港アクセスを担う鉄道やバスが、臨時や増便対応する勇姿が見られた。 実際どのような要請で、臨時輸送が行われたのか。深夜の日本各地で行われたダイバートに伴う緊急対応について、臨時対応を迅速に行った事業者の中から、数社の交通事業者を取材した。 ― 引用終わり ― 京成電鉄は夜中の25時00分に、成田空港発の臨時アクセス特急を運行した。 関東鉄道は茨城空港から臨時バスを運行した。 東海道新幹線はダイバート当日に運行した臨時2本とは別に、翌日も運行計画とチケット販売状況、列車や乗務員などの手配などを総合的に検討し、4本の臨時列車を運行した。 様々な調整、事前準備を経て、安全に多くの臨時便が運行されたことに敬意を表す。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年03月05日 06時00分20秒
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