テーマ:自動車・交通(1697)
カテゴリ:自動車メカ、部品
UPP(Unitized Power Package) 各メーカー縦置きエンジン前輪駆動のレイアウトも いろいろあるが、もう一つの前輪駆動の大きな流れが 米国・ゼネラルモーターズ(GM)にあった。 時はミニ(1959年)とフィアット128(1969年)に 挟まれた19966年。 世界一の自動車メーカーのGMからとても伸びやか なスタイルのオールズモビル・トロネードが発売され た。 V型8気筒エンジンとトランスミッションを平行に 配置して縦置きした前輪駆動。 名付けて「ユニタイズド・パワー・パッケージ」 (Unitized Power Package:UPP)。 エンジンとトランスミッショを一体化してエンジン ルームに搭載し、同種の後輪駆動車よりも小さくまと まっていた(十分大きいが)。 この方式は利点は、GM内の他部門における後輪 駆動車向けトランスミッションを共用できること。 トロネードをオートマチックトランスミッション 専用車とする事で、エンジンとトランスミッションを つなぐチェーンドライブ部分の構造を簡素化し、後輪 駆動車よりはるかにコンパクトなパワーユニットを 実現した(大排気量なので十分大きいが)。 トロネードの開発過程で生み出されたのが、大容量 のターボ=ハイドラマチック(Turbo-Hydramatic) 400型3速オートマチックトランスミッション。 スペース上の理由(デザイン上の制約)からトロネ ードは通常の不等長ダブルウィッシュボーンと共に トーションバー・スプリング式の前輪サスペンション を採用した。 前輪駆動方式は、エンジンとトランスミッションを 一体化することによる生産性の向上とプロペラシャフ トを排除することで車室の床を低くし、全体に低く伸 びやかなシルエット(長く、幅広く、滑らかな曲線) を実現させることにあったのでは、と推測させる。 時はGM車のデザインを牛耳るビル・ミッチェルの 全盛期だ。 トロネードと同様の前輪駆動方式は1973年-78年 までのGMCのミニバン、1967年以降のキャデラック・ エルドラド、1979年以降のビュイック・リヴィエラ で採用された。 大排気量エンジンを積み、大きいの車体のアメ車が FFであることは、マニアしか知られていなかったよう に思う。 1986年にトロネードは小型化され、V6横置き式に 全面変更された。 V8縦置きのUPPの終焉。
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最終更新日
2019年07月02日 22時31分48秒
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