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もう…何がなんだか日記

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2019.11.17
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カテゴリ:小説&マンガreview
​​​​​​​​​​​​​​主人公@​脳嚙ネウロ​は文字通り魔界に住む魔人。

謎(を解いた時に発生する特殊なエネルギー)を栄養源とするが
魔界の謎を食い尽くしてしまったため、人間界に到来。
父親を殺害された女子高生@​桂木弥子​と出逢い、父親の事件を解明した後
彼女を隠れ蓑に、数々の謎に挑んで行く―


☆★☆★☆ネタバレあり★☆★☆★


日常の中に“異物”が入り込むことによって発生する物語…という意味では
『ドラえもん』等と同じパターン。
でも、要素要素はパターン崩し。


人間の姿を装っているが、実は鳥に似た奇怪な素顔のネウロを始め
魔界の住人は皆、不気味な姿をしている…というのは定番。

ところが、ネウロに謎を解かれた犯人達が曝け出す内面は
魔人以上に醜悪な形をしている。
この逆転が面白い。

そもそも、魔人の方が人間より身体能力は圧倒的に優れているのに
魔界で生じる謎は単純で
魔人よりも遥かに卑小な存在であるはずの人間の謎は
高度で味もカロリーも高い
…という設定なんだもの。

人間の方が中身は​複雑怪奇​だということだよね。


人間にとっての酸素に相当する瘴気が地上では不足しているため
ネウロの体力は段々弱くなっていく。
つまり、人間に近付いていく。

この設定だけでも斬新と言えると思うけど、それだけでなく
人間の犯罪者達が、もはや内面だけでなく身体的にもパワーアップしていく。
つまり人間離れしていく。
ハッキリ言って魔人化していく。
この逆転も面白い。


“相棒”弥子のキャラも良い。

最初は普通の女子高生に見えたけど
実は物凄い大食い…ってことで笑わせてくれるし
食に貪欲という面で、謎に貪欲なネウロと被る。

ネウロからのどSな扱いにも耐えるタフな女の子で
文句は言いながらもネウロの調子を気遣う母親的な面も持ち
ネウロの苦手分野(人間の心に関する部分)を引き受ける
勇気、洞察力、繊細で冷静な分析力等の持ち主でもある。

ネウロとは魔人と人間の違いなだけで、表裏一体と言っても良いのかも?
2人の誕生日が同じ(年は違う)3月10日という設定が裏付けになっているかも?
   *ネウロ誕生日は公式(?)には16月344日
   グレゴリオ暦に換算すると3月10日らしい

ちなみに、ひじゅにも3月10日生まれなんですぜ。
名前に「や」も付きますぜ>だから何?


弥子を筆頭として、吾代や笛吹といった登場人物達が
成長し強くなっていくのも面白さの一つ。

それに伴い、人間を食料源としか見なしていなかったネウロが
少しずつ人間に興味を持ち始め
弥子のことも自分の都合云々でなく守る様になり
やがて、自分が人間達から守られてもいることを自覚する。
この逆転も面白い。


ネウロ&弥子についてはXとIの関係ともリンクしている。
X1(イレブン)がIを思い出したことによって
Xに戻っただけでなく、内面的には人間らしさをも取り戻した
というところに。

自分の真の姿を探し求めていたXが
無自覚のままX1の姿に変わろうとしたことがあったのが
Iの言葉で中断され、Iの好みの姿に留まったこと
最終的に、自分真の姿としてXの方を選んだこと
…というところも象徴的。


だから最後は、そんなネウロが
弱り果てながらも必死に敵と戦い
本人は無意識ながらも自己犠牲の精神を発揮する。

敵は、人間なのに人間離れした能力を持ち
仲間や自分のクローンを犠牲にし
「新しい血族」と名乗るものの実質的には究極の魔人化した
(と断定して構わないと思う)相手で

それを心身共に人間に近づいた状態のネウロが倒す
…この逆転が最高に面白い。


「面白い」「面白い」と書いたけど
面白いのは、こうした概要(?)だけでなく
それぞれのエピや、それぞれの登場人物が、それぞれ面白い。

「クシカツ」には笑ったし
「HAL」には泣かされたし…


★☆★☆★☆★☆★☆


作:松井優征
2005~2009年『週刊少年ジャンプ』に連載
全202話(コミックス全23巻)



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Last updated  2019.11.17 17:45:36
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