テーマ:自動車・交通(1690)
カテゴリ:自動車メカ、部品
タカタ株式会社は、エアバッグの欠陥を長い期間認めようとせず、大々的なリコールを招いた。 経営はいっこうに事態の責任を取る姿勢を見せず、ガバナンス、危機管理への対処についての悪例となった。 結果は経営破綻。 いまだタカタのエアバッグ関連のリコールは続いている。 Ryan Beene 2019年12月5日 Bloomberg エアバッグの大量リコールで経営破綻したタカタは、エアバッグインフレーターの不具合のために米国で新たに自動車140万台のリコールが必要になると米運輸省道路交通安全局(NHTSA)に報告した。 ― 引用終り ― 当のタカタとその従業員はどうなっているのか気になり調べる。 2008年 エアバッグで膨張ガスを発生させるインフレーター関連の不具合が相次いで判明。 米国とマレーシアでは破裂したインフレーターの金属片により死亡事故が発生。 11月、断続的にリコール開始。 2014年 11月時点のリコール対象車累計は1,700万台。 2015年 11月、米国・国家道路交通安全局(NHTSA) は、タカタのエアバッグの欠陥を企業の不祥事と位置づけ、同社が適切なリコールや情報開示を実施せずにアメリカ国内で被害を拡大した、として最大2億ドル(約240億円)の民事制裁金を科すと発表。 タカタと自動車メーカーに対し、2019年末までにエアバッグの修理を完了するように命じた。 2017年 6月26日、エアバッグのリコールで最終的な負債が1兆円を超える見通しとなり、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請。 国内の製造業で戦後最大の経営破綻となった。 タカタ本体はリコールの原因となった硝酸アンモニウムを使ったインフレーターの製造・販売事業を残した。 他の事業は中国の寧波均勝電子の100%子会社である米国のキー・セイフティー・システムズに譲渡された。 7月27日、上場廃止。 2018年 4月11日、キー・セイフティー・システムズがタカタの事業買収を完了。 ジョイソン・セイフティ・システムズに改称。 5月23日、民事再生計画の認可決定。 6月21日、タカタ株式会社の商号をTKJP株式会社へ変更。 職場、従業員は破綻しなかった。 戦後最大規模の破綻でも 奥 貴史 日経ビジネス記者 2019年5月13日 日経ビジネス …(略)… 遅すぎた売却 タカタは結局、製造業として戦後最大規模の破綻後、米自動車用安全部品メーカーのキー・セイフティー・システムズ(KSS)に約1700億円で買収された。 KSSは中国の寧波均勝電子が親会社で、事実上、中国資本に買収されたとも言える。 明らかに「手遅れM&A」といえる。買収交渉関係者の間では「もっと高く身売りする方法はいくらでもあった。 重久氏のメンツが会社を追い込んだ」との見方が多い。 ただ、残っている社員がどうなっているかと言えば、「待遇も働き方もほとんど変わっていない。重久氏の側近も駆逐されずいいポストに残っている」と今もタカタ社員と交流が続くOBは証言する。 「腹は立つけどいないと困る」 というのも、米国でのリコールが問題になって破綻に追い込まれた同社ではあるが、実は国内は「超」がつく優良事業。 日本に限れば高い技術力とライバルの少なさから「腹は立つけど、実際に倒れてもらっては困る」(ホンダ関係者)と、仕事は減らなかった。 また、自動車の開発は販売までに5年以上の期間をかけることもざら。 エアバッグをどうするかは設計の初期段階で話し合われ、その後のエアバッグ供給元の変更などは事実上不可能だ。 そのため、今はまだリコール問題が大騒ぎになる前に決まった受注でやっていける状態が続いているようだ。 一連の騒動で転職者が増え人数が既に減っていたため、「買収されてから特段のリストラもない」と現役社員は話す。 「だから拍子抜けするほど前と何も変わっていない。何をするにもいちいち米本社の決裁を仰がなくてはいけなくなったのは煩わしいが、正直転職しないでよかった」(同) 売るべき時に売り遅れても、本当に卓越したビジネスモデルを持っていれば、売却後も社員が「平和」でいられる場合もある、というわけだ。 ― 引用終り ― タカタは未知の技術開発に取り組んだ姿勢のほかにはビジネスモデルは褒められるものはなかった。
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最終更新日
2020年03月02日 06時00分07秒
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