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     トランクルーム貝塚のオヤジ奮戦記

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2021.04.19
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カテゴリ:人生訓
これまで65年生きてきて、ショッキングな出来事が2つありました。

1つは「CDの出現」であり、もうひとつは「エアージェット織機(織物機械)の出現」でした。

CDの前は中学生から一生懸命小遣いの範囲内でレコードをボチボチ買い貯め、大学生になってから聴く範囲の急拡大にレコード購入がついて行けなくなり(小遣い不足で)、一計を案じオープンデッキとカセットデッキの組み合わせでローコストで音楽を聴ける(FMラジオからのエアーチェック)工夫をしました。

1000本以上の膨大な数のカセットテープを作りましたが、CDの出現でその何年か後に泣く泣くカセットを全て廃棄し、CDに完全に乗り換えました。

この時の想いを何と表現したらイイのでしょうか・・・?

CDに乗り換えてから、これまた膨大な数のCDをパソコンを使ってコピー(CD-R)しました。

ウインドウズ95が発売されて直ぐですから、もう20年以上前の事です。

しかし今はCDを買ったりCD-Rコピーもする事はなく、昨年から音楽サブスクのspotifyオンリーです。

月額1000円で聴き放題です。

起きている間は、大体spotifyを聴いています。

私にとって、これほどCPが高いモノはありません・・・(涙)。

過去50年でシングルレコード → LPレコード → カセットテープ(オープンリール) → CD(MD)→ CD-R → サブスクと目まぐるしい私の音楽変遷です。

2つの目の織物機械の「エアージェット織機」ですが、その前は昔ながらの「シャットル織機」でした。

1985年にサラリーマンを辞めて家業の織物業に戻ってきたときは昭和30年代から使っていたシャットル織機でした。

子供の頃から織物工場から聞こえる「ガッチャン、ガッチャン」というシャットル音で育ち、それが戻って2年後に空気で横糸を飛ばす「エアージェット織機」にまるっきり変わったのです。

今の自動車業界でEV(電気自動車)は「100年に1度の改革」と言われていますが、30年前の織物業界でもそう言われたのです。

その証拠に、津田駒工業や豊田自動織機といったエアージェット織機メーカーの織機販売の代理店である伊藤忠と丸紅が子会社を作って、日本で最も織物業が盛んだった貝塚市内にその支店を開設したのです。

これには驚きましたねェ・・・

伊藤忠と丸紅のモーレツな売込みと当時バブル絶頂期だったため銀行はドンドン融資してくれました。

その結果、貝塚市には県外の工場も含めると約1000台のエアージェット織機が導入されました。

それも殆ど、清児から木積までの三中地区(木島&葛城小エリア)でした。

1台1000万円と考えると、恐ろしい金額です。

弊社は他社に先駆けてバブル前のプラザ合意後の円高不況だった1987年にエアージェット織機を20台導入しましたので(1986年に契約)、30%安い設備費や建築費で導入でき、当時最盛期だった羽毛布団(1セット20~30万円)の側地生産をいち早く軌道に乗せる事ができました。

しかしこれまで身につけてきたシャットル織機の技術を捨てて、1からエアージェット織機の技術を習得しなければなりませんでした・・・(汗)。

これが1番辛かったですね・・・

しかし何億もの投資金額で、生まれて初めて連帯保証人になりましたので、必死になったのは言うまでもありませんでした。

リスクを負うとは、こういう事なのか・・・と(汗)。

特にユニフル付の自動シャットル織機(坂本式)を改造する為に、地元で大手のN織布の「織機の神様」と全国的に呼ばれる方が地元に住んでおり、たまたま地元の鉄工所で知り合って教えを乞う事になり、弊社にあった織機全台を毎日1台づつ改造していき、稼働率が飛躍的に上がったのです・・・(涙)。

この時の経験で「織機とはこういう仕組みになって、こういう風に治すのだなァ・・・」と非常に勉強になりました。

しかし時の流れは残酷で、弊社を含めて殆どの織屋は倒産廃業し、三中地区で残ったのはたった5社です(最盛期の1960年代は150社)。

という事で、当時新しかった「CD」も「エアージェット織機」も何とか乗り越えられ、またその次の「spotify」と「トランクルームへの転業」に辿り着けたのは、その前段階の「カセットデッキ」と「シャットル織機」の経験があったからだと思います・・・(汗)。

「音楽」と「仕事」という人生における2つの大きな課題に一生懸命取り組んできて否定されるほど情けない事はありませんでしたが、まぁそうやって長年マジメに取り組んできて「変化対応力」がついたのかなぁ・・・?

まぁしかし、そんな歴史を辿ってきた音楽と仕事でしたが、何と約40年ぶりにレコードの音質とシャットル織機の風合いが見直されているではありませんか・・・(驚)。

CDはノイズが少ないですが再生周波数特性がレコードより劣り、エアージェット織機の高速回転に耐えれるように縦糸テンションを限界まで上げて織られたペーパーライクの風合いよりシャットル織機でゆっくり織られた風合いの方が良いのは当然だったのです。

しかしレコードもシャットル織機も商業ベースに乗るかと言えば、そうでもないところが微妙で、この辺がホンと商売の難しいところです。





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Last updated  2021.04.20 06:44:05
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