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カテゴリ:記憶科学
Rupert Sheldrake :Matter is Frozen Light: Sheldrake-Vernon Dialogue 86
私が「離散分裂(再)融合更新循環サイクル」を考えた切っ掛けの一つに、化学で習った「親和性」があるのを思い出した。 これで、何故、互いに引き合うのかの理由を考え始めた。 そして、二つのものが互いに引き合う為には共通部分がある筈だと考えた訳だ。 二つのものが互いに引き合う為には共通部分がある筈だと思い始めた時、音素を弁別する為のミニマルペアが持つ構造を思い出した。 ミニマルペアを実現する二つの単語は、共通部分と相違部分が前後に並んでいる事によって成立しており、「同じだけど違う、違うけど同じ」という矛盾した関係がある。 ミニマルペアを構成する二つの音声言語の単語は、どちらも同じ言語に属する記号であるとすると、この「同じだけど違う/違うけど同じ」と言う条件は、記号自体の持つ特徴であると私は考えたが、実はもう一つ重要な特徴がある。 それは、時間軸に沿って前後の順番を確定する「記号の二極性」である。 ミニマルペアと言うのは、聴覚的な記憶を喚起するのが基本であり、しかも二つの異なる記号を、ほぼ同時に記憶から喚起し、しかも、二つを物理的な時間軸に沿って、前後を鑑みて平行に並べると言う操作である。 私の関心は、この「記号の二極性」は、どの様にして確立されるのかと言う事に注がれた。 ここで私が気がついたのは、言語の記号は物理的な一方方向の時間の流れに逆行していると言う事。 音声として発せられた発話を聴き取って特定の記号であると識別する為には、記号の二極性を検知する必要があるが、これは線状的、つまり一方的に流れる聴覚刺激を単純に受け取るだけでは不可能である。 人間も動物と同じ認知主体であり、知覚刺激を一つの塊、つまり認知的な単位として、本来なら一方方向に流れていく聴覚刺激を「切り取る」事が出来るが、動物レベルの認知システムでは認知的な単位に二極性は存在しない筈。 もし二極性が始めからあったら動物も記号を持って言語を使える筈である。 では人類の個体であるヒトは、どうやって「記号の二極化」を獲得したのだろうかだが、動物レベルの認知的な単位が二極性を持つ為には、聴覚刺激の線状性を裏切って逆行する必要がある。 これは量子力学に於ける「量子もつれ」の発生と完全に重なるのだが、理系の人でなくても。文系の頭で理解可能。 一方通行の物理的な流れがベースにある時間軸を持つ聴覚刺激を、生命の持つ認知システムが反応行動を起こす為の認知的な単位として、聴覚刺激の物理的な流れのシーケンスの一部を切りとって認知的な単位とするのだが、この単位は生物認知的な時間軸に展開するものであり物理的な時間軸は介入しない。 正直な所、これを理解出来る人は、多分、私しかいない。 私は、極力、妄想しない事を、ずっと心がけてきた。 私の発想の出発点は「音素の離散性」であり、これは言語学と音韻学をちょっとかじれば、誰でも直ぐに出会える概念である。 私の理詰めの考察を理解出来る人がいたら弟子を取ろうと思う。 私が実践しているのは「還元主義」に将来とって代わることになる「離散主義」である。 これは、この宇宙の全てのものは。互いの関係性によって自己同一性を維持している、つまり存在していると言う視点に立っている。 私を「離散主義」に導いてくれたのは、ソシュールの「言語には差異しか無い」と言う命題である。 これにより、私は、ソシュールの記号の新解釈をし、記号を「記憶子」と定義する事にした。 これは、混沌から離散化して生まれるものを「離散子」と定義した事による。 量子は、離散子と定義される。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.04.17 18:34:32
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