テーマ:注意!流行中の感染症(188)
カテゴリ:感染爆発
スペイン風邪(A型インフルエンザ、H1N1亜型インフルエンザウイルス)は、その猛威で第一次世界大戦の終結を早めたとする説がある。 インフルエンザウイルスは人間が免疫をもっていない形態に変異するため凡そ30年に一度、誰も免疫をもっていない新型ウイルスが発生し大流行するとされる。 人々の国境を越えた動きを止めることができない世界大戦下、感染は瞬く間に世界中に広がった。 世界大戦での戦死者は1500万人。 スペイン風邪の死者は2000万人以上とされる。 スペイン風邪の名は、世界大戦時に中立国で情報統制がされていなかったスペインでの流行が大きく報じられたことに由来する。 その起源には諸説あり定かでない。 第1波は1918年3月にアメリカのデトロイトやサウスカロライナ州付近などで最初の流行。 米軍の欧州進軍と共に大西洋を渡り、5月から6月にヨーロッパで流行。 第2波は1918年秋にほぼ世界中で同時に発生。 日本では1918年10月に大流行が始まった。病原性が強まり重篤な合併症を起こし死者が急増した。 第3波は1919年春から秋にかけ世界で流行。 スペイン風邪は他のインフルエンザと異なり、夏から秋にかけて大流行を繰り返した。 流行当初に医師・看護師の感染者が多数発生し医療体制が崩壊したため、感染被害が拡大した。 1921年7月の収束までに感染者2380万人、死亡者39万人。 当時の人口は現在のほぼ半分の5500万人。 収束には徹底した集会規制などの対策の義務付けが効果的だったとされる。 だが、死亡率の低下を受け対策を解除した途端、新たな集団感染が始まった。 対策は徹底的に、継続しなかればならない。 欧州も日本も、大発生から収束まで丸2年かかっている。 2019年12月からとしても2021年12月になる。 1年後20201年の東京オリンピック開催も危うい。 医療の水準は当時と比べ物にならないくらい向上したが、人の交通も飛躍的に拡大・増大・高速化した。 スペイン風邪の世界的な流行は、たんなる昔話にできない。 4月14日、米国ハーバード大学の研究チームは「外出自粛は2020年まで必要」との論文を発表した。集団免疫の獲得には2年を要することが明らかになった、とのこと。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年07月12日 22時56分37秒
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