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カテゴリ:離散差位
「離散差位」が、宇宙の摂理であることは、既に述べた。 「離散差位」のメカニズムを理解することが、多分人類の永遠のテーマなのかも知れない。 しかし、「離散差位」は、我々にも理解できる形で、この世に展開する。人間のレベルで言えば、「アイデンティティー」である。 ところがこれは単純なアイデンティティーではない。個人と集団というフラクタル(自己相似)の関係を持ったアイデンティティーである。 フランス人がフランスを作り、ドイツ人がドイツを作る。有る意味、当たり前のことかも知れないが、このフラクタル構造を支えているのが「言語」である。 これは、日本語を話す人間が、日本国を形成するということに通じる。 いくら日本人の両親を持って生まれても、日本語を話せない子供は日本人にはなれない。つまり、パスポートは日本国発行でも、日本という国の担い手にはなれない。 逆に、日本語を学び、日本に生活し、日本を愛している人は、外国人であっても「日本人」になることができる。 個人と集団のアイデンティティーの自己相似的関係は、ソシュールの「パロール」と「言語」の関係に通じる。 「離散差位」のメカニズムの、もうひとつの大切なことは、「アイデンティティー」が「進化」することである。 ただ、この「進化」の目的は我々にはわからない。しかし、進化を「完成」させるために、我々は日々生きているといっていい。 人類は、この宇宙の「物理的」な特徴を知っている。しかし、進化の完成した宇宙は、我々が知っている物理的世界を超越したものになる可能性が大である。 それを示唆してくれるのが「量子力学」であると私は考える。 人間が、見ようとする意思によって初めて、それに対応する物理現象が生まれるのだとすれば、我々が「知っている宇宙」は、既に人間が「考えた宇宙」であって、進化の末にある宇宙ではないはずだ。 別の言い方をすれば、今人類が知っている宇宙は「過去の記憶」であり、人類はこれから生まれるであろう「未来の記憶」を知るために生きているといえるだろう。 宇宙の真理は、人間の私には見えないかもしれないが、自分が宇宙の進化のために生きることができるとすれば、私はそれで十分である。」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.06.11 08:14:39
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