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     トランクルーム貝塚のオヤジ奮戦記

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2020.03.29
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カテゴリ:人生訓
1987年に弊社は「100年に一度の繊維機械のイノベーション(技術革新)」と当時喧伝されたエアージェット織機を工場を新築して導入しました。

当時私は31歳。

体力的にもっとも無理が利いて頑張れる年齢でした。

それまでの100年間は「シャットル織機」と言って、木製のシャットル(杼=ひ)の中に巻いたヨコ糸を入れてが左右にシャットルが飛んで織物を作っていました。

そのヨコ糸を空気で飛ばすという従来と全く違った新しい方法で織物を作るのが「エアージェット織機」だったのです。

そりゃもう、その新しいエアージェット織機が搬入されたその日から頭の中を180度変えないと仕事が出来ないという状況に、実際身を置いたのです。

2週間だけ織機メーカーのサービス員が滞在して新工場の立ち上げを指導してくれたのですが、初日にサービス員から「今日から2週間滞在している間あなたに全てを教えますので、私達が去った後は従業員にあなたがすべて指導してください」と言われ、恐ろしいプレッシャーで全身が凍り付きました・・・(驚)。

事前に1週間研修したものの、たった2週間で織機の技術の全てを覚えなくてはならない・・・これほど大きなプレッシャーを感じたのは、私の人生で後にも先にもこの時だけです。

何億も投資して新工場を建設したのですから、織機を使いこさなければ失敗して倒産というストーリーを想像すると夜も寝れませんでした・・・(涙)。

それまでヨコ糸の状況(杼走)をシャットルの停止位置を肉眼で毎日見ていたのが、回転数がいきなり5~6倍になったのですから肉眼では見えないのでストロボの光で見るようになりました。

これが一番オドロキました。

シャットル織機の場合は杼走の状況によって、左右にシャットルを跳ね返すオイルバッファの中のオイルを入れ替えたりオイル漏れを防ぐために定期的にオイルシールを取り換えていたのですが、エアージェット織機になって当時最新鋭の8ビットコンピューター搭載のタッチパネルでエアーを噴き出す4~5個のバルブについた数本のノズルの噴き出し角度を入力するというスタイルに激変しました。

まだ若かったんでしょうねェ・・・この大変革に何の躊躇もなく、逆に面白がって新しい機械の操作に夢中になりました。

エアージェット織機を導入してから2年間は従業員は10人いたのですが、そのうち男子従業員はゼロでしたので、月産20万mの織物工場の現場の全てを重労働中心に自分一人で切り盛りしていました。

幸い当時まだ父親が社長をしていて経理と営業をしなくて済んだので、現場に集中できました。

朝5時から夜の10時まで日曜も工場を止めずにクタクタになって働いたお陰で、働き過ぎで食欲減退になり体重が8キロも減りました。

糸から織物にするという織布業というのはメーカー(加工業)なので、基本は現場です。

特に中小企業レベルでは、経営者が現場を熟知していなければならないのは子供の頃から父親の背中を見て学びました。

徹底的に織物工場の現場経験を積み、100年に一度の織機のイノベーションを乗り越えた事が、後に大きな自信となったのは言うまでもありません。

空手も最初に基本(突き、蹴り、受け、型)を徹底的に稽古することが、組手試合は別にしてイザという時に役立つのかと思います。

という事で、今まさに我々は5G(第5世代移動通信システム)が始まろうとするイノベーションの入口にいます。

どういう世の中になるのか・・・?

不安と期待が入り混じった複雑な気持ちは、ちょうど33年前のエアージェット織機導入前と同じです。

当時のような何億円という金銭的なプレッシャー(借金)が無いのだけが救いですが・・・(笑)。



「トランクルーム貝塚」「スタジオ0724」「貝塚卓球センター」「テレワーク&スタディ貝塚」「貝塚不動産.com」 大阪府貝塚市名越661 tel:072-446-0798  mail: info@sasatani.com

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Last updated  2020.03.29 12:03:43
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