テーマ:倉庫・運輸(145)
カテゴリ:物流 ロジスティクス
多くの経済活動に物流は密接にかかわっている。物流はモノづくり、販売からアウトソーシングされる仕事であり、安ければ安いほどよいとされてきた。 「物流 2024年問題」とは2024年4月1日から、トラックやバス、タクシー運転手の時間外労働に上限が設けられることで生じる諸問題。政府の推計で、対策を講じなければ、輸送力は24年度に14%、30年度に34%不足するとされた。 働き方改革関連法は2019年4月に施行されたが、運送業、建設業、医師は適用が5年間猶予されていた。 したがって、2024年問題は建設、医療も物流分野と同様に供給不足が生じる可能性が論じられてきた。 異動、進学、就職が重なる4月の引っ越しについては、10年以上前から困難、他の時期に比べて高騰が語られてきた。3月中の引っ越しを断念し4月に引っ越しする者も増えていた。 2024年4月1日以降、この時期に引っ越しすることの困難がさらに増すことになる。 3月分100件断った業者も …「2024年問題」で人手不足に拍車 読売新聞 2024年4月1日 転勤や進学などの転居が希望した日にできない「引っ越し難民」が今春、各地で深刻化している。運送業界の人手不足が顕在化した数年前から問題になっていたが、今年は、新型コロナの5類移行で人の動きが活発になったことに加え、新年度開始に伴う「2024年問題」も拍車をかけている。(土谷武嗣) 直前の決定で大忙し 大阪市西区の引っ越し会社「アップル大阪本社」。3月下旬、コールセンターに依頼の電話がひっきりなしにかかり、担当者が対応に追われていた。土日と年度末が重なった3月30、31日はピークで、1か月前には予約が埋まり、同月分の依頼だけで約100件断ったという。同社の小櫃誠・統括部長は「今年は例年以上に申し込みをいただいているが、確保できるドライバーには限りがある。申し訳ないが、断らざるを得ない」と語る。 3月に大阪市内から単身で東京都内に引っ越した会社員女性(26)は、会社が指定した業者に申し込んだものの、荷出しの日時は指定できず、時間が決まったのは数日前。それも午前8時の早い時間を指定されたという。 … (略) … 4分の1以上が3〜4月に集中 「引っ越し難民」という言葉が、広く使われるようになったのは2018年頃だ。インターネット通販の普及で宅配荷物量が急増し、運送業界で人手不足が顕在化し始めた時期と重なる。 国土交通省によると、年間の引っ越し件数の4分の1以上が3〜4月に集中している。企業の異動や進学が重なるためで、同省は19年、経済団体を通じ、企業にピーク時の引っ越しを避けるよう初めて呼びかけた。 その後、一部の企業で異動時期をずらす動きが出ているが、それでも繁忙期であることは変わらない。 さらに今年は、コロナを理由に昨年まで抑えていた異動を再開する企業があり、関西圏で引っ越しを請け負う「レジェンドサービス」(大阪府東大阪市)の担当者は「大手の引っ越し会社に断られた会社員からの申し込みが例年以上に増えている」と話す。 料金も値上がりしている。名古屋市のエイチームライフデザインが運営する見積もりサイト「引越し侍」の調査では、今年2月の家族連れの平均料金は12万8571円で、前年から13%増加。5年前と比べると28%も増えた。 担当者は「ドライバーの人手不足に加え、燃料費の高騰も影響し、料金相場は上昇傾向にある。ピークの3〜4月はさらに値上がりしているようだ」とする。 鉄道・船舶に切り替え 1日に始まった運送ドライバーの残業規制も、運送各社にとって悩みの種だ。残業時間の上限が年960時間に規制され、違反すると会社側に罰則が科される。 1人当たりの労働時間が減るため、運送会社にとっては受注する仕事を減らすか、ドライバーを増やす必要があり、いずれにしても経営への打撃となる。特に運転時間が長くなりがちな長距離ドライバーの確保が難しくなっているという。 業界では、長距離便を鉄道や船舶の輸送に切り替える動きが出ており、業界大手「サカイ引越センター」(堺市)も今年1月、東京都にあるJR貨物の物流施設に倉庫を借り、鉄道輸送を活用している。 ― 引用終わり ― 「運賃が上がらないと、どうすることもできない」と言っている物流会社もあるらしい。 少々日当を上げたくらいでは片付くはずもない人口構成の問題であることに考えが及んでいない。 無理な納期、無理な業務量に対し、ヒトに無理をさせて対応してきた。 「できないことをできない」と言わない態度が問題の根底にあり、法令順守は二の次、無法者の新規参入者がいるので、構造改革がいっこうに進まない。 物流会社もため息 …“2024年問題”対策しようにも難しい現実 日刊SPA! 2024年3月3日 今年4月からドライバーの労働時間に上限が設けられる。ドライバーの過重労働を軽減する目論見がある一方、賃金減少や離職、それに伴う物流の混乱が予想される。改革を前に、当事者は今何を思うのか? 現場の声を拾った。 ◆運賃安すぎ問題。30年間値上げなし、適正運賃無視の現実 九州で物流会社を営む松村忠彦さん(仮名・52歳)は、「4月からの時間外労働の上限規制は、あまりにも現場の実態と乖離している」とため息をつく。 松村さんの会社は20台近くのトラックを所有、地域で水揚げされた魚介類を九州から関西まで運送する。 「運賃は片道約15万円。高速代、燃料代、ドライバーの人件費などの経費を差し引き手元に残るのは約7万円程度です。帰りは水屋と呼ばれる業者から荷物を斡旋してもらい九州方面に運送しますが、この運賃は復路の経費で相殺され利益はほぼゼロ。会社を運営する上ではカツカツですね」 ドライバーの有効求人倍率は2倍超えと、常に人手不足の状況。「入社してもすぐ辞めてしまう人も多い」と、松村さんは言う。 ◆「無理な納期に対応しようとすれば、危険な状況になりかねない」 現在は月曜朝に九州を出発し火曜朝に関西に到着。水曜には会社に戻ることが可能だ。しかし、時間外労働の上限規制内で運送しようとすると、目的地への到着が1日遅くなる試算だ。 「対策として一台のトラックに2人の運転手を乗せれば、上限規制をクリアしつつ、今までのスケジュールで運搬が可能です。ただ、運賃が据え置きのままだと2人体制は現実的ではありませんね」 燃料費をはじめ経費は年々増える一方だが、30年以上運賃は上がっていない。 「国土交通省は距離に応じた適正運賃を定めていますが、うちのように守られていないケースも多い」 ― 引用終わり ― お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年04月13日 06時00分11秒
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