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カテゴリ:記憶科学
今、世界中で意識の研究が盛んに行われている。
YouTubeで検索すると数えきれないほどの動画上がってくる。 しかし、現状のままでは、いつまで経っても何も分からないと私は断言出来る。 意識の研究をする前に、認知システムが進化して言語が生まれるメカニズムを知る必要があるからである。 この宇宙は、連続する波動が蓄積して生成される混沌からの離散化で誕生し、その後も同じ動的メカニズムにより、生命そして人間が誕生している。 言語のメカニズムを理解する事は、この宇宙の歴史における三つ目の誕生の謎を解く事に繋がり、同時にその前の二つの誕生の理解に示唆を与えてくれる。 一般的に、意識の研究における「Consciousness」というのは、人間の主観的な自己意識であるようだが、これが確立される迄の「混沌からの離散化の歴史」を紐解く事で、三層の離散化された時空間に渡り複雑に絡み合っている自己意識を理解する事が出来ると私は考えている。 意識の研究において最も重要な事は、言語というのは認知システムの自動的な記憶喚起から進化して、特殊な記憶の生成と喚起のメカニズムが完成したことによって確立されたという事。 更に、宇宙と生命の誕生と進化も、記憶(言い換えると自己同一性)の進化の歴史の上にある。 「記憶/自己同一性」を研究する上で最も難しいことは、これを単位という枠組みで捉えることができないという事。 我々の記憶は、脳という神経細胞が集まった器官を通して生成、維持、そして喚起されることは分かっているが、脳細胞を一つの単位として、脳細胞の活動を研究しても何も分からない。 「記憶」というと、一般的には「認知システムを構成する一つの機能」という理解がなされているが、これは記憶の一面に過ぎない。 記憶というのは「自己同一性の確立、維持、そして進化」と言い換える事が出来るが、これは我々の宇宙の誕生のメカニズムでもある。 「記憶/自己同一性の確立、維持、進化」によって誕生した宇宙は、そこから始まった宇宙の進化の歴史の中で、二つの新たな次元の記憶の誕生を迎える事になる。 それは、物質から進化した認知主体としての生命の誕生と、人類の個体であるヒトの認知システムが進化して誕生した人間の誕生である。 我々の行動の大部分は記憶によって構成されている。 だから、特に哲学者は「自由意志があるかないか」の不毛な議論をやめて、この宇宙のあらゆる存在は、記憶と言う自己同一性の誕生と維持、そして進化によって成立している事を知って欲しい。 それが新しいパラダイムシフトに繋がるからである。 西洋哲学の「自由意志」と言うテーマの最大の問題は、人間の意志が自由であるかを議論する前に認知主体の意志がどの様にして生まれたのかの考察が完全に抜け落ちている点である。 自由意志は、西洋の一神教の宗教文化の下、人間の意志か神の意志かを議論する為に生まれたと言うのが私の考えである。 私は、この宇宙に存在するあらゆる存在、物質的な存在、プロセスと言う存在、そして抽象的な思考と言う存在が、記憶と言う自己同一性の誕生、維持、そして進化の循環サイクルによって支えられていると考えている。 つまり、記憶を基礎とした新しい存在論の必要性を提唱する。 私も、生物認知的な時空間が、離散的な順序と言うプロセスと言う存在であると理解する迄、かなり時間がかかった。 プロセスの離散性は、「記号の離散性」から発想を得ている。 プロセスの離散性について、ダーウィンと議論できたらなと思う。 これは、離散的な記憶の存在論の核心部である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.06.13 17:25:22
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