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2011.09.04
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カテゴリ:韓国映画
監督のウン・テヨンは、韓国を代表する詩人だそうです。
そのせいか、この物語は“詩”を求める歌手の姿から始まります。

その歌手を演じるのは本物の歌手であるイ・スンチョル。
大人が感情を込められる芸術的な歌詞を探していたところ
まさに理想の作品に巡り逢います。
でも、その作者@クリームは行方不明。
彼女を知る人から過去の物語を聞く―
という形を取っています。

そして語られるのはクリームとケイのラブストーリー。


前半後半に分かれているのですが
前半はケイ視点で語られた物語を
後半にクリーム視点で補うという形になっているのが
面白いかな、と思います。


韓流ラブストーリーに付き物の
悲しい生い立ち、幼馴染、四角関係、気の強い女性、そして難病が出てきます。

クリームが、その“気の強い女性”で
本当は繊細な心を抱いているのだけれど悲しみをこらえて強がっている…
という設定なのは分かるのですが、やっぱちょっと強過ぎ(笑)
前半は本心を隠して強い部分を強調しているので、どうも感情移入できませんでした。

相手のケイ@クォン・サンウは逆に大人し過ぎ(^^;)
死期が近いため自分の感情を内に押し込めている役なので
仕方ないんですが…
まあ、彼が演じたから少しは存在感をもたらせたのかなあ…とは思います。


2人とも相手を愛するが故に相手の幸福ため自己犠牲を払うという内容で
確かにそれは最高の愛だとは思うのですが…

ちょっと自己中というか、自己満足だなあ…という印象でした>スミマセンスミマセン

いや、勿論、ただの人間ですから相手の心を読むことはできません。
良かれと思って取った行動が却って相手を苦しめてしまう、なんてこと
実はよくあることですよね。

そのズレが切ない物語を作り出しているし
そのズレがあるからこそ2人の愛の純粋さが際立つ、とは言えるかもしれません。

でも、巻き込まれた人々が気の毒なんだよな…


ネタバレになるので詳しくは書きませんが

ケイは、ある人の素行調査をし異性関係が派手なのを突き止め
それをネタに、ある行為を強要し
ダメだと分かると自分の診断書を見せて同情を引く―という行動を取るのが
ちょっとなあ…という気がしましたし

クリームは、ある人の心を(結果的に)弄んだ形になるので
ナンダカナ…という気がしました。


まあ、ケイ自身もかなり切ない思いを味わいましたし
クリームは、さらに切ない思いをしたことになるので

前半=悲しい物語
後半=もっと悲しい物語

ということなのかと思います。


でも、ラストではジュファンの切ない姿が映るので
もしかしたら、彼が「もっと悲しい物語」と言える…かも?

死ぬのは悲しいけど、生きていくのはもっと辛いと思うから。


印象に残ったシーンは、ケイが「止まった時間」の中で泣き崩れるところかな。

本国でもあまりヒットしなかったらしいですし
実際、もうちょっと何とかならないかなあ…という作品ではあったかと思います>エラソウ

でも、ミステリー風に後半で色々な事柄の真相が分かる、という作りや
くっついたり離れたりではなく(笑)相手の幸福を願う究極の愛をテーマにしたことや
男性のやせ我慢的な愛というか、男のロマン(?)的な物語で終わらせず
女性側の、ある意味とても積極的な愛の形を提示したところや
それを“伝説”として、詩で表現して終わるところ等は評価できるんじゃないかと思います。



『A Sad Story Than Sadness』 2009年/韓国
原作:ウン・テヨン『悲しみよりもっと悲しい物語』
監督:ウン・テヨン
脚本:ウン・テヨン、チェ・ウナ
出演:クォン・サンウ(ケイ/チョルギュ)イ・ボヨン(クリーム/ウォン)
   イ・ボムス(ジュファン)チョン・エヨン(ジュナ)イ・スンチョル(歌手)





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Last updated  2011.09.04 21:28:05
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