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カテゴリ:記憶言語学
flier 公式チャンネル :【ChatGPTの根源にあるもの】"ド文系の学者"が挑んだ数学を駆使した言語学研究。AIが言葉を生み出す鍵となる「理論言語学」とは?【言語学者・作家 川添愛】
言語学者・作家の川添愛さんの言語学観に関する動画。 理論言語学という分野の話になって、その先駆者として数学を使って生成文法を説いたチョムスキーの話が出てくるのだが、私は、チョムスキーは理論言語学者とは言えないと思う。 その理由は単純で、手話を排除したから。 チョムスキーの言語学では、音声言語、しかも多分、彼の母語であろう英語が、優先的な位置を占める。 英語にあらずんば言語にあらずと言う感じである。 チョムスキーの言語理論には、特定の知覚運動チャンネルに特化して、手話と音声言語という二つのタイプの言語が発明されたという視点は皆無。 私は会社を辞めて1995年に渡仏し、フランスの大学等の高等教育機関で言語学を学んだのだが、初期の頃から手話言語学と出会っ事が非常にラッキーだった。 単純に「人間には、特定の知覚運動チャンネルに特化して、手話と音声言語という二つのタイプの言語を発明する事ができる」と理解できた。 ところが、実際にそう思っている言語学者は少数であると思う。 多くは、手話というのは「音声言語の単語をジェスチャーで置き換えたバージョン」であるというイメージを持っていると私は睨んでいる。 というのも、彼らが実際に手話をどう捉えているかを確認するのは非常に困難であるからである。 私は、パリ第五大学で手話言語学を初め、その後、パリ第八大学に移ったのだが、手話言語学というのは、常に音声言語学の下に位置しているという印象を持っていた。 私が言語学の世界から離れて、もうすでに10年以上経つので現状は分からないが、この現実は、多分あまり変わっていないと思う。 私が個人的に目指している言語学というのは、手話と音声言語を全く平等な土俵上で扱う事にできる言語学であるが、手話と音声言語が全く平等であると主張する訳ではない。 其々の意知覚運動チャンネルによって生じる違いを十分に理解した上で、二つのタイプの言語を平等に扱うという事である。 こういう視点はチョムスキーには皆無。 だから私は、チョムスキーが理論言語学者であるとは認めない。 彼は生成文法を提唱した事により、言語学に関わらず時代の寵児になったが、それは間違いであったと、今後明らかになると私は見ている。 もしかしたら、本人も理解しているのかも知れない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.04.15 17:12:14
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