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カテゴリ:『はみだしっ子』シリーズ
-はみだしっ子番外編-
作:三原順 『眠れぬ夜』― 風の強い夜、闇に食べられてしまうと泣き出すマックス 月も星もない夜、地下室に閉じ込められていた過去に怯えるサーニン 雨の夜、雨音が自分に向けた嘲笑に聞こえて心が乱れるアンジー 静かな夜、他の3人が眠ったまま死んでしまうのではないかと不安に囚われるグレアム 『ボクと友達』― 街の暮らしに疲れた4人は山のふもとの森に行きます。 木の枝で家を造り、裸になって石斧を持って、自由に暮らし始めます。 でも、そこは週末になると綺麗な服を着た街の人々がピクニックに訪れる場所でした。 『ボクが友達』― 4人は林で弱って紫色になったタコさんを見つけます。 塩水を作ろうと、近くの村から塩を買占め、盗みもして、人々に追われる4人は タコさんを無事に海まで送り届けることはできたものの、心には悲しみが残ります。 * * * * * ギャグタッチの番外編。 でも、やはり切なさが漂います。 『…夜』は、4人の個性と、その背景がよく表れていると思います。 1人が眠れない時、他の3人も起き出して解決のために一生懸命になる姿が微笑ましいです。 グレアムだけが自分自身の問題ではなく、他の3人への心配や気遣いで一杯なのが キャプテンとして頼もしいなあ…と単純に思う反面、彼独特の悲しみも感じられます。 『友達』二作も含めて、外界との折り合いがつかない4人の切なさが伝わってきます。 4人は4人なりの価値観や喜びや正義感や愛があって、 読者には大いに共感できるものなのだけれど、外側にいる人々には受け入れられないのです。 そういうところに、読者は愛しさを感じるんだろうなあ… 彼らに自分を重ねたり… 彼らを本当に理解できるのは自分だけだと信じたり…>太宰治チック? なんて、ちょっぴりクールに分析してみたりして(笑) ただ、大人vs子供とか、個人vs社会とか、イノセントの保持と喪失とか… そうした単純な図式ではないと思います。 4人が抱えているものは、それより遥かに重くて複雑だと思います。 それに皆、年齢以上に大人だし。 悪賢い部分も持ってるし(笑) それに皆、いきがって反抗しているわけではなく、 自分達の世界を大切にしているけれど、その中だけで満足しているわけでもなく、 むしろ、他の人々に受け入れられたいと願っているのですから。 窮屈な既存の世界で生きていけず、自らの意志で飛び出した彼らですが、 “はみだしっ子”という名は、既存の世界とまだ繋がっているからこその呼び名で その繋がりを断ち切る気持ちは全くないでしょう。 だから、彼らは自分達の世界を守りつつ、元の世界に戻っていかなければなりません。 その葛藤に心が締め付けられます。 『はみだしっ子』レビューはこちらから『はみだしっ子』INDEX ☆やっくんち☆ ◇人気映画・TVBLOG◇ はみだしっ子(第1巻) たのしい英語のうた~メリーさんの羊 【スドー】タコツボ ミニ★ペット用品 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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