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カテゴリ:イタリア語の研究
実は私は、フランスの大学院で言語学を始める前、3年間、ソルボンヌ大学の文明講座でフランス語の勉強をした。
初めから、上級クラスに入れてもらえたのは、日本でちゃんと勉強していたおかげだと思うが、人から推薦された先生のクラスに入りたいとお願いしたら、その通り入れてくれて、実はそのクラスが上級でも一番上のクラスだと後から知った。 3年目は、大学の先生による授業のあるコースをとったのだが、そこでフランス語の動詞についての研究をした。そこで得られた一つの結論は、辞書の見出しに使われる「動詞の不定形」を使って動詞の活用を分類するのは、理にかなっていないということ。この時の研究では、三人称単数現在の活用形を全ての基本とする分類法を考えた。フランス語には、動詞の不定形が存在しないものはあるが、この活用形は必ず存在すると知ったのも大きなきっかけになった。 もう一つ、人称と単数複数で活用形を並べる方法であるが、1/2/3人称の単数+1/2/3人称の複数の順は理にかなっていない。なぜなら。三人称単数と複数は非常に密接に関わっていて、それを離して記述するのはおかしいと考えたから、次のような分け方を考えてみた。 動詞「manger/食べる」の場合: 1人称単数/複数 je mange / nous mangeons 2人称単数/複数 tu manges / vous mangez 3人称単数 il mange 3人称複数 ils mangent そして今、イタリア語の動詞の活用を独学で研究しているのだが、似たような印象を受けている。 フランス語では、発音上123人称単数は同じものがほとんどである。例外は数えるほどしかない。しかも3人称複数も全く同じものも非常に多い。 これに比べて、イタリア語では、この4つ(123人称単数+3人称複数)は語尾が完全に違う。 動詞「amare/愛する」の場合: 1人称単数/複数 amo / amiamo 2人称単数/複数 ami / amate 3人称単数 ama 3人称複数 amano 1人称単数/複数 -o 2人称単数/複数 -i 3人称単数 -a 3人称複数 -ano この動詞では、3人称単数が「-a」という語尾を取るが、イタリア語では、これに該当しない全ての動詞は「-e」を取る。つまり3人称単数の活用語尾は2つしかないということになる。 ところがここに「動詞の不定形」という分類が出てくると、動詞が「-are」「-ere」「-ire」という3つのグループに分かれてしまい(実は、これ以外にも「-arre」「-orre」「-urre」が存在するが、ここでは無視される)、この単純な「規則」にはまったく触れない(少なくとも私が読んだ参考書で、これに触れているものは日仏ともゼロ)。 amare > ama credere > crede aprire > apre 参考: trarre > trae porre > pone condurre > conduce いつかは、ここら辺を出発点にした「イタリア語の動詞の活用」についてもっと詳しく書いてみたいと思っている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019.04.23 19:25:07
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