テーマ:ボーイング(7)
カテゴリ:航空事故
2020年12月4日、那覇発東京国際空港行きの日本航空(JAL)904便(777-200)が離陸直後に左エンジンに不具合が発生し、那覇空港へ緊急着陸した。着陸後の点検で左エンジンのファンブレード2枚の脱落やエンジンカウルの損傷などが確認され、国土交通省は重大インシデントに認定した。 2021年2月20日、デンバー発ホノルル行きユナイテッド航空328便(777-200型機)の右エンジンナセルがカウリングを含めて全て脱落、部品を地上に撒き散らし、デンバー空港に引き返した。 日本航空機同様、同機のエンジンがプラット・アンド・ホイットニー PW4000だったため、国土交通省は同一仕様の全ての777について運行を停止するよう日本航空と全日空に指示した。 当局の飛行禁止措置が発令されたことを踏まえ、JALでは、2021年3月をもって当該機を全機を退役させる方針を決定した。 飛行禁止措置が解除されていないため、退役後も国内の各空港に駐機されていた。 ファンブレードの破断防止のために、従来行ってきたファンブレードの内部亀裂を発見するための検査に加え、さらに小さな亀裂を発見できる新開発の検査を追加実施し内部亀裂を確実に発見することで、破断する前にファンブレードを交換できるように追加対策を行った。これらの対策について、製造メーカーおよび航空局と十分に協議を重ねた、回送運航の実施について十分な安全が確保されていることを確認され、回送運航が認められた。 2021年12月16日、JALはボーイング777-200「JA773J」の回送運航(那覇空港から中部空港)を開始した。2021年2月から航空局の指示により飛行禁止となっていた機体のうちの1機で、約10か月ぶりに空を飛んだ。 運航停止が解除されないと、日本から海外への売却や解体に伴うフェリー便、または定期便の運航はできない。 2022年3月18日、国は、運航停止としていた、PW4000を搭載する777型機について、エンジンカバーの改修など再発防止策の実施を条件に、運航再開を認めることとした。 2022年3月18日 NHK … (略) … おととし12月、日本航空のボーイング777型機が飛行中、エンジンカバーの一部がなくなり、尾翼に穴があくなどして、那覇空港に緊急着陸するトラブルが起きました。 去年2月にはアメリカでも飛行中だった同型機のエンジンが損傷して住宅街に部品が落下していて、国土交通省は国内の航空会社に対し、同じエンジンを搭載するボーイング777型機の運航停止を指示したほか、海外の航空会社に対しても日本への乗り入れを停止しました。 エンジンの損傷は、内部の「ファンブレード」と呼ばれる羽根が疲労破壊によって折れたことが原因の可能性があり、国土交通省は、アメリカの航空当局やエンジンの製造メーカーと協議した結果、エンジンカバーの改修のほか、超音波によりエンジン内部の亀裂や損傷を確認する検査など再発防止策の実施を条件に、運航再開を認めることを決めました。 改修や検査を行う航空各社の体制が整いしだい、運航は再開される見通しです。 ― 引用終り ― JALはP&W製エンジン搭載のボーイング777型の全機を退役させた。機体は国内に残っている。
ANAは、P&W製エンジン搭載のボーイング777型は17機。2021年度中に2機退役し、2022年3月末時点で15機とする計画を発表している。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022年04月02日 16時00分07秒
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